クリムトの夢うつつ壁画を間近にみる
その一環で著者が訪れたのがこちら、
die „Klimt-Brücke"(クリムト橋)。
これは美術史博物館にあるクリムト壁画にフィーチャーされた催しで、その謳い文句も"Gustav Klimt aus nächster Nähe"(グスタフ・クリムトを至近距離で観る)というもの。
かの天才画家の有名作品を、まさに間近で見られるまたとないチャンスです。
そもそも著者は「接吻」よりも「アデッレ」よりも何よりも、こちらのエキゾティックな装束のエジプト女性の壁画が、クリムト作品の中では一番のお気に入り。以前フライトを利用して、クリムトにしては少々異色のパステル調が印象的な絵画、「メーダ・プリマヴェージ」(1912年)を観るためだけに、わざわざニューヨークのメトロポリタン美術館まで行ったこともあったほどですが、それでもやっぱりこちらの壁画に戻って来てしまう。
そんなわけで、こちらの展示会の情報が耳に入るや否や、居てもたってもいられなくなり、KHM(美術史博物館)目掛けて走りました。
因みにこちらのお写真は、壁画のある広間の反対側の回廊から撮ったもの。
クリムト壁画を観賞できるのは、通常はこの位置からです。
そして、間近でみたクリムト壁画はこんな感じ!
今までは、下から遠目で見上げては溜息ばかりついていたものですが、やはり間近に見るとさらなる迫力が加わり、クリムトパワーがひたひたと押し寄せてくるのを感じます!
それに、クリムトは細部を描きこむのが得意な画家だったので、やはりこの距離でしか目にすることのできない描写をこれでもかというほど眺めることができました。
クリムトの作品を目にするときはいつでもそうなのですが、この限りない聖性と世俗性の混じった世界観が、観る者をまるで煉獄にいるかのような、浮世にありながら浮世離れしたような、不可思議な感覚に陥れ、じっと観ているだけで、自分の肉体も意識も昇華されつつ、俗世の波に飲み込まれていくかのような気分に襲われます。
夫に袖を引っ張られなければ、いつまでもその場に立ち尽くしていたことでしょう。
本当にその場を去るのが惜しくてたまりませんでしたが、少し後ろ髪惹かれるくらいがちょうど良いのかも知れないと思いなおし、その場を後にしました。
残念ながらこのイベントは去る5月6日を以って終了してしまったようですが、ウィーン各地では引き続きクリムト関連の催しが目白押しです。
また他にも良さそうなものが見つかったら、ぜひこちらで紹介いたしますね!
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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