【番外イギリス編】ロマンティックLondon 早春を感じる公園散歩がいい季節
ベトナム・ハノイ特派員ブログですが番外でイギリス編をお送りしています
本日より番外編として「イギリス滞在記」をお届けします。
イギリスはかつて暮らし、帰国後も行き来を続けたご縁の長い国です。今回は3年ぶりに訪れたイギリスの今も変わらぬ懐かしい場所、または新しく発見したお店などをしばらくご紹介します。
本日初回はイギリスの旅の入口、ロンドンです。まだ寒い早春の清廉な空気が漂う中、今ならではのロマンティックな風景を追いかけて散策を愉しみました。
▲ ウェリントンアーチ
ハートのデコレーションが可愛い!
バレンタインデーが終わっても、まだハートが残るウェリントン・アーチです。ウォータールーの戦いでナポレオンに勝利したウェリントン侯爵の功績を称えて作られたアーチですが、そのすぐ近くにある邸宅「アスプリー・ハウス」見学もおすすめです。マイセンの磁器、セーブル焼、銀食器、ナポレオン妃ジョゼフィーヌが作らせたセンターピースほか、絵画ではベラスケス、ティツィアーノ、ラファエロなど、ウェリントン侯爵家の華麗を極めたコレクションが堪能できます。イギリスで"Welly ウェリー"という愛称で呼ばれる長靴(ブーツ)は、ウェリントン侯爵発案により生まれたもの。日本でも人気のHUNTERの長靴が、その形で有名ですね。そのオリジナルのブーツがウェリントン・アーチに展示されています。
▲ 広々としたグリーンパークをゆっくりと散歩
洗練されたロンドンの風景と公園が美しいこのエリアはとてもお気に入りの場所です。朝夕のグリーンパーク、セントジェームズパーク、ハイドパークをゆっくりと歩きました。大都市でありながら深い樹木や水辺の自然が共存し、誰もが気軽に憩える素敵な場所です。
イギリスの春は真っ白に咲くスノードロップの開花から始まり、クロッカス、そしてスイセンが、次々とバトンをつなぐように咲きながら明るい季節を迎えて行きます。長く暗い冬が間もなく開ける、そのドラマが今まさしく始まりました。
▲ 早朝のハイドパークにて/スノードロップの群生
スノードロップスの群生。コッツウォルズでは、コレスボーン・パーク(Colesbourne Park)などで一面のスノードロップの群生が見られますが、大都会ロンドンで見るスノードロップスも素敵でした。イヤリングのようにうつむきながら揺れて咲く姿が可憐です。
▲ イギリスのどこでも見られる外来種のハイイロリス(Photo by Mari Nak)
とても可愛らしいのですが、外来種で庭の食べ物や花を荒らすため害獣扱いも?!
ピーターラビットシリーズのお話に出てくるような、鮮やかな赤毛を持つ在来種のアカリスは、ハイイロリスに圧迫され希少種になってしまいました。なかなかの厄介者ですが、それでもこのクリクリの目に遭遇すると、やはり可愛らしくてついつい気持ちが緩みます。
▲ 永遠のアイドル、ロビン(こまどり)
「誰が殺したクックロビン」と聞いて、胸がモゾモゾっとする方。それは「マザーグース」と答えるか、「ポーの一族」と答えるか、はたまた「パタリロ」と答えるか?
私はすべてとお答えします。
今回の滞在で一番会いたかったのはロビンです。ビーズのような黒いつややかな小さな瞳、そして燃えるような真っ赤な胸。小さな身体を膨らませて、空に向かってさえずる姿がどんなに愛らしいことか。
ハイドパークを歩いていると、そのロビンが突如目の前に現れました。そして逃げることなく、いつまでも美しい歌声を聞かせてくれました。他にもブラックバードやマグパイ(カケス)など、様々な愛らしい野鳥たちがいながらも、ロビンはイギリスに住む誰にとっても特別な鳥だと思います。
公園の水辺には白鳥も。「イギリス国内のすべての白鳥は女王のもの」という説がありますが、実際は「テムズ川の特定区域にいる白鳥のみ、女王に所有権がある」というのが正しい情報のようです。芽吹き前の裸木がまだ寒々しい2月。ヘンリー・ムーア作のアーチも美しく。
▲ ケンジントンガーデンのピーターパン像
高さ4mほどのピーターパンの銅像です。ピーターパン自身はこぢんまりとした大きさですが、ピーターパンと共に描かれた妖精やウサギ、ネズミ、楽器など、ファンタジー溢れるモチーフが繊細です。
以前この季節に、友人へ花を贈ろうと花屋へ行き「春らしい色合いで」とアレンジをお願いすると、黄色、ペールグリーン、白を基調にした中に、パープルやブルーの小花を差し色に加えた、フレッシュなイメージの花束が出来上がったのに驚きました。
私には、桜や桃など、日本の春がピンクの花で始まる、固定された色のイメージが植わっていたようです。しかしイギリスでは春を告げるのは黄色や白の球根花。住む国が変わると春のイメージも違うのだと納得した思い出があります。ここでは、スイセンが咲く鮮やかな黄色が春爛漫を象徴する色でした。スイセンが咲けばイースターも近い、心が躍る季節がやって来ます。
▲ グリーンパークの夕暮れ
ロンドンでは3日間の滞在にもかかわらず、大変美しい夕暮れを見ることができました。イギリスで夕暮れを見るのはなかなかないチャンスだと思っています。晴れた日には "Enjoy the sunhine!" と声を掛け合って喜ぶほど、曇天や気まぐれな空模様が当たり前のイギリス、陽射しを恋しいと思うのも当然ですが、美しい夕暮れも愛しいものです。もし見ることができたらラッキーです。その時間をどうぞ大切に!
▲ 名物観覧車ロンドン・アイ
真下からダイナミックに見上げただけ
本当は乗りたかったのですが、ゆるゆると無計画に過ごしているとこういう事になります。1999年に開業、今ではいつでも簡単に乗れるだろうと侮っていたら大間違いでした。今でも変わらぬ人気を誇ります。夕方出かけたらチケットは当日分すべて配布終了でした。ロンドン・アイに乗りたい人は、早めに出かけてチケット確保を。または朝一番がベストだそうです。
▲ ザ・クイーンズ・ウォーク
ネックレスのように下がって灯るイルミネーションがノスタルジックです。
ロンドン・アイほか、水族館や人気アニメキャラクターのアトラクションがある週末のクイーンズ・ウォークはにぎやか。家族連れではしゃぐ子供たちや、仲の良いカップルなどを眺めるのは心が弾むものでした。特に夜の帳が降りる頃、川沿いに点った、なんともささやかなイルミネーション。それは昔の遊園地のようなノスタルジックな情景でした。これが現代、大都会ロンドンの灯りというのがとてもいいな、と感じます。
過度にカラフルで大量のネオンやイルミネーション、高層ビルで彩られる世界が、街の発展や都会化のバロメーターではない、そう感じさせてくれるのがヨーロッパの暮らしだと思います。光量が控えめにワントーンに輝く街、陰影が生かされている世界は、心に想像のゆとりを与え、気分も落ち着き、とても魅力的だと感じます。大都会であっても薄暗く、それが普通であるロンドンは美しい都会だと私は思います。
▲ ウェストミンスター橋と修復中のビッグベン
本来ならば、テムズ川にかかるウェストミンスター橋とビッグベンの絶景ポイントですが、現在は修復中です。あのゴシックでクラシカルなビッグベンが、思いっきりモダンなカバーで覆われている姿は、巨大ロボットやトランスフォーマーを彷彿させるミスマッチさが愉快です。修復完了までは、まだ2年ほどかかりそうです。
本日はここまで。早春のロンドンをお届けしました。
イギリスは今週、寒気が強まっています。ご旅行予定の方はしっかりと防寒対策を忘れずにお出かけください。
次回もイギリスをお届けします。どうぞお楽しみに。
お知らせ:
「ハノイ特派員ブログ」ということで、ハノイ情報のために当ブログを訪れてくださる皆様には心からの感謝と共に、事情により少しの間イギリス編となりますことをお詫び申し上げます。読むべき記事かどうかが一目で区別できるよう、臨時コンテンツのタイトルは【番外○○編】と記しております。内容がハノイ/ベトナム情報かどうか、こちらでご判断いただけると助かります。ベトナムに戻り次第ハノイ便りを再開予定です。それまでよろしくご理解のほどお願い申し上げます。
Photos & writing © Midori Nakagawa
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