タジキスタン共和国グルメレポートNo. 7 - バレリーナ一推しのサムサ!

公開日 : 2023年09月27日
最終更新 :
筆者 : 村中千廣

タジキスタンにはどのような飲食店があるかご存じですか?

英語でブラウザー検索をかけると、首都ドゥシャンベ市内の飲食店に関する一定の情報は得られますが、日本語で得られる情報は皆無と言っても過言ではありません。

手当たり次第に暖簾をくぐり、タジキスタンで出会うことができる様々な料理を紹介してゆきたいと思います。

  • 「美味しい」は、記述がない限り筆者個人の主観です。
  • 良い部分をピックアップできるよう、最低でも2度利用し、3種類以上のメニューを味わよう心がけています。
  • 食の水準は発展途上であるという見方もあります。批評に終始せず、明るくユーモラスなレポートとなるよう心がけます。
  • 食あたりに関しては、どこで何を食べたとしても一定のリスクが伴うというのが同国の現状です。本稿は「安全」のお墨付きではございませんので、旅行者の皆様におかれましてはくれぐれも体調とご相談の上で、利用をご検討ください。

Самса номер 1 (サムサ No. 1)

店内の様子
@chivillain 店内の様子

首都ドゥシャンベを知り尽くした日本人バレリーナの皆様にご案内いただき、当地で最も美味しい (日本人バレリーナ調べ) とされるサムサをいただきました。

店舗はイスモイル・ソモニ像から1.5km程ルダキ通りを北上した目抜き通り沿いに位置しています。幾分庶民的な雰囲気で、料理のラインナップを見る限り典型的なタジク料理店のようです。

「私たちのサムサが世界一」だ、と言わんばかりの名称が微笑ましいですね。その心意気、買いましょう。

サムサとは?

大小様々な露店のサムサ
@chivillain 大小様々な露店のサムサ

サムサとは、小麦粉を練って薄く伸ばした生地で様々な具材を包んで焼いたパンのような軽食を指します。筆者の経験では世界的に最も身近にみられるのはインド料理屋さんです。シーズニングを施したジャガイモを主原料としたタネを包み三角型に成形されたものが、サックサクの触感となるよう調理されます。

南アジア地域で見られるサムサの多くが三角型の包み揚げパイ形式である一方、タジキスタンで見られる多くのサムサは丸形である上に、特別な釜で焼かれたタイプのものです。蒸し焼き状態になった内部の牛肉がホロホロに柔らかい食感となる上に、数層下の生地は蒸気によってややもっちりとした触感になるのが特徴です。

おすすめのメニュー

САМБУСА БОЛЬШАЯ (サムサ 大)

САМБУСА БОЛЬШАЯ
@chivillain САМБУСА БОЛЬШАЯ

1個: 14ソモニ (約190円)

当店舗の看板メニュー。成人女性であれば、これ一つでお腹の7割は満たされるとのことで、かなりのボリュームがあるようです。実際に一つ手に取ってみると思わず納得。軽く200gはあるであろうその重さは、ずっしりと手の平に伝わってきました。まるでサムサがその存在感を訴えているようです。

バレリーナとサムサ
@chivillain バレリーナとサムサ

こちらは、人の顔と比較して「如何にサムサが大きいか」を伝える意図で撮影した、バレリーナ3名とサムサ5個の集合写真ですが、「バレリーナの顔がそもそも小さい」というご意見もいただいたため、比較対象としての適切性については見直す余地を認めざるを得ないでしょう。一方で、「これほど素敵な笑顔を演出してしまうとは、相当美味しい食べ物であるに違いない...」を捉えた点においては、一定の効果を発揮する写真と言えるのではないでしょうか。

バレリーナ御用達のサムサは現地住民の人気も非常に高く、平日の昼間はサラリーマン姿の男性客で店内が溢れかえるようです。牛脂が豊富に使用されており独特の臭みが残ることから、日本人駐在員の間では好みが分かれがちなサムサですが、No. 1のサムサに関しては確かにやや臭みが少なく、牛肉が苦手な人でも食べやすい選択肢と言えるかと思います。

ЛАГМАН ПО УЙГУРСКИЙ (ウイグル・ラグマン)

ЛАГМАН ПО УЙГУРСКИЙ
@chivillain ЛАГМАН ПО УЙГУРСКИЙ

1人前: 30ソモニ (約407円)

筆者も強く関心を寄せる食べ物、ウイグル・ラグマンです。

@chivillain

空腹の胃袋がラグマンに熱烈なラブコールを送る一方、全てのお洋服にとって忌まわしい存在として敬遠されているのが、その典型的な真紅のスープです。筆者は平日の昼食にYシャツ姿でこの過酷な挑戦に挑み、撃沈 (Yシャツを赤のシミまみれに) したことが幾度となくあります。

筆者の心配をよそに、麺は何者も傷つけることなく、丁寧にバレリーナの手によって皿から消えてゆきます。バレエが分からない筆者にとっても、それが洗練された表現者の手さばきであろうことは明白でした。

@chivillain

見た目とは裏腹にあっさりとしており、その液体からは濃厚な数種類のスパイスを感じ取ることができました。バレリーナのKさんは「カレーみたいカレーみたい」と言いながら、モチモチの麺を堪能されていました。

おわりに

どちらかと言えば「サクサク食感」推しである筆者にとって、この店舗で出会ったサムサがNo. 1であるという主張に異論がないわけではありませんが、「友人と心を通わせ、未だ知らない新しい食文化に触れる」機会がもたらされたという事実を鑑みると、如何に筆者の食に対する姿勢がちんけなものであるのかを認識させられます。

食に限らず、地球を歩く過程においては、馴染みのない文化に触れられる経験こそ両腕を広げて歓迎し、ありったけを享受するという姿勢で臨み続けたいものですね。

名称
Самса номер 1
英語メニュー
なし
英語を話すスタッフ
なし
アルコール飲料の提供
なし
  • 記載価格は2023年9月26日時点、OANDA(148.6円=1米ドル)とタジキスタン国立銀行(1米ドル= 10.96ソモニ)発表の両替レートに基づいて算出しています。

筆者

タジキスタン特派員

村中千廣

人道支援・開発援助分野でキャリアを構築しながら、駐在・渡航先での発見や観光情報を発信するライター。

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