水上の迷宮都市で起こる衝撃の最新作公開記念! 『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』×ベネチアの歩き方
名探偵ポアロが活躍する待望のシリーズ最新作『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』が全国の劇場で大ヒット上映中! 今回の舞台は水の都・ベネチア。大掛かりなロケを敢行し、美しくもミステリアスなベネチアで、ハロウィーンの一夜に起こる悲劇を描いた。果たしてポアロはどんな真実を導き出すのか――。作品の魅力と映画に登場するベネチアの歩き方を徹底紹介していこう。
世界中で愛されるベルギー人探偵とは?
“ミステリーの女王”と呼ばれるアガサ・クリスティが生み出した名探偵といえばエルキュール・ポアロ。きっちり整えられた口ひげがトレードマークのポアロは、その卓越した観察眼と巧みな話術、そしてポアロが自身の優れた洞察力を指して言うところの「灰色の脳細胞」を駆使して、数々の難事件に挑んできた。
『オリエント急行殺人事件』では、列車という密室で発生した殺人事件の驚くべきトリックを見破り、『ナイル殺人事件』ではナイル川をクルーズする豪華客船で起きた連続殺人事件を鮮やかに解決! ポアロが登場する長編のなかでも抜群の知名度を誇る2作品の映像化において、タイトルロールを演じたのは、アカデミー賞®脚本賞に輝いた『ベルファスト』でも記憶に新しいケネス・ブラナーだ。ブラナーは主演のみならず、シリーズを通して監督や製作も務め、独自の解釈やエッセンスを加えながら新しいエルキュール・ポアロ像を確立してきた。
ベネチアを舞台に世にも不可思議な事件が起こる最新作
そんな“名探偵ポアロ”シリーズ最新作の舞台は、イタリアのベネチア。第二次世界大戦後の1947年、探偵として一線を退いたポアロのもとに友人である作家のアリアドニ・オリヴァ(ティナ・フェイ)がやってくる。なんでも「死者の声が話せる」という霊能者・レイノルズ(ミシェル・ヨー)のトリックを暴いてほしいのだという。かくして、ポアロは子供の霊が現れるという屋敷でハロウィーンの日に行われる降霊会に参加することになる。やがて天候が悪化し、運河に囲まれた屋敷から身動きが取れなくなるなか、招待客のひとりが殺されて……。
舞台となる「屋敷」はイタリア語で「Palazzo=パラッツォ」。宮殿や邸宅をはじめ、イタリアではルネッサンス期に建てられた貴族の館など、歴史的に価値のある建物を指すことも。ベネチアはもちろんのこと、イタリア各地に美しいパラッツォが点在しており、現在では美術館や博物館として利用されていたり、ホテルとして宿泊できたりする施設も多い。明るい時間帯に散策する分には細やかな装飾や絵画、重厚な調度品にうっとりするが、暗くなってから広大なパラッツォ内を歩くと、確かになにか事件が起きるかもしれない不気味さも感じられるはずだ。
一大観光地・ベネチアの豪華絢爛な広場へ
本作では実際にベネチアでロケが行われ、唯一無二である水上都市の景色をスクリーンで堪能できることも魅力のひとつ。撮影が行われたのは1月だというが、この時期のベネチアはぐっと気温が下がり、曇り空や霧に覆われたり、アクア・アルタ(高潮)が発生したりすることも。一方で霧が立込める街の景色は幻想的でもあり、映画のなかではハロウィーンの雰囲気と相まって一層ミステリアスさを引き立てている。観光客でにぎわう夏のベネチアとはまた違った一面を見ることができるだろう。
ベネチアを訪れたら必ず足を運んでほしいのは、「世界で最も美しい広場」や「大理石造りのサロン」とも形容されるサン・マルコ広場。街を一望できる鐘楼や広場のランドマークでもあるサン・マルコ寺院、かつてのベネチア共和国時代の富の象徴でもあるドゥカーレ宮殿、宮殿と当時の牢獄を繋ぐ「ため息の橋」まで、歴史ある見どころがずらり! 歩き疲れたら、広場にあるベネチア最古のカフェでひと休みしながら楽団が奏でる調べに耳を傾け、優雅なひとときを過ごしてほしい。
ゴシック様式のドゥカーレ宮殿は、ベネチア共和国時代にドージェ(総督)の居城としてだけではなく、国会や行政、裁判を司る場所でもあった。現在内部は一般公開されており、世界最大級の油絵とされるティントレットの『天国』やすばらしい天井画が描かれた「大評議の間」は必見だ。
ゴンドラ&大運河を望む絶景ビューはここ!
ベネチアといえばゴンドラを思い浮かべる人も多いだろう。もともとは地元の人々の移動手段として使われていて、映画のなかでも降霊会が行われる屋敷へ向かうため、ポアロがゴンドラに乗っているシーンが登場する。現在のゴンドラは、観光客が楽しむ乗り物アクティビティとしての役割がメイン。運河前には客引きのゴンドリエーレ(ゴンドラの漕ぎ手)がおり、予約せずとも陽気な歌と演奏を聴きながら、30~1時間ほどの船旅を楽しむことができる。
ゴンドラの撮影が行われたアカデミア橋は、サン・マルコ広場から歩いて10分ほど。ベネチアらしい写真を撮影したい! という人におすすめの人気スポットで、大運河に架かる橋からは、ゴンドラや水上タクシーが走る姿や、美しいクーポラが特徴的なサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会を望むことができる。周辺にはベネチア派絵画を集めたアカデミア美術館や現代絵画のコレクションが一堂に会するペギー・グッゲンハイム美術館などがあり、サン・マルコ広場に比べると静かでゆったりと散策ができるエリアでもある。
迷い込んだらどうする?迷宮都市を歩くコツ
すっかり落ち着いた生活を送っている様子のポアロは颯爽と歩いているが、初めて訪れたらきっと迷子になること間違いなしのベネチアの街並み。だが、迷い込んだ路地裏にこそ、おいしそうな隠れ家レストランや思いもかけない景色が待っているかもしれない。少しぐらい時間をかけ、寄り道して楽しもう! というマインドで歩くのがベネチアを満喫する方法だ。ただし、どうしても迷ってしまった場合は、建物の外壁にあるプレートに書いてある住所をチェック。また、サン・マルコ広場やアカデミア橋などのランドマークは矢印が書かれた標識を見逃さずに。
『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は大ヒット公開中!
怪奇事件に挑むポアロの活躍が見られる『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』は全国の劇場で大ヒット公開中! きっと往年のポアロファンも初めてポアロに触れた観客もこの不可解なミステリーにどう立ち向かうのか、目が離せなくなるはずだ。霧に包まれたハロウィーンのベネチアと、パラッツォで起きた悲劇、そしてその結末を目撃してほしい。
『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』
ストーリー:『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』に続く、アガサ・クリスティ原作、ケネス・ブラナー監督・主演で贈る《名探偵ポアロ》シリーズ最新作。ベネチアで隠遁生活を過ごしていたポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子供の亡霊が出るという謎めいた屋敷での降霊会に参加する。しかし、その招待客が、人間には不可能と思われる方法で殺害され、ポアロ自身も命を狙われることに…。はたしてこの殺人事件の真犯人は、人間か、亡霊か──世界一の名探偵ポアロが超常現象の謎に挑む、水上の都市ベネチアを舞台にした迷宮ミステリーが幕を開ける。
監督:ケネス・ブラナー
脚本:マイケル・グリーン
製作:ケネス・ブラナー、リドリー・スコットほか
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
出演:ケネス・ブラナー、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、ジェイミー・ドーナンほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
TEXT:水野千尋(ART LOVE MUSIC)
筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
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