【ドイツ】ライプツィヒ・バッハ博物館で、バッハの三つの特別展が開催!

公開日 : 2023年04月12日
最終更新 :

第一弾「神の栄光への教会音楽」がはじまりました!

かつて著名な作曲家の活躍の場であったライプツィヒですが、その中でも最も有名な人がヨハン・セバスティアン・バッハ。

バッハは最後の23年間、ライプツィヒのト-マス教会のカント-ル(音楽監督)として従事し、その間多くのカンタ-タ、オラトリオなどの大作を作曲しました。
そのバッハがト-マス教会のカント-ルに選出されたのが1723年。今年はちょうどその就任後300年にあたります。

これを機に、バッハ博物館では2024年3月までの間に、三つの特別展を予定しています。
その第一弾「神の栄光への教会音楽」が、ちょうどバッハの338回目の誕生日にあたる3月21日から始まりました。

バッハ博物館の特別展会場は、入り口を入って斜め左にあります。

特別展会場の入り口
特別展会場の入り口

入ってすぐのコーナ-では、バッハがカント-ルに就任するまでのいきさつが展示されています。

特別展会場に入ってすぐのコ-ナ-
© Bach-Archiv Leipzig 特別展会場に入ってすぐのコ-ナ-

今では世界に名の知れた著名な音楽家ですが、バッハは最初からカント-ルに選出されたのわけではありませんでした。なんと、2回の選考が行き詰った後、3回目でようやく選出されたのです。しかも、はじめて大卒でないカント-ルだったそうです。


敬虔なプロテスタント教徒であったバッハは、聖書の言葉やコラ-ル(讃美歌)を芸術的に表現していました。

バッハが使っていた聖書
© Bach-Museum Leipzig/Gert Mothes バッハが使っていた聖書

その例として、マタイ受難曲の清書には、聖書の言葉やコラ-ルの箇所が赤いインクで強調されている様子がみてとれます。

マタイ受難曲の楽譜の中に協調された赤字箇所
Bach-Museum Leipzig/Gert Mothes マタイ受難曲の楽譜の中に協調された赤字箇所

また、バッハは生涯で400近いコラ-ル(讃美歌)を作曲しました。そのバッハのコラ-ルは特徴として4声部で構成されています。
当時も各地で複写されて歌われていたようですが、バッハの死後息子のカ-ル・フィリップ・エマヌエル・バッハが1760年代に父のコラ-ル全曲を集めた「4声部からなるコラ-ル」という楽譜集を出版しました。
そのオリジナルも展示されています。

1765年に出版されたJ.S.バッハの四声部によるコラ-ル集
© Bach-Archiv Leipzig 1765年に出版されたJ.S.バッハの四声部によるコラ-ル集

さらに、バッハの代表的なオラトリオの傑作、マタイ受難曲についての展示もあります。今ではバッハ愛好家の皆さんにはお馴染みの名曲ですが、バッハの死後はほとんど忘れ去られてしまい、この曲の楽譜が印刷されて世に広まるまでには、100年の歳月が必要でした。


ちなみに、このマタイ受難曲を100年後に復興したのが、同じくライプツィヒで活躍したメンデルスゾ-ンでした。1829年3月11日にベルリンにおいてメンデルスゾ-ン自ら指揮をして、ジングアカデミ-・ベルリンという合唱団が演奏したのちに、各地に広まったという史実が音楽史に刻まれてています。

その後、メンデルスゾ-ンがライプツィヒのトーマス教会で演奏を行ったのが1841年。当時メンデルスゾ-ンが指揮をしていたゲヴァンドハウスオーケストラによる演奏だったようですが、なぜか合唱はトマ-ナではなく、特別な合唱団が演奏したとあるのが、興味深いですね。
その時の楽譜のオリジナルも展示されています。

1841年にメンデルスゾ-ンがライプツィヒでマタイ受難曲を演奏した際の合唱楽譜(ソプラノ声部)
© Bach-Archiv Leipzig 1841年にメンデルスゾ-ンがライプツィヒでマタイ受難曲を演奏した際の合唱楽譜(ソプラノ声部)

この特別展第一弾は7月9日まで開催していますので、是非お立ち寄りくださいね!

バッハ特別展「神の栄光への教会音楽」

住所
Thomaskirchhof 15/16, Leipzig
開催期間
2023年3月21日~2023年7月9日
電話番号
0341-9137202
開館時間
月~日曜日および祝日10:00~18:00
入館料
大人€10、16歳まで無料、毎月第一火曜日は入館無料

筆者

ライプツィヒ特派員

シェーファー 玲子

2008年夏よりドイツ中東部の町ライプツィヒ在住。現在はライプツィヒにてフリーランスと主婦業に従事している。

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