ドゥカーレ宮殿(ウルビーノ)

Palazzo Ducale/パラッツォ ドゥカーレ

フェデリコ公の理想の宮殿

フェデリコ公の命によって建てられたこの宮殿は、500年を経た今日でもその完成された美しい姿を見せている。
最も早く造られたのはリナシメント広場に面する部分で、美しい2連の窓が見られる。その後ラウラーナ Luciano Lauranaとディ・ジョルジュ・マルティーニ Francesco di Giorgio Martiniの設計によって、広い中庭を取り囲むように、城壁に面した部分とふたつの塔が造られ、フェデリコ広場 P.za Duca Federicoに面したファサードが付け加えられた。壮大な規模と土地の傾斜(後ろ側は斜面に面している)という難問にもかかわらず、優美さと開かれた明るい雰囲気を備えたドゥカーレ宮殿は、そのままフェデリコ公の理想を具現しているといえよう。特に、城壁に面して下る斜面に設けられたふたつの塔が軽やかに上方に伸びる様は見事だ。宮殿の下にはメルカターレ広場 P.za Mercataleが形成され、新たな道が西に向かって整備されて、それまでアドリア海にのみ向いていた関心がアレッツォなど、内陸の都市にも向けられるようになった。マルティーニの設計で造られたフェデリコ公の厩へ通じるらせんの階段 Rampa Elicoidaleはメルカターレ広場の一角に出入口が設けられている。宮殿には現在、国立マルケ美術館がおかれていて、集められたコレクションと宮殿内部の見学が同時にできるようになっている。

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