コロナ禍でも観光客で大賑わい!オーストリア・ウィーンの夏を在住者がレポート

公開日 : 2022年08月23日
最終更新 :
ウィーンのシンボルシュテファン寺院広場の夏
ウィーンのシンボルシュテファン寺院広場の夏

8月後半になると、オーストリアは朝晩の冷え込みが目立ち、早くも夏の終わりを感じさせます。とは言え中心街は人で溢れ、まだまだ観光シーズン真っ盛りのウィーン。
今年5月16日から、オーストリアへ入国の際に必要な証明書や事前登録、及び隔離義務は一切なくなりました(感染症危険国は除く)。また、国内の規制もかなり緩和されたため、過去数年の夏と比較すると、特に今夏は渡航しやすいシーズンとなり観光客には嬉しい限り。コロナ禍でも賑わうウィーンに在住の筆者が、今夏の街中の様子をお伝えします。

ほぼノーマスク生活!日常生活も観光も通常通りのウィーン市内

ほぼノーマスク生活!日常生活も観光も通常通りのウィーン市内
マスク着用が義務付けられている数少ない場所の一つ、地下鉄駅構内
ほぼノーマスクで出入りする人が目立つ地下鉄駅「シュテファンスプラッツ」
ほぼノーマスクで出入りする人が目立つ地下鉄駅「シュテファンスプラッツ」

オーストリアでは、今月1日から新型コロナウィルス感染者に対する隔離措置がなくなり、PCR検査で陽性反応が出ても、体調が良好な場合に限り外出が可能となりました。ただしFFP2マスクを着用の上10日間接触制限措置(他人との2メートル間隔等)が課されています。また、5日後に自主的に受けたPCR検査の結果が陰性であった場合には、その時点で措置が終了となります。ウィーン市内において現時点でマスク着用が義務付けられている場所は、薬局、医療機関及び公共交通機関内です。ウィーン中心街へのアクセスに便利な駅のカールスプラッツは、乗り換え地点ともなっているため人通りが絶えませんが、ノーマスクで通行する人が目立ちます。地下鉄やバスから降車するやいなや、マスクを外す人々の姿は日々の見慣れた光景。

不安定な天候にもかかわらず人で賑わう夏のグラーベン
不安定な天候にもかかわらず人で賑わう夏のグラーベン
夏の最終セール開催中で賑わうケルントナー通り
夏の最終セール開催中で賑わうケルントナー通り

ウィーンの夏の終わりは突然の雷雨が発生することが頻繁にあり、天候が安定しません。しかしながら、降水確率が高く湿気の高いこの日も、地元民以外にも個人旅行者から団体の観光客まで絶え間なく街歩きをする人々で賑わっています。目的はショッピングや食事に観光と様々。

カフェやブティックが集まる人通りが多い小路地
カフェやブティックが集まる人通りが多い小路地

ウィーン1区に数ある魅力的な小路地も観光客で賑わっています。軒を連ねるブティックで買い物を楽しむ人や、小さな子連れの家族旅行者が街歩きを満喫している姿が見られます。

ウィーンと言えばカフェハウス巡り!行列が舞い戻る老舗店

ウィーンと言えばカフェハウス巡り!行列が舞い戻る老舗店
140年もの歴史を誇るパティスリーが魅力のカフェディグラス

ウィーンで有名な老舗カフェハウスの一つであるカフェディグラスのテラス席は、平日にもかかわらず満席です。現在は飲食店においてもマスク着用義務はなく任意となっていますが、店内の客はほぼノーマスク。座席数も通常通りに戻り、今では隣席との間隔を考慮している店は珍しくなっています。

ピアノ演奏が人気のカフェシュヴァルツェンベルク
ピアノ演奏が人気のカフェシュヴァルツェンベルク
人気のテラス席が満席になった後客が増える店内
人気のテラス席が満席になった後客が増える店内
伝統カフェハウスで見られるケーキのショーケースと男性ウェイター
伝統カフェハウスで見られるケーキのショーケースと男性ウェイター
入口で人々を魅了するウィーン伝統ケーキ
入口で人々を魅了するウィーン伝統ケーキ

19世紀にオープンしたカフェシュヴァルツェンベルクは、ウィーンに来たからには欠かせない伝統カフェハウスを体験するのに最適な場所。常連客も集まる涼しくて心地良い夏の午前中は、外を眺めながらコーヒータイムを楽しめる人気のテラス席からまず埋まっていきます。

19世紀当時の写真が載せられた品数豊富なメニュー
19世紀当時の写真が載せられた品数豊富なメニュー
午前中に味わえるウィーン風朝食
午前中に味わえるウィーン風朝食

ウィーン観光中には、午後にコーヒーとケーキを楽しむことを目的にカフェハウスを訪れる客がほとんどですが、伝統的な朝食も試す価値あり。組み合わせ自由の単品から量の多いセットまでメニューは種類豊富ですが、中でも伝統的なウィーン風朝食がお勧め。オーストリア発祥のパン「カイザーゼンメル」にバターと蜂蜜またはジャムが付く朝食を味わってから夏の一日をスタートしてはいかがでしょうか。

至る所で感じる観光再開

至る所で感じる観光再開
五つ星ホテルインペリアルのテラス席で朝食を楽しむ宿泊客

コロナ禍初期には閑散としていたウィーン中心街を囲むリングシュトラーセの高級ホテル群ですが、今夏は大きなスーツケースを両手に出入りする宿泊客で賑わっています。ヨーロッパのみならず、遠方の国々から来る旅行者も増えてきています。

ウィーン国立歌劇場周辺は集いの広場
ウィーン国立歌劇場周辺は集いの広場

待ち合わせをする人たちや街歩きで疲れた足を休ませる観光客たちに人気のスポットが、ここ国立歌劇場周辺。現在はオフシーズン中でオペラ公演はありませんが、周辺は毎日賑わいを見せています。

ウィーンの銘菓ザッハートルテを求め、ホテルザッハー隣接のカフェに並ぶ客
ウィーンの銘菓ザッハートルテを求め、ホテルザッハー隣接のカフェに並ぶ客
お腹を空かせた観光客を迎えるケーキ
お腹を空かせた観光客を迎えるケーキ

ウィーンではウイルスに対する危機感などつゆほども感じられず、思い切り羽を伸ばして久々に休暇を堪能する人々の姿に嬉しさと戸惑いが交錯する夏ですが、しっかりと自己管理ができていれば良しとするのがオーストリア人の考え方。9月に入ると肌寒さが増し、一段と秋の訪れを感じる季節になりますが、引き続き安全に旅を楽しむことができますように。

▼新型コロナウイルスについて様々な情報を提供しているオーストリアの厚生省公式ウェブサイトはこちら
・URL: https://www.sozialministerium.at/en.html

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック
地球の歩き方 ガイドブック A17 ウィーンとオーストリア 2020年~2021年版

「芸術と歴史の町」ウィーン、「モーツァルトの故郷」ザルツブルク、「ヨーロッパの十字路」インスブルック……中欧の美しい町を自由自在に歩きまわれる地図と旅情報が自慢のガイドブック。町歩きはもちろん、オペラのスケジュールからカフェ巡り、歴史探訪、ハイキングなどオーストリアを楽しむ情報が満載です。

■地球の歩き方 ガイドブック A17 ウィーンとオーストリア 2020年~2021年版
・URL: https://hon.gakken.jp/book/2080128200

※当記事は、2022年8月23日現在のものです。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年8月23日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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筆者

オーストリア特派員

雅碧 Léontine

大学卒業後は外務省に勤務した後、ドイツ・オーストリアに拠点を移し始める。現在はウィーンで翻訳業等に勤しみながら、オーストリア人の夫、愛娘たちとアクティブに暮らす。

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