【モントリオール】タイタニックにまつわる話

公開日 : 2023年12月04日
最終更新 :
筆者 : NAMI

モントリオールからボンジュ~ル!
皆さんこんにちは。モントリオール在住、カナダ特派員のNAMIです。
本日の記事は1997年に映画が公開されて、皆さんご存じであろう豪華客船「タイタニック号」についてです。

豪華客船タイタニック号

タイタニックは、イギリスのホワイト・スター・ライン社の所有する豪華客船で、イギリス・サウサンプトン発アメリカ・ニューヨーク行きの船で、処女航海中の1912年4月14日深夜(航海中の4日目)に北大西洋上(カナダ・ニューファンドランド沖)で氷山に接触して翌日未明にかけて沈没しました。
犠牲者数は乗員乗客合わせて1,513人(様々な説があり)で、20世紀最大の海難事故でした。
生還者数は710人で、1997年レオナルド・ディカプリオが主演した映画『タイタニック』で再び世界的にその名が知られるようになりました。
ハリファックスから救助船を出したこともあり、ハリファックスのMaritime Museum of the Atlantic(アトランティック海洋博物館)にはタイタニック事故に関する展示もあります。

あまり知られていませんが、実はモントリオールやオタワにもタイタニックにまつわる話があります。

ホワイト・スター・ライン社

ホワイト・スター・ライン社というのは、タイタニック号を所有していた海運企業で、モントリオールにもオフィスがありました。
モントリオールにいくつかオフィスを構えていたようですが、その中でも主要なオフィスだったのが、ノートルダム大聖堂から数分、かつてはカナダのウィール街と呼ばれていたSt-Jaques(サン・ジャック)通り、前回ご案内したCafé TITANICのすぐそばにあり、Canadian Imperial Bank of Commerce(カナダ商業銀行(現CIBC銀行):265 St. Jacques Street West)があったところです。
現在この建物は、イベントホールとして使われているSt-James theatre(サン・ジェームスシアター)になっています。
このオフィスで1909年~1939年まで乗船券を販売しており、モントリオール全体でタイタニック号のチケットが50枚売られたそうです。
タイタニック号で亡くなった多くのモントリオール人の中には、モルソン銀行の取締役会の一員だったハリー・マークランド・モルソンもいました。

St-James theatre
St-James theatre

The Molson Bank(旧モルソン銀行)

タイタニック号に乗船していたカナダ人で最も裕福な乗客は、モルソン銀行(288 St. Jacques Street West)の取締役会のメンバーだったハリー・マークランド・モルソンでした。
モルソン家といえば、ビール会社はもちろん、モントリオールに本拠地を置くホッケーチーム「モントリオール・カナディアンズ」のオーナーでもあります。
ハリー・モルソンは1912年2月に仕事でイギリスに行き、3月末に他の船でカナダに戻る予定でしたが、仕事によりイギリスでの滞在を延長し、タイタニック号の処女航海で帰国することになり、ファーストクラスに乗っていました。
現在はモンロワイヤルに公園あるモンロワイヤル墓地に眠っています。

旧モルソン銀行
旧モルソン銀行

The Gérald Godin Building(ジェラルド・ゴダン・ビルディング)

以前「The Gérald Godin Building:360 Rue McGill(ジェラルド・ゴダン・ビルディング)」には、「グランド トランク鉄道会社(カナダのカナディアン・ナショナル鉄道(CN)の子会社)」の本社が入っていました。

1899年~1902 年にかけて、チャールズ・メルヴィル・ヘイズによって建設されました。
鉄道王とも呼ばれていたヘイズは、当時カナダの首相でもあったウィルフリッド・ローリエ卿にちなんで名付けられたオタワの新しいホテル「Hôtel Château Laurier(ホテル・シャトー・ローリエームの家具を買い付けするためにイギリスに向かいましたが、ホテルの落成式(1912年4月26日)に合わせ、カナダに戻る為にタイタニック号に乗船した1等客の乗客のひとりでした。
奇しくもヘイ氏の遺体が発見されたのは、ホテルのオープン予定であった4月26日でした。
ヘイ氏は「Cimetière Mont-Royal(シムティエ―・モンロワイヤル墓地)」で眠っています。

The Gérald Godin Building(ジェラルド・ゴダン・ビルディング)
The Gérald Godin Building(ジェラルド・ゴダン・ビルディング)

The Allan Building(アラン・ビルディング)

The Allan Building(アラン・ビルディング:333 Rue de la Commune)は、モントリオールに本拠を置くアラン・ライン汽船会社の本社で、“バージニア号”という蒸気汽船(客室1650名:1等 470、2等 240、3等 940)を運行していた。
タイタニックが事故を起こした4月14日夜遅く、同社の定期船バージニアン号がタイタニック号の最初の救難信号を受信しました。
すぐにモントリオールにあったヘッドオフィスに連絡を取り、救助活動へ行くための許可を取りバージニア号を向かわせようとしましたが、バージニア号は遭難現場から315kmのところを航海中で救助には行けませんでした。
現在The Allan Building(アラン・ビルディング)は、モントリオール旧港とモントリオール科学博物館を管理、開発するオールド ポート オブ モントリオール コーポレーション株式会社 (Société du Vieux-Port de Montréal) の本社になっています。

The Allan Building(アラン・ビルディング)
The Allan Building(アラン・ビルディング)

ご紹介した以外にもモントリールにはタイタニック号に乗船して犠牲になった方々がたくさんいます。

ハリファックスに次いで、タイタニック号の多くの犠牲者が、「Cimetière Baron de Hirsch.(シムティエ―・バロン・ドゥ・ハーシュ墓地(モントリオールで最も古いユダヤ人墓地のひとつ)」と、モンロワイヤル山の中にある「Cimetière Mont-Royal(シムティエ―・モンロワイヤル墓地)」、「Cimetière Notre‑Dame-des-Neiges(シムティー・ノートルダム・デ・ネージュ墓地)」で眠っています。

Café TITANICのオフィスドア(おまけ)

このドアは、前回ご紹介した「Café TITANIC」の奥にあるカフェのオフィスのドアです。
カフェ・タイタニックが入っている歴史的建物の別の部分から発掘され、オフィスドアとして取り付けられました。
ファーネス・ウィジー社は、かつてタイタニック号の往復チケットを販売していた会社だったそうです。
タイタニックの乗船券を発売したのは船を運行していたホワイト・スター・ライン社ですが、アラン・ライン汽船会社やファーネス・ウィジー社と提携しており、乗船券の購入や航海に関する情報も提供していたようで、ファーネス・ウィジー社のオフィスでもタイタニックの乗船券が発売されていた、とカフェの人が話してくれました。

まだ少し先の話ですが、2025年5 月15日〜11月23日までケベックシティの文明博物館で、タイタニック展があるようですので、その時期にケベックシティにいらっしゃる方はぜひ見学してみて下さいね。

【参照】
https://www.journaldemontreal.com/2023/07/05/le-musee-de-la-civilisation-va-accueillir-une-exposition-sur-le-titanic

本日はモントリオールにあるタイタニックにまつわるお話をご紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

À très bientôt(また近いうちにお会いしましょう)

筆者

カナダ特派員

NAMI

2003年よりモントリオール在住のフリー観光ガイドです。 ブログ、ツイッター、インスタグラムなどで主にモントリオールの情報を発信しています。 モントリオールより旬な話題をお届けします。

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