テロから三日後。写真家が捉えた幽愁のグラウンドゼロ

公開日 : 2006年09月24日
最終更新 :

2001年の9月11日。同時テロによるWTC(ワールドトレードセンター)崩壊。この惨事に対応するべく警官、消防士はもとより多くのボランティアがレスキュー隊員として活躍した。写真家のミッキー・カー(Mickey Kerr)はその中の一人だった。テロの惨事から三日後の14日金曜日。やや落ち着きを取り戻したロウアーマンハッタンの現場で、彼は皮一枚つながって今にもよろめき倒れそうなビルの残骸をカメラに収めた。夜と朝焼け薄暗い靄の中でレスキュー用のライトを頼りに撮られた被写体は、報道写真とはまったく違ったシュールで幽愁の表情を帯びた幻影のように仕上がっている。おそらく、テロの現場で働き、その悲惨な状況に身をおいていた彼の心理状態からこのような幽愁の表情を捉えることができたのかもしれない。

彼のこのときの写真数点が、現在チェルシー地区のギャラリーで展示されている。今日はそこに足を運んでみた。写真は思ったよりも小さく、WTC残骸以外に、近くのビルが灰にまみれ、幾枚もの窓ガラスが無残にも割れている様子や、消防士、レスキュー隊が一塊になって現場に同化したかのような少し息苦しく見える表情のものなど、彼の視点から映し出された現場がまた異なった表情で私たちの前によみがえる。

見る人によって感じ方は様々だ。必見のWTCの残骸は、薄紫の不可思議な空気に包まれ、私にはまるで、何千人もの魂を弔う墓標のように見えた。

ギャラリーでは展示品や写真集の販売も行っており、売り上げの一部はテロの跡地に建設されるメモリアル博物館の基金として寄付されるそうだ。展示会は10月14日まで。

場所: My Art Prospects 547 W. 27th Street (2階) (bet 10th and 11th Avenues)

営業:火曜日 - 土曜日 (11時AM−6時PM)

電話:212−268−7132

www.myartprospects.com

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