【サウジアラビア取材日記 DAY 2】リヤド市街散策

公開日 : 2023年07月24日
最終更新 :

23年7月に取材で訪れたサウジアラビア。2日目は“栓抜きビル”ことキングダムタワーや、世界遺産「ディルイーヤのツライフ地区」などリヤド市街の散策です。

DAY 1の記事はこちらもご覧ください。

ひと眠りすると既に太陽が上がっていました。この日のホテルは『ハイアット プレイス リヤド アル スレイマニヤHyatt Place Riyadh - Al Sulaimania』を利用。朝食を7時すぎには済ませ、ホテルの周辺を散策します。

中心地との喧騒とは無縁の静かで快適なホテルでした
中心地との喧騒とは無縁の静かで快適なホテルでした
ホテルの向かいにはアラビアンでキッチュなカフェ
ホテルの向かいにはアラビアンでキッチュなカフェ
朝の6時台というのに外は33度ともう暑いです。近くにモスク、遠くに遠近感の狂う巨大なビル
朝の6時台というのに外は33度ともう暑いです。近くにモスク、遠くに遠近感の狂う巨大なビル
30分も歩かないうちに喉が渇いてきました…
30分も歩かないうちに喉が渇いてきました…
初の買い食いは前に並んでいた女性と同じ抹茶シェイク。(サウジでは抹茶が流行っているそうです)1杯1000円くらいで大分高いと感じますが、こちらのカフェは日本にも支店がある有機栽培がウリのオシャレカフェだし、日本のLサイズくらいあるので、ギリギリ許容か…。味は日本のシェイクより少し甘めだがかなりおいしい。リヤドなどに数店舗あるようです
初の買い食いは前に並んでいた女性と同じ抹茶シェイク。(サウジでは抹茶が流行っているそうです)1杯1000円くらいで大分高いと感じますが、こちらのカフェは日本にも支店がある有機栽培がウリのオシャレカフェだし、日本のLサイズくらいあるので、ギリギリ許容か…。味は日本のシェイクより少し甘めだがかなりおいしい。リヤドなどに数店舗あるようです
店名
Urth Caffe Tahliya - Riyadh
URL
http://www.urthcaffe.sa/welcome/index

サウジアラビアはコーヒー輸出国のイエメン、エチオピアなどに近いためか、コーヒーのレベルがとても高いです。地元の皆さんはカフェラテに大量のシロップを入れて飲んだり、日本人には結構甘めな味付けが好みの様子でした。現地を訪れる際にはぜひ一度、ドリップコーヒーも試してみてください。

開発があちこちで進み、最新の複合施設があちこちに建っているリヤド。日本食やイタリアンなど料理のチョイスも増えつつあるようです
開発があちこちで進み、最新の複合施設があちこちに建っているリヤド。日本食やイタリアンなど料理のチョイスも増えつつあるようです

サウジはペットボトルの水の値段は1本1リヤル(約40円)程度と手ごろですが、コーヒーなど人の手が入るものをお店で頼むと一気に値段が上がるので、うまく使い分けるのがポイントです。今回の旅で店で作っているコーヒーやドリンクが500円を切ることは最後までありませんでした。

ちなみに、レストランに入るときに出てくるアラビアコーヒーは、コーヒーという名前はついているものの、ほとんどカルダモンやジンジャーベースのスパイスティーに近いものなので、別物ととらえておきましょう。こちらも暑いサウジにピッタリで熱い飲み物なのに飲むと清涼感が広がり、一度慣れると飲まずにいられなくなっていました。

国立博物館でサウジアラビアの興りとイスラムの世界観に触れる

ホテル周辺の散策を終えて、国立博物館へと移動します。

ここは地球の誕生から近代までをサウジアラビアの歴史観を基にした説明で見て回れる面白い博物館です。説明も科学的な内容は馴染みのある表現で書かれているのですが、そこにイスラム的な世界観の内容が追加されていたりするので、文化の違いを体感することができます。

古代の遺物の展示
古代の遺物の展示
歴史にイスラムの預言者の生誕時期が併記されていて世界観の差を感じます
歴史にイスラムの預言者の生誕時期が併記されていて世界観の差を感じます
原油の溜まり方のようなサウジならではの展示もあります。サウジに来たらまずここにきて、サウジの人がどう考えて来たかに触れるのがおススメです
原油の溜まり方のようなサウジならではの展示もあります。サウジに来たらまずここにきて、サウジの人がどう考えて来たかに触れるのがおススメです

隣接しているムラバ・パレスはアブドルアジズ初代国王の謁見の間や重臣たちの部屋、当時国王が乗っていた車などの展示があります。

説明書きはすべてアラビア語か英語のみなので、中東の歴史や文化に興味がある方は事前に書籍などを読んでから訪れると新しい発見があるかも…。(旅の前に『サウジアラビア』(高尾 賢一郎著・中公新書)を読んできたのですが、サウジ初心者の方はぜひ)

ロールスロイスなどそうそうたる豪奢な車が並びます
ロールスロイスなどそうそうたる豪奢な車が並びます
初代国王からサウジ王家の家系を木に模した図。圧倒されます
初代国王からサウジ王家の家系を木に模した図。圧倒されます
建物の横には日陰を求めたネコが避難してきていました
建物の横には日陰を求めたネコが避難してきていました
王への謁見を待つ人々が待機していた部屋。伝統的な作りで無機質で現代的なビル群とは対照的で味わいがあるので、こちらもぜひ訪れたい
王への謁見を待つ人々が待機していた部屋。伝統的な作りで無機質で現代的なビル群とは対照的で味わいがあるので、こちらもぜひ訪れたい

リヤドのランドマークでサウジの発展を感じる

リヤド北部にあるラグジュアリーホテルAscott Rafal Olaya Riyadhに併設された複合施設Ramla Terraza内にある地中海料理『アイリス・カフェIris cafe』でランチを取り、午後はリヤドに着いた時にひと際目に入る“栓ぬきビル”『キングダム センター タワー』に向かいます。

料理はどれも日本人の口にも合う味。旅程全体を通して、辛い食べ物は少ない印象でした
料理はどれも日本人の口にも合う味。旅程全体を通して、辛い食べ物は少ない印象でした

iris caffe Riyadh

住所
King Fahd Branch Rd, As Sahafah
Ramla Terraza内に隣接するオシャレ雑貨屋『JONES RIYADH』少し奮発したお土産をゲットするのによい。他にも日本食レストランなどがある
Ramla Terraza内に隣接するオシャレ雑貨屋『JONES RIYADH』少し奮発したお土産をゲットするのによい。他にも日本食レストランなどがある

車で走り始め少し経つと、ついにホテルからも見えたあの“栓抜き”とご対面です。

まばゆくて二重に日焼けしそう! 
まばゆくて二重に日焼けしそう! 
一歩入ると立派なショッピングモールが広がります
一歩入ると立派なショッピングモールが広がります

この「キングダムビル」はラグジュアリーホテル『フォーシーズンズ ホテル リヤド』とショッピングモール、オフィスが入っています。フォーシーズンズには今現在、リヤドのサッカーチーム、アル・ナスルに所属しているクリスティアーノ・ロナウドが泊まっていたホテルとして地元で有名です。(元々サウジのチームはアル・ヒラルしか知らなかったのですが、アル・ナスルとアル・ヒラルの1戦はリヤド・ダービーとして特にアツい試合が繰り広げられるそうです。いつか見てみたい…)

今日の目当ては展望台なので、これらを横目に、栓抜きの一番上の部分にある『スカイ ブリッジ』へとそそくさと移動。リヤドで一番高くて目立つこのビルから、市街の風景を望みます。

99階の展望台まで高速エレベーターで乗り継ぐと…
99階の展望台まで高速エレベーターで乗り継ぐと…
リヤドがど~んと一望できます。こちらは発展しているサイド
リヤドがど~んと一望できます。こちらは発展しているサイド
反対側は中心地にも関わらず空き地だらけ。ここにも近い将来、大きなビルが立ち並んでいくのでしょう
反対側は中心地にも関わらず空き地だらけ。ここにも近い将来、大きなビルが立ち並んでいくのでしょう

元々ワディ(涸れ谷と教わった記憶がありますが、アラビア語では単なる谷の意味で使われているそうです)にあった内陸の都市・リヤドは交通の要衝であり、サウジ王家のサウード家の本拠地でもあった場所です。ガイドの方によると、今郊外には世界で最大の庭園の建設が予定されているそう。時価総額で米Apple社を超える世界第1位企業、アラムコを擁するサウジ、これから凄い勢いで発展していくのでしょう。

昔のリヤドを垣間見れる世界遺産ツライフ地区へ…

遺跡が近づくにつれ、気持ちが高鳴ります…
遺跡が近づくにつれ、気持ちが高鳴ります…

夕暮れが近づき移動したのが本日のハイライトになったディルイーヤad-Dir'iyahという町にあるツライフ地区At-Turaif Districtです。

実は現在のサウジ王国は第三次王国にあたります。このツライフ地区はその第一次王国(1818年に消滅)が存在した当時の建物や、さらに以前の15世紀に建てられた遺構を修復した建築物で構成されています。簡単に言うと、アラビア半島のど真ん中にあるオアシスと交通の要衝を守る城塞です。オアシスからオアシスへ移動するアラビアでの当時の生き方を考えると、ここがいかに大事な場所だったかがわかります。2010年に世界遺産に登録されました。

当時の貴重な遺構がそのまま残っている場所と…
当時の貴重な遺構がそのまま残っている場所と…
見学用に当時の様相に修復を重ねたエリアが入り交じり、中世のサウジにさまよいこんだ感覚を味わえます
見学用に当時の様相に修復を重ねたエリアが入り交じり、中世のサウジにさまよいこんだ感覚を味わえます
夕方ごろから見学を始めましたが、ガイドさんの説明を聞いていたらいつの間にか日は落ちていました。ライトアップも美しく、時間帯としてもバッチリで大満足でした。夕方に訪れるのをおススメします。
夕方ごろから見学を始めましたが、ガイドさんの説明を聞いていたらいつの間にか日は落ちていました。ライトアップも美しく、時間帯としてもバッチリで大満足でした。夕方に訪れるのをおススメします。

地元の生活を支えるスーク(市場)でトーブやアバヤを物色

リヤドのスーク(市場)は夕方にオープンし始めます。リヤドで最も古いスーク(市場)のひとつである『タイバ・マーケットTaibah Markets』や隣接する『アル・オワイス・マーケットAl Owais Markets』では日本では見たことのないサイズのカーペットや、素朴なデザインの家具、スパイスなど生活に必要なものがなんでも売っています。ここでは、サウジアラビアの正装のトーブを購入しました。(女性の正装はアバヤです)

トーブ屋の様子。トーブはプルオーバーの白の1枚着。下にタンクトップや白色のパンツをはきます。リーズナブルなトーブで100リヤル、一緒に買った部屋着は40リヤルでした(ちなみに女性のトーブは200リヤルだったとのことですが、この後向かうアブハなどの地方都市ではもう少し安価に買い物ができることが判明しました)
トーブ屋の様子。トーブはプルオーバーの白の1枚着。下にタンクトップや白色のパンツをはきます。リーズナブルなトーブで100リヤル、一緒に買った部屋着は40リヤルでした(ちなみに女性のトーブは200リヤルだったとのことですが、この後向かうアブハなどの地方都市ではもう少し安価に買い物ができることが判明しました)
頭にまくシュマーグ(国によってクフィーヤなどいろいろな呼び名がある)も色々な模様が。イギリスのタータンみたいに家などの情報が入っているのかと思いガイドに聞くと『いや、その日の気分』とのこと。本当かな…。トーブはスーツと同じで仕立てや装飾などで現地の方は色々わかるようです
頭にまくシュマーグ(国によってクフィーヤなどいろいろな呼び名がある)も色々な模様が。イギリスのタータンみたいに家などの情報が入っているのかと思いガイドに聞くと『いや、その日の気分』とのこと。本当かな…。トーブはスーツと同じで仕立てや装飾などで現地の方は色々わかるようです

タイバ・マーケットTaibah Markets

住所
King Fahd Rd, Riyadh
営業時間
9:00~0:00(夕方から開店する店が多い)

お茶や軽食を出す店もあるので、店を回りながら好みのお土産を見つけてください。お土産選びに夢中になって迷子にならないように注意しましょう。

明日はサウジアラビアの高原リゾート・アブハへ移動します。

筆者

上原 康仁

登山関連情報の発信が多いです。

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