【スコットランド】スコットランドの代表的ソウルフード、ハギス
残念ながらイギリスには美味しい食べ物が少ない、ということで有名になってしまっています(イギリスで25年間暮らしていた筆者はそうは思っていません。)が、スコットランドには有名な興味深い伝統料理が数多くあります。
今回はその中でも「スコットランドの食べ物といえばこれ!」と誰もが思い浮かべる伝統料理、ハギスを紹介したいと思います。
ハギスとは
ハギスとは、茹でた羊の内臓ミンチに玉ねぎ、オーツ麦、ハーブを刻み、牛脂と共に羊の胃袋に詰めて茹でた(または蒸す)食べ物です。
このギョッとするような食べ物の発祥の歴史は、紀元前にもさかのぼるとも言われていますが、実際のところははっきりわかっていないようです。2009年には1600年のイギリスの古書にハギスのレシピが書かれていたことが発見され、スコットランドの人々に衝撃を与えたようですが、それも真実か否かは明確にはされていません。
はっきりと言えることは、現在においてハギスは長年スコットランド人に愛され続けてきた、スコットランドの代表的なソウルフードとなっています。
スコットランドでは誕生日、送別会、お正月などの特別な日にハギスを食べるようです。また、1月25日は国民的詩人のロバート・バーンズの誕生日で、毎年その日にはバグパイプの先導でハギスを掲げながら運んできて、バーンズがつくった「ハギスに捧げる詩(Address tae the haggis)」を朗読した後に食べる、というイベントもあるのだそうです。
実際のところハギスはかなりクセが強いので、スコットランド人が皆好きか、というとそうではないと思います。それでもやはりハギスは、スコットランドの代表的料理と言えるでしょう。
実際にハギスを食べてみた
普通ハギスはマッシュポテトとマッシュしたターニップ(カブの一種)と共に食べます。ハギスにはウイスキーとクリームを混ぜたウィスキーソースをたっぷりとかけます。
見た目はモツ煮込みを細かく刻んだ、という印象で、正直な所食欲をそそられるような見た目ではありません。
味は普通に美味しいです。内臓系の臭みはあるけれど、焼き鳥の肝やモツ煮込みが好きなら大丈夫だと思います。特に筆者はクセの強い食べ物を好む傾向にあるので、胡椒がピリッと効いたパンチの効いた味とプチプチする食感が面白く、楽しんで食べられました。ウィスキーにも合いました。
問題は歯ごたえでした。とにかく歯ごたえがないです。一緒に食べるのがマッシュポテトとマッシュしたターニップということもあり、これはまさに離乳食か流動食という感じです。できることならここに噛み応えのある野菜やパイ生地などが加わるといいなと思いました。
昔は羊の胃袋に詰められて丸い風船状で売られていたハギスですが、最近では食べやすいように袋詰めで売られていたり、オーツ麦と混ぜてハギスロールなるものをつくって、スコットランドの定番朝食に加えられたりしています。その他、パイやバーガーに加えたりして、食べやすいように工夫されています。
ハギスはお店やレストランによって味に特徴が出るような料理ではないため、今回はハギスを扱う有名店ではなく、普通にどこのスーパーマーケットでも買えるものと味を紹介しました。
しかしハギスは、スコットランドのパブや郷土料理を扱うレストランのメニューにあるのが普通なので、この一癖も二癖もある興味深いスコットランドのソウルフードを、お越しの際にはぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
筆者
イギリス特派員
ベイトマン明子
2023年に引っ越してきたばかりのスコットランドのあちこちを訪れ、皆様に報告できることを楽しみにしています。
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