【スコットランド】迫力と感動!短い夏の風物詩「エジンバラミリタリータトゥー」
毎年8月、1か月にわたってエジンバラ城で行われる大人気のイベントが「エジンバラミリタリータトゥー」です。
これはスコットランドの盛大な夏の祭典「エジンバラ国際フェスティバル」のイベントのうちの一つで、1950年国民への活気付けを目的に始まり、世界40か国以上が参加しながら現在まで開催され続けている大人気のイベントです。
市内中央にそびえたつキャッスル・ロックという岩頸の上に建てられたエジンバラ城の前のエスプラナード広場には1万席にも及ぶ観客席が設置され、ライトアップされたエジンバラをバックに、毎晩2時間ほどの迫力ある軍隊音楽と花火のショーが行われます。
かつては軍隊の出陣時や勝利の帰還時、そして戦争で亡くなった軍人たちを葬る際に演奏されたバグパイプによる荘厳で迫力のある軍隊音楽には、人々の心を惹きつける魅力があります。
今回はそんな歴史ある大人気イベント「エジンバラミリタリータトゥー」に参加してきましたので、その様子をレポートしたいと思います。
ちなみに「タトゥー」というのは入れ墨のことではなく、オランダ語の「tap toe」が語源になっていて、「酒樽の栓を閉める」という意味だそう。軍隊がドラムやラッパを鳴らすことが「酒盛りをやめて兵舎に帰れ」という意味であったこととかけて、冗談めかして「タトゥー(tattoo)」と呼んだことがきっかけで、軍隊の演奏行進を「ミリタリータトゥー」と呼ぶようになったそうです。
2023年8月のエジンバラタトゥーに参加しました
エジンバラミリタリータトゥーは夜9時半開演です。スコットランドの夏は昼間の明るい時間が長く、夜9時半を過ぎてようやく暗くなってくるため、エジンバラ城のライトアップと花火でショーを盛り上げるために、このような遅い開演時間になっています。エジンバラ城の開門は夜8時。それまで観客はエジンバラ城まで続く坂道を、道沿いに立ち並ぶいろんな店に立ち寄りながらゆっくりと上り、開門を待ちます。
私たちはエジンバラ市内にある日本食レストランで夕食を食べ、8時過ぎにレストランを出ると大粒の雨が降ってきました。天気予報では雨の予報がなかったため雨具は持っていません。やはりスコットランドの天気は予想不可能。雨の予報がなくても絶対に雨具は持っていたほうがいい、と思っていたのに、その日は一日中雲一つない晴天だったので油断しました。雨はかなりの勢いで降っていて、頭からずぶ濡れです。
私たちは土産物屋でスコットランド国旗のマークがあちこちにちりばめられた雨合羽を購入(3ポンド)し、それを頭からかぶってエジンバラ城へと向かいました。
ちなみにお城までの道のりは簡単です。いろんな方向から行けるし、あちこちにサインもあるので迷うことはないです。なんせお城は岩のてっぺんにあるので、見失うことなくたどり着けます。人は多く、警備員の数もものすごく多いです。
お城に入る前に簡単な手荷物チェックがありましたが、それほど並ぶことなくスムーズ通り抜けられました。
私たちがお城に到着したのは夜9時すぎ。会場となるエスプラナード広場には、広場を囲むように座席スタンドが設置されていて、その裏側は十分な数の簡易トイレが設置されていました。また、ショーが始まるまではアルコールを含むドリンクやスイーツ、プログラムがあちこちで販売されていました。
入り口は座席番号によってセクションで分けられています。係員に聞くと皆親切に対応してくれました。
私たちの座席は座席スタンドのちょうど中央あたりでした。座席までの階段はかなり急で、雨が降っていたこともあってかなり滑りやすいです。屋外のため座席も濡れています。私たちは雨合羽があったので本当に助かりました。次回もしまた行く機会があれば、タオルやクッションを持参した方が賢明だと思いました。
開演5分前には座席はもう満席です。会場の後ろにそびえたつお城にはたいまつが焚かれ、プロジェクトマッピングで開演までのカウントダウンが始まっています。人々も盛り上がってきました。
大砲の爆音と共にショーが始まりました。最初はキルトの民族衣装に身を包んだバグパイプ団のいるスコットランド軍。続々と入場してくる軍隊の人の数には驚きました。広場をすべて埋め尽くすほどの規模です。
心に染み入るようなバグパイプの音色とドラム、ラッパが合わさり、行進のフォーメーションと相まって大迫力のパフォーマンスです。
その後世界の様々な国の軍隊のパレードが続きます。国によって軍隊や音楽の雰囲気が全く異なるのも興味深いところでした。
私個人の印象としては、ヨーロッパ勢は硬く、整然と規律を守るイメージ。一方アメリカやアフリカはもっとカジュアルに、陽気に、軍隊というよりも歌って踊るパレードでした。
軍隊の音楽の他にも、女性たちによるアイリッシュダンスやフィドルという弦楽器の演奏とダンスなどもあり、華やかなショーの部分も多かったです。
フィナーレは出場チーム全員が会場に集結し、全員による大迫力の演奏とパフォーマンスです。
お城をバックに花火も上がり、最後は本当に盛り上がりました。
大盛り上がりの中、2時間ほどでショーは終了しました。幸いショーの間は雨が降ることもなく、とても楽しい時間を過ごすことができました。
私たちが訪れたこの日はたまたま8月15日。日本の終戦記念日でした。このような戦争にまつわる特別な日に、そして世界ではまだ戦争が起こっているのに、こうして世界の軍隊が集まって美しい音楽を奏で、それを多くの人々が楽しんでいるこの時間。それはとても感慨深くて素敵な時間でしたね。感動しました。
- 名称| Edinburgh Military Tatoo
- 開催場| Edinburgh Catsle
- 開催期間| 8月中。毎日。
- 時間| 夜8時にエジンバラ城開門。夜9時半開演。
- 価格| 座席によって価格は異なり、45ポンドから660ポンドまで。
- 予約| チケットの予約は様々なサイトで取り扱っています。一日ツアーなどもあるので検索してみてください。
- 公式ホームページ| www.edintatoo.co.uk
おわりに
エジンバラ城をバックに繰り広げられる軍隊の演奏とショーは大迫力で感動しました。
大音量で鳴り響くバグパイプの音色には心を揺り動かされ、その音色と歴史あるお城、様々な照明や花火が相まって時間があっという間に過ぎました。もしも夏にエジンバラを訪れる予定があれば、その機会にぜひ体験することをお勧めします。その際エジンバラの天気は変わりやすく、夜になると気温もぐっと下がりますので、雨具と防寒具は必須ということをお忘れなく。
筆者
イギリス特派員
ベイトマン明子
2023年に引っ越してきたばかりのスコットランドのあちこちを訪れ、皆様に報告できることを楽しみにしています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。