【ラグビーW杯2023】南仏ニースの歩き方(後編)旅行者も体験できる絶品ニース料理作りに挑戦!

公開日 : 2023年09月03日
最終更新 :

ニース取材の後編では「食」に注目!おいしい地元グルメとの出合いは旅の楽しみのひとつですが、今回はレストランで食べるだけでなく、現地の先生に習って本場のニース料理を作ります。レッスンに挑戦するのはフランス親善観光大使の大野均さん。レシピを学んで自宅で再現できれば、帰国後も旅の余韻に浸れますね。日本からの旅行者も事前予約で参加できるので、新しいニース旅行の楽しみ方として参考にしてください。

そもそもニース料理とは?

野菜いっぱいのニース風サラダ Salade Niçoise
野菜いっぱいのニース風サラダ Salade Niçoise

地中海に面した豊かな自然に育まれた南仏は新鮮食材の宝庫。料理は素材を生かしたシンプルなものが多く、国境を接しているイタリアの食文化の影響も大きく受けています。ニースの代表的な郷土料理としては「サラダ・ニソワーズ(ニース風サラダ)」「ラタトゥイユ」「ピサラディエール(アンチョビ入りのタマネギピザ)」「ファルシ(野菜の肉詰め)」などが挙げられます。野菜やフルーツ、オリーブオイルやハーブがふんだんに使われることも特徴のひとつ。野菜不足になりがちな旅先ではありがたいヘルシーな料理が揃います。

本物のニース料理店であることを示す認証マーク
本物のニース料理店であることを示す認証マーク

伝統的な本物のニース料理を提供する店には、上の写真のような認証マークが与えられます。レストランだけでなく市場に並ぶ総菜屋などでも見つけられるので、お店選びの参考にこのマークを覚えておきましょう。

料理レッスンは朝市で食材の買い出しからスタート

ニース料理はほかのどの町とも違うと語るローザ・ジャクソンさん
ニース料理はほかのどの町とも違うと語るローザ・ジャクソンさん

ニース料理を教えてくれるのは「レ・プティ・ファルシ」クッキングスタジオのローザ・ジャクソンさん。カナダでフードライターとして働いたあと、1995年にフランスに移住。当初はパリで働いていましたが、地中海料理の独特な食文化に魅せられてニースに移り住み、食の研究を重ねて、現在はローカル食材で作るニース料理をたくさんの生徒に教えています。

やさしい英語で説明してくれるので言葉に不安があっても大丈夫
やさしい英語で説明してくれるので言葉に不安があっても大丈夫

ローザさんの料理レッスンは市場での買い出しから始まります。待ち合わせはニースで一番大きなサレヤ市場。青果を中心にたくさんの店が並ぶなか、トマトはこの店、ズッキーニはあの店……と忙しく移動するローザさん。市場では生産者が直接販売していることが多いので、店主と会話しながら食材ごとに状態のよいものを見極めていきます。スーパーマーケットのようにひとつの店でまとめ買いするのではなく、作り手と会話しながらいろんなお店で買えるのが市場の醍醐味。旬の野菜の特徴やどういう調理に向いているかなど説明しながら歩いてくれるので、食材に関する知識がどんどん増えていきます。

量り売りのオリーブは少しずついろんな種類を食べてみたい
量り売りのオリーブは少しずついろんな種類を食べてみたい
フレッシュなバジルやハーブ類もニース料理に欠かせない食材
フレッシュなバジルやハーブ類もニース料理に欠かせない食材

サレヤ市場では食べ歩きにぴったりなおやつやドリンクも売られています。巨大なクレープにも見える「ソッカSocca」に出合ったらぜひトライしてみてください。ひよこ豆の粉でできたおやきのようなもので、ニース名物のひとつです。こちらのソッカは少し酸味のある味わいでした。

1ピース€3。切り分けてクレープのような紙包みに入れてくれる
1ピース€3。切り分けてクレープのような紙包みに入れてくれる

サレヤ市場 Marché Saleya de Nice

住所
Cours Saleya, 06300 Nice
営業時間
火~日8:00頃~12:30頃(店によって異なる)

市場の食材で本場のニース料理作りにトライ

南仏の太陽をたっぷり浴びた色鮮やかな野菜たち
南仏の太陽をたっぷり浴びた色鮮やかな野菜たち

市場での買い物を終えてキッチンスタジオに戻ったら、さっそく調理開始!今回の献立はこちら。

・ラタトゥイユ(野菜のトマト煮込み)
・ピサラディエール(アンチョビ入りのタマネギピザ)
・仔羊のグリル
・ラベンダーのクレーム・ブリュレ

オリジナルのレシピ帳があるという実は料理好きな大野さん
オリジナルのレシピ帳があるという実は料理好きな大野さん

ラタトゥイユの作り方はいたってシンプル。ざく切りにしたトマト、さいの目に切ったナスやズッキーニ、タマネギ、パプリカなどを塩とオリーブオイルで炒めて混ぜ合わせるだけ。ただし決してひとつのフライパンでまとめて炒めてはいけません。食材ごとに別々のフライパンで炒めるのが本場流。思わず自宅のフライパンの数を思い返してくじけそうになりますが、この手間のかけ方がおいしいニース料理を作るコツなのだそう。

じっくり炒めてそれぞれの食材のうま味を引き出した本場のラタトゥイユが完成
じっくり炒めてそれぞれの食材のうま味を引き出した本場のラタトゥイユが完成
焼きたてのピサラディエール。「ピサラpissalà」はニースの方言でアンチョビのこと
焼きたてのピサラディエール。「ピサラpissalà」はニースの方言でアンチョビのこと

生のイーストを使って生地から作るピサラディエールPissaladière。生地の上にはあめ色になるまで炒めたタマネギとアンチョビがのっています。タマネギの甘みとアンチョビの塩味が相性抜群の逸品。

生イーストを使った料理は初めて挑戦したという大野さん。おいしそうな出来に笑みがこぼれます
生イーストを使った料理は初めて挑戦したという大野さん。おいしそうな出来に笑みがこぼれます
南仏で肉料理の定番といえば仔羊。こちらもシンプルに塩コショウで下味を付けオリーブオイルでグリル
南仏で肉料理の定番といえば仔羊。こちらもシンプルに塩コショウで下味を付けオリーブオイルでグリル
自宅にマイバーナーがあるという大野さん。炙りのプロにコツを教わりながらブリュレを仕上げる取材陣
自宅にマイバーナーがあるという大野さん。炙りのプロにコツを教わりながらブリュレを仕上げる取材陣

デザートのクレーム・ブリュレには夏の南仏らしく食用ラベンダーのお花入り。自分のブリュレは自分で炙りましょうということで取材陣もトライ。まんべんなく火を当てていくのが意外と難しい! なんとか無事完成したクレーム・ブリュレは、ラベンダーのアロマ感がほんのり香るやさしい味わいでした。

野菜たっぷりのニース料理はヘルシーで日本人好み
野菜たっぷりのニース料理はヘルシーで日本人好み

できあがった料理はワインとともに参加者みんなで試食します。「ラタトゥイユは野菜をぶち込んで煮込めばいいだけと思ってましたが、教わらなければわからない本場の作り方やコツを学べて楽しかった」と大野さん。
ローザさんの料理教室はWEBから予約可能(1クラス2~8名、1人€210)。ぜひ本場のレシピを覚えて帰ってください。

レ・プティ・ファルシ Les Petits Farcis

住所
12 rue St Joseph, 06300 Nice

リゾート気分を盛り上げる海沿いのレストラン

プロムナード・デザングレの階段を下りた先にある「ボッカ・マール」
プロムナード・デザングレの階段を下りた先にある「ボッカ・マール」
カプレーゼやひよこ豆のフムスなどおつまみにちょうどいい多国籍なメニューが揃う
カプレーゼやひよこ豆のフムスなどおつまみにちょうどいい多国籍なメニューが揃う

レストランには事欠かないニースですが、リゾート地らしく海辺でワイワイやりたい気分のときはプロムナード・デザングレの海側のお店へ。今回訪れた「ボッカ・マール」は、雰囲気からして南仏リゾート感満点。潮風が気持ちいいテラス席で、種類豊富な前菜をシェアするスタイル。グループ旅行にもぴったりです。

ボッカ・マール Bocca Mar

住所
15 Promenade des Anglais, 06000 Nice

取材レポート前編では、ラグビーW杯日本対イングランド戦の舞台となるニースのスタジアムやスポーツ関連情報をお届けしています。

TEXT & PHOTO:地球の歩き方 由良暁世 Akiyo Yura

取材協力
フランス観光開発機構 Atout France www.france.fr/ja
プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局 Provence-Alpes-Côte d’Azur Tourisme
www.provence-alpes-cotedazur.com
メトロポリタン・ニース・コートダジュール観光局 Office de Tourisme Métropolitain Nice Côte d’Azur www.explorenicecotedazur.com
東芝ブレイブルーパス東京 Toshiba Brave Lupus Tokoyo www.bravelupus.com

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
(関連記事)https://www.arukikata.co.jp/web/catalog/article/travel-support/

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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