盲目のクライマーがアメリカ・ユタ州の奇岩登頂に挑むドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・クライミング!』

公開日 : 2023年05月09日
最終更新 :
(C) Life Is Climbing 製作委員会
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視力を失ったクライマー小林幸一郎(コバ)とその相棒、鈴木直也(ナオヤ)が日本人初の最高にアメージングでクレイジーなクライミングに挑む! 目指すはアメリカ合衆国・ユタ州にある奇岩「フィッシャー・タワーズ」の尖塔。視力を失ったクライマーが相棒の声だけを頼りに一体どうやって登るのか? 無謀とも思える挑戦はどのようにして始まったのか? ふたりでアメリカの大自然に挑む様子を約90分間の本編で体感しましょう。ドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・クライミング!』は5 月12日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA 他にて全国公開です。

作品のあらすじ

(C) Life Is Climbing 製作委員会
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「“フィッシャー・タワーズ”にコバちゃんを立たせたい」という、ナオヤのシンプルかつ真っ直ぐな思いから始まったアメリカの旅。

フィッシャー・タワーズがあるのは、アメリカ、ユタ州のモアブ近郊。
この辺り一帯は長い年月をかけてコロラド川に浸食され、奇岩や尖塔が荒涼とした大地に点在している地域です。

ふたりが目指したのは、フィッシャー・タワーズの中でも、“エンシアントアート”とよばれる砂岩。頂上部分は座布団一枚分くらいの広さしかなく、登りきるまでにもいくつかの難関なポイントがあります。ロッククライマーの間では有名なルートで、晴眼者で経験のあるクライマーなら難易度は高くありませんが、全盲のクライマーが挑むのはまさに驚異といえます。

目が見えないコバの代わりにナオヤが声で動きの指示を出します。「右手、1時半(の方向)、遠め。右、右、右!」8の字結びのロープで互いを繋ぎ、コバはナオヤの声に命をゆだねて岩を登ります。

作中ではふたりのクライミングの背景にフィッシャー・タワーズの変化に富んだ荒野の景色や、赤茶色の大地と青い空のコントラストが美しく映えます。全編に流れる音楽はMONKEY MAJIK の主題歌「Amazing」で映画をイメージして完成させた楽曲です。

ふたりはエンシアントアートの頂に到達できるのでしょうか? 手に汗握るふたりの挑戦の様子をぜひ劇場でご覧ください。

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ユタ州の魅力

©iStock
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フィッシャー・タワーズがあるユタ州には5つの国立公園があり、そのすべてで地球が何千年もかけて作り上げたダイナミックな景色や造形を目にすることができます。特にユタ州南部は「カラーカントリー」や「キャニオニングカントリー」とよばれており岩の芸術作品が集中しています。

今でも風化や浸食が少しずつ続いているフィッシャー・タワーズは、数年後も同じ景色を見ることができるという確証はなく、訪れたその時の素晴らしい風景を目に焼き付ける必要があります。

アーチーズ国立公園

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東京23区の約半分程の地域に約2000以上のアーチ型(穴の開いた)の岩が点在しています。太陽の角度によって異なった色彩や表情を見せる岩々はいかなる芸術作品にも勝る美しさです。

今回の映画の舞台となったフィッシャー・タワーズから一番近い国立公園なので、ぜひここを訪れた際はフィッシャー・タワーズも一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。

ザイオン国立公園

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岩の芸術の宝庫といわれるユタ州南部のなかでも、ザイオン国立公園はそのスケールで他を圧倒している。

変わった形の巨石群が多いほかの国立公園とは異なり、川の両岸にそそり立つ巨大な岩山を見上げながら川のなかをじゃぶじゃぶと歩く、そんなハイキングを楽しむことができるのは地球上でも数少なく、冒険心が掻き立てられます。ラスベガスから日帰りでバスツアーも出ているので、車を運転できなくても比較的簡単に訪れることができます。

ブライスキャニオン国立公園

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何千年もかけて雨や川に浸食された石灰岩が、まるでのこぎりの刃のようにギザギザと大地から伸び、太陽にあたるとオレンジ、白、赤茶色などカラフルにその表情を変えます。

公園内にはいくつかのトレイルコースが整備されているので、いろんな角度からこの奇岩を見ることができます。ブライスキャニオン国立公園は2000~2700mほどと標高が高く、高山病になってしまう場合もあるので、ゆっくり無理せず散策しましょう。

キャニオンランズ国立公園

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公園内は北のアイランド・イン・ザ・スカイ(Island in the sky)、南東のニードルス(Needles)、南西のメイズ(Maze)の3つのセクションに分かれています。それぞれのセクション間を通る道路やトレイルは無いので注意が必要です。

景観を楽しむだけであればアイランド・イン・ザ・スカイとニードルス、それぞれ半日から1日あれば十分ですが、キャニオンランズ国立公園の本当の魅力はアクティビティを楽しめるということ。マウンテンバイクで岩の上を走ったり、オフロードを4WDで走ったり、遊覧飛行に参加して空から景色を楽しむこともできます。

キャピトルリーフ国立公園

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周りに公共交通機関などは一切ないので車でのアクセスがマスト。
水の浸食と6500万年前の地殻変動によってできた複雑怪奇な岩の数々が約160kmにもわたって永遠と続いています。ワシントンDCの国会議事堂を彷彿とさせるドーム状の岩や巨大な落ち葉のような平らな巨岩の連なり、高さ120mの一枚岩などが見られます。
ビジターセンターから東へ1マイルのUT-24沿いには先住民が描いた岩絵をあちこちで見ることができるのだが、ここの岩絵には宇宙人のような奇怪な描写があるので、ミステリー好きにもたまりません。

アメリカの国立公園では、日本では見ることができないスケール感で大自然の神秘を体感することができます。
スクリーンでは伝わり切らない実際の空気感を現地で感じてみましょう!

筆者

地球の歩き方ウェブ運営チーム

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