ペトライアの別荘

Villa Petraia

フィレンツェを遠望する、麗しの館

フィレンツェから北西に6㎞、急な坂道を上がった高台に建つペトライアの別荘。トリボロによる段丘状の庭園が広がり、庭園テラスや別荘の窓からはフィレンツェのドゥオーモと町並みを遠くに望む、すばらしいパノラマが広がる。
邸宅脇には、季節の花々が咲き乱れ、その中心にはジャンボローニャの『ヴィーナス像=花の女神フィオレンツァの噴水』Fiorenza uscente dale acqueが立つ。かつては髪の先から水が流れ落ち、それはメディチ家がもたらす富と支配を表したという。
別荘は中世に城塞として建てられ、その後ブルネッレスキ家、ストロッツィ家などと持ち主を代え、1544年にコジモ1世が購入。その後息子のフェルディナンド枢機卿に贈られた。枢機卿がトスカーナ大公となった16世紀後半に大改築が施され、美しい中庭や塔が生まれた。常に住居として利用されていたこの館はコジモ1世の妻のロレーヌ夫人、その息子のドン・ロレンツォ、コジモ3世ら住人の好みによって装飾された。イタリアの首都がフィレンツェにおかれた1865~1870年には初代イタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世が住居とし、中庭にガラス天井が設けられ、舞踏室として改装された。
美しく装飾された邸内でとりわけ目を引くのが、中庭(舞踏室)。ガラスの天井からシャンデリアが下がり、周囲の壁にはヴォルテッラーノによる『メディチ一族の栄華』Fasti mediceiが描かれている。メディチ家出身の法王たち、戦勝風景、カテリーナ・ディ・メディチとその息子らが並び、きらびやかなメディチ家の歴史が眼前に広がる。
公開されているのは、広い邸内の一部で、1階には17世紀のフランドルの赤いタペストリーで飾られた客人用ダイニングのSala degli arazzi(赤の部屋Sala rossa)、1868年にナポリで作られたピアノが置かれた音楽室Sala da Musica、王の書斎Studio del Re、コジモ3世の寝室を改装し、フレスコ画で飾られサルトの『聖家族』(コピー)が置かれた新礼拝堂Cappella nuovaが続く。2階通路には中国からの絵や陶器などが飾られ、書斎や謁見の間、遊戯の間などが続き、ロッジアからの中庭の眺めも印象的だ。庭園の「花の女神」のオリジナルがStudio di Fiorenzaに、カステッロの別荘の噴水を飾る彫像はSala di Ercole e Anteoに置かれている。各部屋に置かれた時計は国王のコレクションだ。

写真

基本情報

住所
Via della Petraia 40
電話番号
055-452691
開いている時間
3月、10月 8:30~17:30 4~9月 8:30~18:30
11~2月 8:30~16:30
閉まっている日
第2・3㊊
料金
無料
邸宅入口左に飲み物の自動販売機あり
最終更新 :

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。