No.253マティスの生まれた町ル・カトー・カンブレジで見るマティスの版画展
日本でも有名な画家マティス。意外かもしれませんが、その出身は、フランス北部の町Le Cateau-Cambrésis(ル・カトー・カンブレジ)でした。リールから南東7-80キロメートルほどに位置するル・カトー・カンブレジは、今は高速道路からも離れた小さな町ですが、僧院や大司教邸が残っていて過去の華やかさを偲ぶことができます。
この町については、No.163でも少しふれましたが、一番の見どころは、なんといってもマティス美術館。何しろ、マティス本人が、美術館をつくるべく、生まれ故郷に作品を寄贈してできた美術館です。
このマティス美術館で、今月18日から開かれているのが、マティスの版画展(Matisse et la gravure)です。版画作品だけを200点集めた、未曾有の展覧会となっています。
Primavera, 1938
© Succession H.Matisse
特に注目したいのは、刷ったものだけでなく、版自体もできるだけ並べて展示してあること。
よく目を凝らすとわかりますが、刷り終わったものはどれも版にくっきりと傷がつけてあり、アーティストの完璧主義な様子がよくわかります。
版画と一言でいっても、版種だけでも石版、木版、銅板、などなど様々。加えて技法もいろいろで、同じ版でも紙を変えることで微妙なニュアンスが異なり、見れば見るほど奥が深いことがよくわかります。
Grande odalisque à la culotte bayadère, 1925
© Succession H.Matisse
この展覧会は2016年3月6日までの予定。それまでの間、学校の休暇時期や、水曜、週末は、子供・大人向けに、版画作りのアトリエが開催されています。詳しいことはこちらのサイトをご覧ください。近ければ私も通い詰めたい充実のプログラムです。
県立マティス美術館(Musée départemental Matisse)
住所:place du commandant Richez, 59360 Le Cateau Cambrésis, France
Tel:+33(0)3 59 73 38 06
開館時間:10 :00~18 :00
休み:火曜日、1/1, 11/1, 12/25
入館料:7€
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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