ヨーロッパのスイーツ4選。あの有名スイーツが生まれた国は?
旅で出合える、各国の伝統スイーツ。普段なにげなく食べているおなじみのスイーツにも、実はそれぞれの国や地域の歴史と風土が見え隠れしています。その誕生から歴史、味わえるとっておきのお店まで一挙に紹介します!
“チョコレートケーキの王様”ザッハートルテ(オーストリア)
●Sacher Torte
口の中に広がる濃厚なチョコレートと甘酸っぱいあんずジャムの味わいがクセになるザッハートルテは、オーストリアの首都ウィーン生まれ。19世紀中頃に若き料理人フランツ・ザッハーが考案し、息子が興したホテル・ザッハーの名物として広く知れ渡ったとされています。
ザッハートルテのレシピは門外不出のものとされていましたが、フランツ・ザッハーと王宮御用達の菓子店、デメルの娘の婚姻の際に流出してしまい、その後、商標をめぐる争いが繰り広げられました。結果、”オリジナル“の冠はホテル・ザッハーのみ、デメルのものは「デメルのザッハ―トルテ」と名乗ることで決着しました。
■ザッハートルテの有名店
カフェ・ザッハ―/Café Sacher
フランツ・ザッハーの息子が開業したホテル内のカフェ。店内は赤と金のザッハ―カラーで統一。創業当時のレシピで作るザッハ―トルテは無糖のホイップクリームを添えて提供されます。
・住所: Philharmonikerstraße 4, Wien
・URL: https://www.sacher.com/en/
“秋に食べたいマロンスイーツ” モンブラン(フランス)
●Mont-blanc
ヨーロッパの最高峰と同じ名前のモンブランは、メレンゲの土台に生クリームを絞り、その上にマロンペーストを螺旋状に美しく重ね山にみたてた、見た目もとってもかわいいスイーツです。山のてっぺんには艶めくマロングラッセがのっていることも。
パリで100年以上続く老舗カフェ、アンジェリーナがモンブランの発祥という説が有力ですが、日本の自由が丘にある洋菓子店“モンブラン”の店主がフランス旅行の際に訪れたモンブランにインスピレーションを受けて考案したとの説もあります。最近ではフランス各地で日本の和栗を使ったモンブランを見かけることもあります。
■モンブランの有名店
アンジェリーナ/Angelina
モンブラン発祥の店と言われる老舗カフェ。1903年の創業以来、パリジャン、パリジェンヌに愛され、かつては作家のマルセル・プルーストやココ・シャネルも通っていたといわれます。
・住所: 226 rue de Rivoli, Paris
・URL: https://www.angelina-paris.fr/
“年輪模様の木のお菓子”バウムクーヘン(ドイツ)
●Baumkuchen
専用のオーブンに取り付けた棒に、卵、バター、ラム酒などを混ぜ合わせた生地を少しずつかけ、棒を回しながらじっくりと時間をかけて焼き上げるこのお菓子は、切り口が樹木の年輪に似ている様から「バウムクーヘン(木のお菓子)」という名がつけられました。古代ギリシアにはほぼ同じ製法の「アベリウス」というパンがあったのですが、現在のようなお菓子として定着したのは17~18世紀頃といわれます。
日本には第一次世界大戦の捕虜として来日したドイツ人、カール・ユーハイムによって伝えられたのがはじまり。当時は「ピラミッド・ケーキ」という名で呼ばれていました。
■バウムクーヘンの有名店
カフェ・クロイツカム/Café Kreutzkamm
1825年にドレスデンにて創業。かつてはザクセン王室も御用達でした。ドイツ国内では限られた職人しか作ることが許されないバウムクーヘンは、薄くスライスしていただくのが本場流。
・住所: Maffeistraße 4, München
・URL: https://shop.kreutzkamm.de/
“カラフルキュートなまんまるお菓子”マカロン(フランス)
●Macaron
日本でも大人気のマカロンは、メレンゲにアーモンドプードルなどを加えて焼き上げた生地に、クリームやガナッシュを挟んで作ります。ただし、これは数あるマカロンの種類の中の“マカロン・パリジェンヌ”というもので、パリの菓子店ラデュレの創始者の従兄弟にあたる、ピエール・デフォンテーヌが考案したとされています。
実はマカロン発祥の地はイタリア。16世紀にフィレンツェからフランス国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ妃によって持ち込まれ、その後修道院を通じてフランス全土に広まったとされます。当時は、はちみつとアーモンド、卵白のみで作るシンプルなものでしたが、地域や店によってさまざまなアレンジが加えられ、現在のようになりました。
■マカロンの有名店
ラデュレ/Ladurée
1862年創業、マカロンで有名な老舗パティスリー。シャンゼリゼ大通りに面した本店は連日大人気。食事のできるサロン・ド・テの内装はまるでブルジョワ邸宅のような優雅さです。
住所: 75 Avenue des Champs Elysées, Paris
URL: https://www.laduree.fr/
TEXT: グルーポ・ピコ
PHOTO: iStock、数藤健、グルーポ・ピコ
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※当記事は、2020年4月1日現在のものです。
筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
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