2023年7月3日に正式開通したタイ・バンコクとサムットプラカーン県を走るMRTイエローラインとその沿線
はじめに
みなさま、サワディーカー。今回は、都市鉄道網が急速に拡大しているタイにおいて、バンコク都及びサムット・プラーカーン県内を走るモノレールとして*「MRTイエローライン」が2023年7月3日より正式開通しましたので、沿線の観光スポットと共に紹介します。
目次
- MRTイエローラインとは
- MRTイエローラインの駅と接続駅、運行頻度、運賃等
- MRTイエローラインでアクセスできる話題のスポット
- MRTイエローラインの参考情報
- 最後に
MRTイエローラインとは
MRTとはMass Rapid Transitの略で、タイの首都バンコクの首都圏を走る高速鉄道網です。イエローライン(Yellow Line)は、バンコクのラートプラオ(ラートプラーオ、ラープラーオ、ラップラオ、ラプラオ等で表記されることも有)からサムットプラカン県のサムロンまで約30kmを23の駅でつなぐべく、約550億円かけて建設されたモノレールです。タイ社会では、「菊花(เก๊กฮวย)」という愛称で紹介されることもあります。
MRTイエローラインは、2022年10月から試運転を行っていましたが、2023年6月3日からは、実際に乗客を乗せて、1か月間無料運賃で、時間や利用駅が限定的に運行を開始していましたが、7月3日~正式に全駅時刻表通りの運行を開始しました。
早々に乗車した人達から、「揺れが激しい」や「見晴らしがよい」といった感想を事前に聞いていたので、先入観から、揺れはそれほどでもない、見晴らしは思ったほどではないというのが私の感想でした…が、何度も乗ってみたくなるかわいい見た目の電車だなと感じました。
イエローライン開通により、ラートプラオ、ラムカムヘン、シーナカリン、パタナカーン地域の渋滞の緩和に役立つことが期待されています。また、今後、イエローラインは、シルバーライン、ライトレッドライン、オレンジライン、ブラウンライン、グレーラインとの接続も計画されているようで、さらに便利な公共交通手段の1つとなっていくことが予想されます。
MRTイエローラインの駅と接続駅、運行頻度、運賃等
ラートプラオ~サムロン間の約30kmに23駅を設置したMRTイエローラインの駅及び現在接続されている駅は以下の通りです。
YL01 ラートプラオ駅(Lat Phrao、タイ語表記:ลาดพร้าว)ーMRTブルーラインのラープラオ駅4番出口と接続
YL02 パーワナー駅(Phawana、タイ語表記:ภาวนา)
YL03 チョクチャイ4駅(Chok Chai 4、タイ語表記:โชคชัย 4)
YL04 ラープラオ71駅(Lat Phrao 71、タイ語表記:ลาดพร้าว 71)
YL05 ラープラオ83駅(Lat Phrao 83、タイ語表記:ลาดพร้าว 83)
YL06 マハータイ駅(Mahatthai、タイ語表記:มหาดไทย)
YL07 ラープラオ101駅(Lat Phrao 101、タイ語表記:ลาดพร้าว 101)
YL08 バンカピ駅(Bang Kapi、タイ語表記:บางกะปิ)ーセンセーブ運河水上ボートに接続
YL09 イェーク・ラムサーリー駅(Yaek Lam Sali、タイ語表記:แยกลำสาลี)
YL10 シークリーター駅(Si Kritha、タイ語表記:ศรีกรีฑา)
YL11 フアマーク駅(Hua Mak、タイ語表記:หัวหมาก)ーSRTフアマーク駅及びARLフアマーク駅に接続(ただし、結構歩きます)
YL12 カランタン駅(Klantan、タイ語表記:กลันตัน)
YL13 シーヌット駅(Si Nut、タイ語表記:ศรีนุช)
YL14 シーナカリン38駅(Srinagarindra 38、タイ語表記:ศรีนครินทร์ 38)
YL15 スアンルアンラマ9駅(Suan Luang Rama IX、タイ語表記:สวนหลวง ร.9)
YL16 シーウドム駅(Si Udom、タイ語表記:ศรีอุดม)
YL17 シーイアム(Si Iam、タイ語表記:ศรีเอี่ยม)
YL18 シーラーサーン駅(Si La Salle、タイ語表記:ศรีลาซาล)
YL19 シーベーリング駅(Si Bearing、タイ語表記:ศรีแบริ่ง)
YL20 シーダーン駅(Si Dan、タイ語表記:ศรีด่าน)
YL21 シーテーパー駅(Si Thepha、タイ語表記:ศรีเทพา)
YL22 ティパワン駅(Thipphawan、タイ語表記:ทิพวรรณ)
YL23 サムロン駅(Samrong、タイ語表記:สำโรง)ーBTSサムロン駅3番出口と接続
運賃は15~45バーツです。所要時間は、片道約30分~46分程度となっており、時間帯によって変動するようです。運行間隔は、平日7:00~9:00及び17:00~20:00の時間帯は5分で、それ以外の時間帯は10分となっています(2023年7月7日時点)。ラートプラオ駅発サムロン駅行きの始発は5:30発(サムロン駅05:59着)、終電は0:00発(サムロン駅00:44着)、サムロン駅発ラートプラオ駅行きの始発は5:30発(ラートプラオ駅5:59着)、終電は0:00発(ラートプラオ駅00:44着)。
MRTイエローラインでアクセスできる話題のスポット
1.ショッピングモール「シーコンスクエア」とシーナカリン鉄道市場等のあるスアンルアンラマ9駅
イエローライン開通により、タイ在住者の間で最も注目が集めたスポットはショッピングモール「Seacon Square(シーコンスクエア)」(https://www.facebook.com/SeaconSquareFanPage/)と木曜~日曜日18時~0時頃まで開催されるシーナカリン鉄道市場 (タラート・ロットファイ・シーナカリン、Train Night Market Srinakarin)でしょう。上の写真は、シーナカリン38駅から撮りましたが、最寄り駅はスアンルアンラマ9駅(Suan Luang Rama IX)です。
シーコンスクエアは、地元在住者にとっては全ての用事がこなせてしまうような巨大なショッピングモールです。スーパーやコンビニ、飲食店、ファーストフード店、家電製品店、文房具店、雑貨店、携帯ショップ、クリニックがある他、タイ・ドンキ3号店、ユニクロ、無印、スシロー、8番らーめん、マツモトキヨシ、ツルハドラッグ等、日本でも目にしたことがあるお店も入っています。4階には、室内遊園地「yoyoland(ヨーヨーランド)」(https://www.facebook.com/yoyolandseaconsquare/)や映画館「SEACON COMPLEX」もあります。個人的には、絵具や彫刻刀等も販売している「K.T.S」という文房具店がローカル価格で綺麗な製品が購入できて、楽しかったです。
これまで、電車等のわかりやすい公共交通機関ではアクセスできなかったので、タイ語を話さない外国人にはハードル高めのスポットでしたが、イエローライン開通により行きやすくなりました。夜も電車でアクセスできるようになり、女性が一人でも比較的行きやすい夜の観光スポットになりました。
筆者は、2023年6月下旬、シーコンスクエアからMRTイエローラインまでの戻り方が分からなくなり、シーコンスクエアで勤務するお店のタイ人スタッフさんに「MRTはどこですか?(=MRT(エムアールティー)ユーティナイカ?」と聞いてみたところ、「あっちかなー⁉どこかなー?」とスタッフ同士にたずねる感じだったので、地元の方にはまだあまり浸透していない感じはありました。何も考えず、やみくもに散策すると、帰り道に迷ってしまう恐れがありますので、その点、気を付けましょう。
同駅から徒歩圏内には、駅名にもなっているラマ9世公園(記事「花が美しいタイ・バンコクの『ラマ9世公園』へ行こう!」で紹介した公園)と「パラダイスパーク」というショッピングモールもあります。Google map情報によると、パラダイスパークのフードコートはリーズナブルで、珍しい料理もあり、楽しいそうなので、後日、散策に行ってみるつもりです。興味のある方は合わせて探検してみてください。
2.3種類の電車を一望できるフォトスポットのあるフアマーク駅
続いて紹介するのは、MRTイエローラインからSRT(タイ国有鉄道)やARL(エアポートレールリンク)への乗り換えができる場所として注目を集めているフアマーク駅です。
同じ駅名の駅まで、500m程の距離があり、乗り換えには結構歩かなくてはならず、疲れるという話を耳にします。近くまで行ってみましたが、確かに、スーツケース等それなりの荷物をもって、乗り換えする気は全くしないなという印象ですが、3つの電車を一望できるスポットがあり、人気のフォトスポットになっており、私も行ってきました。
フアマーク駅下車3分程のところに、MRTイエローラインとSRT(タイ国有鉄道)とARL(エアポートレールリンク)が交差する場所があります。SRTが通過する時に、踏切が降り、自動車等が停車する瞬間を狙いましたが、SNSで筆者がよく目にする3つの電車がそろう瞬間は残念ながらありませんでした。奇跡的にそろうことはありえるかもしれませんが、タイ人の間では、三脚を立てて、3つの電車をそれぞれ撮影して、Photoshop等で加工して、3つの電車がそろった写真に仕上げるのが人気のようです。撮影場所と時間帯によって、2つの電車がうつった写真を実際に撮ることはまだ実現可能な印象がありましたので、興味のある方は挑戦してみてください。
MRTイエローラインは、駅舎が高い所にありますので、駅のホームからMRTイエローラインを撮るのも楽しかったです。3ヶ所の駅ホームから撮影した写真を以下にリンクしますので、よろしければ参考にしてください。
MRTイエローライン開通により、駅から徒歩圏内となった寺院2選
3-1.寺院「ワット・ラートプラオ」
寺院「ワット・ラートプラオ(ワット・ラープラオやワット・ラプラオ等と表記される場合有)」は、タクシーで行くと帰りタクシーを捕まえられるか少し不安になる場所ですが、イエローラインで以前よりはアクセスしやすくなりました。パーワナー駅から徒歩約13分です。外からも中でもたくさんの仏像様が見られる美しい寺院です。
訪問時、皆さん、謎の男性から話しかけられるようで、私たちは、中が綺麗だよとにこやかに誘導され、その後、壺にお金を入れるよう言われ、20バーツ入れましたが、その男性が本当は何者なのかは謎のままです。一緒に行った友達の一人は一人では怖くて来れないと怯えていたので、女性一人での訪問するのは控えたほうがよいかもしれません。
タイ語ではวัดลาดพร้าว、英語では、Wat Lat Phraoと表記されています。
3-2.寺院「ワット・シーイアム」
寺院「ワット・シーイアム」は、駅のホームから見えて、大変美しくて、思わず、ホームに降り立った寺院です。申し訳ないことに筆者はまだ実際に行くことができていませんが、Google mapに投稿された実際に訪問された方の情報を見るとガラスがとても美しい寺院のようです。シーイアム駅から徒歩約6分です。タイ語ではวัดศรีเอี่ยม、英語では、Wat Sri IamまたはWat Si Iamと表記されています。
ローカルのお得な食器屋「ร้านถูกดี เซรามิค สมุทรปราการ(ラーントゥークディー・セラミック・サムットプラーカーン)」とミニ農園カフェ「Our Farm ฟาร์มเราเอง Cafe & Restaurant」のあるティパワン駅
天候がよければ、BTS及びMRTサムローン駅から徒歩で行くことも可能なスポットですが、サムローン駅からMRTイエローラインで1駅目のティパワン駅から徒歩圏内の食器屋「ร้านถูกดี เซรามิค สมุทรปราการ(ラーントゥークディー・セラミック・サムットプラーカーン)」と小さな農園を持ったカフェ「Our Farm ฟาร์มเราเอง Cafe & Restaurant」があります。
食器屋「ร้านถูกดี เซรามิค สมุทรปราการ(ラーントゥークディー・セラミック・サムットプラーカーン)」
食器屋「ร้านถูกดี เซรามิค สมุทรปราการ(ラーントゥークディー・セラミック・サムットプラーカーン)」は、サムローン駅からは徒歩約21分ですが、ティパワン駅からは徒歩約12分です。店名から察するに、アウトレット的な感じの商品があると思ってもらえたらちょうどよいのかもしれません。チャトチャック・ウィークエンドマーケットと似た商品もあり、同じような価格、ものによっては大変お得な価格で購入できる印象です。後日SNSで知りえた情報ですが、60年以上前に生産され、現在入手困難となっているビンテージの食器もあり、多少汚れがあってもオークションにかけられている商品もあったりするようです。一緒に行った日本人のお友達2人は見るだけでしたが、私は数枚の食器と金色のカトラリーを購入し、大満足のお買い物ができました。
ミニ農園カフェレストラン「Our Farm ฟาร์มเราเอง Cafe & Restaurant」
ミニ農園カフェレストラン「Our Farm ฟาร์มเราเอง Cafe & Restaurant」は、食器屋「ร้านถูกดี เซรามิค สมุทรปราการ(ラーントゥークディー・セラミック・サムットプラーカーン)」からは徒歩約19分、ティパワン駅からは徒歩約19分、サムローン駅からは徒歩約24分です。
訪問時、生後1か月のウサギさんがいて、店員さんが抱っこさせてくれました。訪問時、たまたま、2匹の亀の交尾等実際に見られて、衝撃的でした。
料理は、バンコク中心街に比べると、比較的リーズナブルな価格設定で、1皿200バーツ以下で食べられる感じでした。
カフェ「The saltbox coffee & specialty coffee(ザ ソルトボックス コーヒー & スペシャルティ コーヒー)」と帰り方
帰りはまた駅まで戻ってもよいのですが、カフェ「The saltbox coffee & specialty coffee(ザ ソルトボックス コーヒー & スペシャルティ コーヒー)」のある大通り「Thepharak road」まで出れば、屋根に「BTS」と記載されたソンテウに乗れば、BTSサムローン駅、ベーリング駅、バンナー駅まで一律10バーツで行くことができそうです。行先によっては歩く距離も短くなり、料金的にもお得です。
初めて乗車した日は、このソンテウはBTSサムローン駅近くまでしか行けないと思っていましたが、2回目の時に車内にタイ語で「バンナーまで行く」と記載があり、2回目の時は運転手の方に聞いて、BTSベーリング駅まで乗車しました。さらに、一駅先のBTSバンナー駅までソンテウで行けると思いますが、バンナー駅まで乗車したい方は念のため乗車前に運転手または乗客に確認してみてください。
ソンテウに乗車する際には、手を斜め下に出すと停車してくれます。行先が不安な場合は、窓をのぞき込むと、運転手が窓をあけて、受け答えしてくれます。行先を事前に告げておくことで、ほぼ確実にそこで止まってもらえます。下車する際には、降り場が近づいてきたら天井のボタンを事前に押すようにしましょう。降り場がよくわからない場合は乗客の方に聞くとよいでしょう。停車したら、さっと降りて、窓越しに運賃を渡します。事前に、20バーツまたは硬貨を用意しておくとスムーズです。
イエローライン開通により、筆者自身、初めてこのソンテウの存在を知り、乗ることができ、嬉しい発見でした。観光客の方にとっては、イエローラインなどの電車での移動やタクシーのほうが簡単で快適な移動手段な気もしますが、ソンテウもタイならではの乗り物なので、慣れれば、大変便利な移動手段の1つなので、参考になればと思います。
MRTイエローラインの参考情報
- イエローラインの情報(タイ語)
- https://www.facebook.com/CRSTECONYL/
最後に
イエローラインの開通により、沿線のさらなる観光スポットが開拓されたり、今後できていくことが期待されます。タイ旅行に来られる方は、イエローライン沿線も、気軽にアクセスできるところとして候補に加えてみてください。それでは、皆様、サワディーカー。
筆者
タイ特派員
Taeko
2011年10月から、夫の転勤で、タイのバンコク在住。
【記載内容について】
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