ハプスブルク家の皇帝納骨所、カプツィーナー教会【前篇】
以前から行きたいと長い間願っていたものの、なかなか機会に恵まれず、幾度も横を通り過ぎながらも訪れずじまいだったカプツィーナー教会。
先日、やっとのことで内部見学に至ることができました。
ハプスブルク家の人々はその殆において、心臓が王宮ホフブルク付属ののアウグスティーナー教会に、内臓がシュテファン大聖堂に、そして残りの遺骸がこちらのカプツィーナー教会に安置されています。入口で一人5ユーロのチケットを購入して、階段を下りて納骨堂へと歩を進めます。
すると、中は想像もしなかったような別世界が待っていました。
この暗澹たる空間の、凄まじい迫力!
この情景はとても筆舌に尽くしがたいので、お写真を中心にお伝えいたします。
巨大で重厚な棺が空間に目いっぱいずらりと陳列されています。
皇帝レオポルト1世の棺。
(1640-1705、在位期間1658-1705)
マリア・テレジアの母君、エリザベート・クリスティーネ姫の棺。(1691-1750)
子供の棺。
だそうですが、何ですかこれは!?
いくらなんでも怖すぎます!
ウィーンに展示されている、作曲家ベートーベンや世紀末画家クリムトのデスマスクだけでも十分に震え上がった怖がりの著者は、デスマスクならず、全身デスボディを見てもう浮足立っています!
あ、やっと憩いの空間へ。
他の棺も十分すぎるほど大きかったものの、こちらの一際巨大な棺は、ハプスブルク家のマリア
・テレジアとその夫君で、神聖ローマ皇帝でもあったフランツ・シュテファンのもの。
高さは数メートルもあり、著者の身長よりも遥かに大きいものでしたが、何とか頂上部分にあしらわれていたお二人の彫刻を写真に収めることができました。
子供が16人もおり、生前から中が良かったとされる二人。
その仲睦まじい様子が、彫刻にもはっきりと描かれています。
二人の二重あごも気になります。
思いがけずほのぼのとした、この巨大な棺の周りをうろうろしているうちに、同行者の夫を見失ってしまいました・・・。どこもかしこも棺が視界を遮り、夫が見当たりません。
このオドロオドロしい異世界に一人放り出され、涙目になりながら小走りで夫を探します。
この恐怖は、パリにある死者の世界・カタコンベに入場してしまった時以来。
やっと見付けた夫は、別の棺の注釈を独り読み耽りながら、けろっとしていました。
著者が怖気にふるわれながら、よろよろと到着する様を見て、「どうしたの?」と平然と聞いてくるところが何とも憎たらしいです。
この瘴気にまみれた別世界にて、どうやらくたばる人(著者)と、物ともしない人(著者夫)の2種類がいることを学びました。
長くなるので、次回後篇へと続きます。
お楽しみに!
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筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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