フォトジェスポット満載! カラフルなエスニックタウンで異国旅

公開日 : 2024年02月29日
最終更新 :

高層ビルが立ち並ぶスタイリッシュな街から車や電車で10分も移動すれば、エスニックタウンが広がっています。少し足をのばせば異国から異国へ瞬時に旅できるのが醍醐味。言葉では言い尽くせない体験ができます。エスニックタウンはマレー、イスラム文化の色濃いカンポン・ギラム、インドを旅する気分に浸れるリトル・インディア、中国文化が息づくチャイナタウンなどがあります。なかでも民族衣装姿の人々が行き交い、特色のある料理の香りに満ち、異国情緒が心に響くカンポン・ギラムとリトル・インディアをご紹介。好奇心全開で街歩きをスタートしましょう!

カンポン・ギラムでエキゾチックな風情に浸る

夜になるとにぎわいを増すブッソーラ・ストリートの中東料理店
夜になるとにぎわいを増すブッソーラ・ストリートの中東料理店

多民族が共生するシンガポールのなかでも、独特の風情を醸すエリアがアラブ・ストリート周辺のカンポン・ギラム。サルタン・モスクを中心にイスラム文化が色濃く漂うエリアは、異国情緒と伝統、モダンが入り交じったほかのエリアにはない雰囲気が漂っています。

このエリアはかつてカンポン・ギラムと呼ばれた最も古い歴史を持つ地区のひとつです。マレー語で「カンポン」は村、「ギラム」は当地に茂っていた船の建造や薬・調味料に使われたユーカリ属の樹木の名。19世紀初頭、スタンフォード・ラッフルズ卿がこの地にやってくる以前から、この辺りはマレーのサルタン(領主)が治める港に面した村だったそうです。ラッフルズ卿が植民地政策を進めるなかで、カンポン・ギラムはマレー系、アラブ系、ブギス系のコミュニティに指定され、その後貿易や商売で成功したマレーやアラブ系の人々を中心に栄えました。今は人気のカフェや若者向けのおしゃれな店が並ぶトレンド地区にもなっていますが、シンガポール最大のイスラム教寺院、サルタン・モスクやマレー・ヘリテージ・センターなどに、昔の面影をしのぶことができます。

見どころとなるスポットや特色のあるストリートを紹介していきましょう。

サルタン・モスク

厳かな空気に満ちたサルタン・モスク
ⒸPIXTA 厳かな空気に満ちたサルタン・モスク

この地区の中心であり、シンボルでもあるのが、黄金色のドームが輝く「サルタン・モスク」。シンガポールで最大最古のイスラム教寺院で、その大きさといい美しさといい見事な宗教建築です。

イギリス植民地となるまでシンガポールを領有していたサルタン・フセイン・シャーが、その領地を19世紀、イギリスのラッフルズ卿に譲渡した際にサルタンのために用意されたカンポン・ギラムの土地に宮殿を建て、ラッフルズ卿から多額の寄付を得て、1826年に宮殿の隣にサルタン・モスクを建設しました。当初の平屋建てのモスクは1928年に再建され、その後も改修を重ねて現在の堂々たる姿にいたります。

モスクは礼拝を行う神聖な場所。1日5回の礼拝の時間にはコーランが響き、大勢の信者の人がお祈りにやってきます。内部の見学は、決められた見学時間に肌の露出を控えた服装で訪れましょう。半ズボンなどの場合は、入口で羽織物や巻きスカートを借りられます。靴を脱いで廊下からのみ、厳かな雰囲気の礼拝堂を見学できます。

異国情緒漂うストリート

ライトアップされたサルタン・モスクも迫力があります
ライトアップされたサルタン・モスクも迫力があります
エジプトの手作りのガラスの香水瓶はおみやげの人気商品
©iStock エジプトの手作りのガラスの香水瓶はおみやげの人気商品

この界隈のメインストリートとなるアラブ・ストリートは、シルクやバティックなどの生地店や絨毯、インド綿やビーズの店などが多く、歴史を感じる老舗も点在しています。サルタン・モスクから真正面に延びるブッソーラ・ストリートはヤシの木々が心地よい日陰を作っていて散策にぴったり。道の両脇にはアジアの雑貨やマレーの衣料品を扱う店、トルコや中東料理のレストランが軒を連ねています。ノンアルコールのムスリム香水やガラスの香水瓶を販売する店は、旅行者にも人気。夜になると通りにまでレストランのテーブル席が並び、ライトアップされたモスクを背景に、異国ムードがいっそう色濃く漂います。

トレンド発信地「ハジ・レーン」

世界各国の旅行者が集うハジ・レーン
世界各国の旅行者が集うハジ・レーン
インドネシアのバティック地を使ったファッション店「ユートピア」
インドネシアのバティック地を使ったファッション店「ユートピア」
シンガポールのデザイン雑貨も揃うセレクトショップ「ヒュッゲ」
シンガポールのデザイン雑貨も揃うセレクトショップ「ヒュッゲ」

アラブ・ストリートの1本西に延びるハジ・レーンは、シンガポール屈指のおしゃれストリート。アラブ・ストリートの裏路地のような小さな通りは、個性が光るブティックやセレクトショップ、カフェやバーなどが並んでいて、地元の若者や旅行者でにぎわっています。ここにしかないインディペンド系のショップが多いので、宝探し感覚で小さな店を回ってみてはいかがでしょうか。

また、この通りの店はディスプレイやデザインがユニークなうえ、派手なウォールアートを施した店がたくさんあって、通り全体が華やかでエキサイティング。見て回るだけでも楽しいですし、やっぱり映える写真を撮りたくなります。アート巡りをしながら買い物を楽しむというのがよさそうです。ハジ・レーンの店はオープンが遅めなので、昼以降に訪れてみましょう。また、通りの南側一帯は、夜になると路上まで席を出してにぎわうバーストリートに変身するので、エスニックなディナー&お酒を目当てに訪れてもいいかもしれません。

カンポン・ギラムで食べ歩き

ココナッツ・クラブは2フロアあり、写真の1階はカジュアルダイニング
ココナッツ・クラブは2フロアあり、写真の1階はカジュアルダイニング
ココナッツ・クラブの看板料理、ナシ・レマ
ココナッツ・クラブの看板料理、ナシ・レマ
老舗のテ・タリショップの妙技
老舗のテ・タリショップの妙技

この界隈は何といってもマレー料理、ムスリム料理の本場。ずらりと料理を並べたショーケースから、食べたいものを選んで注文する「ナシ・パダン」スタイルの店で辛うまいマレー料理を味わってみましょう。マレー式定食のナシ・レマが人気なのは「ココナッツ・クラブ」という気鋭のレストラン。鮮度にこだわったココナッツミルクで炊いたご飯にスパイスたっぷりのチキンフライを添えた豪華版ナシ・レマが人気です。ムルタバというイスラム風お好み焼きも、このエリアにある「シンガポール・ザムザム」「ビクトリーレストラン」といった老舗で味わえます。ムルタバは薄く伸ばした小麦粉の生地にチキンやマトン、タマネギ、卵などの具を包んで焼いたたもので、カレーとともに食します。

また、シンガポールの特徴的な飲み物のひとつ、テ・タリもぜひ試してみてください。テ・タリとはイスラム教徒のインド系移民が伝えたとされるミルクティーのこと。濃く煮出して作った紅茶に練乳を加え、高い位置から空気を含ませて泡立てるように注ぐのがポイント。スタンド形式の店がありますし、マレー料理店でも飲めます。辛い料理やムルタバとの相性抜群です。

ビクトリーレストラン Victory Restaurant

住所
701 North Bridge Rd.
営業時間
7:00~23:00
休業日
無休
予算
ムルタバ$6~

筆者

地球の歩き方観光マーケティング事業部

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