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2020年10月中旬から新型コロナウイルスの感染が著しく拡大してきたブルガリア。
11月25日時点の報道では、過去7日間の死亡率が世界ワースト1位になるほど。
医療機関のひっ迫もあり、ついにすべての教育機関の対面式授業の停止、すべての飲食店の営業停止、大規模商業施設の利用停止などを中心とする、厳しい規制が11月27日23:30から12月21日まで開始されることになりました。
規制の具体的な内容は以下のとおりです。
●11月27日から12月21日までの感染拡大予防措置●
1)全ての学校等における対面式授業の停止。
2)物理的出席を伴う会議イベント等の停止。
3) 文化及び娯楽行事の停止(ただし、観劇は収容人員30%以下等の感染拡大予防措置の厳守を条件に許可)。
4) 15人以上が集まるイベントや私的祝賀行事等の禁止
5)18歳未満の個人及び団体スポーツ行事の停止。18歳以上の競技等は無観客で実施。
6)フィットネス・クラブ等の利用停止。
7)飲食店及び娯楽店の利用停止。デリバリー及びテイクアウトは例外。
8) ゲームセンター及びカジノの利用停止。
9)ショッピングモール等商業センターの利用停止。ただし、それら商業センター内の食料品店や、医療施設、薬局、銀行、支払い業務取扱店、通信サービス提供店舗等は例外。
10)団体旅行の停止。
11) 職場における業務のリモート形態(対面業務を全職員の50%まで)の推奨。
12) 65歳未満の者による8:30~10:30の時間帯の食料品店利用禁止。
13) 医療施設における計画入院・手術の停止。面会者等の訪問禁止。
〜在ブルガリア日本大使館11月26日発行、領事警備班メールより引用
報道ではロックダウン、部分的ロックダウンなどの表現が使われていますが、ブルガリア政府は徹底して「ロックダウンはしない方針」と強調しています。
11月23日に保健大臣が会見を開き、27日より感染拡大予防措置を一段階強めるという案を発表したのち、25日の議会にて上記の内容が決定されました。
現段階ではショッピングモールは閉鎖されるものの、路面店などの営業は継続され、通常の外出に対する規制は特にありません。
にもかかわらず、水曜以降夕方(仕事終了後)ショッピングモールは混雑しており、金曜の夕方以降はショッピングモールに行く道が渋滞するなど人が押しかけているようでした。
キリスト教正教会を信仰する人が多いブルガリアでは、クリスマスとイースターは家族や親戚が集う2大行事。
今回の措置も12月21日までとしている背景には、今年のイースターはロックダウンの最中だったため何とかしてクリスマスには家族で集いたいという思いがにじみ出ているようにも思えます。
例年クリスマスに向けてショッピングモールでは華やかな飾り付けがなされ、今年もハロウィン後から気合いの入った装飾がされていました。
新型コロナウイルスによる感染拡大、医療機関のひっ迫も深刻ですが、もともと金銭的にはあまり豊かとは言えないブルガリア。
かきいれ時とされるクリスマス時期のモールや飲食店通常営業の停止にともなう経済への影響も深刻です。
今回の措置により事態が少しでも好転することを祈ってやみません。