アジアなハンコに名前を入れて。タ・ヒエン通りのハンコ屋さん
先週、ハノイ旧市街にあるタ・ヒエン通りについてお伝えしたところで、もうひとつこの通りからトピックをお伝えします。
ハノイ旧市街にあるタ・ヒエン通りと言えば、保存された古い街並みで、外国人観光客からも人気を誇る小さな通りです。味わいのある古い街並みにおびただしくならぶ飲食店、その中に、うっかり見落としそうになってしまうほど小さな入口のハンコ屋さんがあります。小さくとも腕は本物、ベトナムで "Golden Hand Award"を受賞した職人が手彫りで作るハンコ屋さんです。
その入口にはドラゴン、ハス、トラなど、アジアが香る木製の、素朴で愛らしいモチーフのハンコがショーケースに並び、中が工房になっています。ハンコを眺めていると、お店の奥さんが声をかけてくれるので、もし興味があれば気に入ったものを見せてもらうと良いでしょう。
サイズは様々。直径3㎝弱ほどの小さなものから、一辺10㎝以上ある中サイズ、さらに大きな版画と言える華麗な作品クラスのものまでディスプレイされています。サイズが大きくなるほど、彫り込まれる絵柄が細かく美しく、見ているだけで眼福です。
伝統菓子の木型なども作っている有名な職人さんだそうで、いかにも古めかしい工房には、あちらこちらに木版や木型、木像、道具などが置かれています。
ハンコ購入を希望の方は、まずショーケースの中から選んでみてください。気に入ったものがなければ、「ハスを」「亀を」など、欲しいモチーフの要望を伝えると、さらに棚から箱を出して来て見せてくれます。お店の奥さんはカタコトの日本語の単語でやりとりをしてくれます。そして、そのハンコに名前や、好きな文字などを手彫りで入れてくれます。
この日はベトナムの "Golden Hand Award" を受賞した腕を持つご主人が店にいらっしゃったので、その場ですぐに名前を彫ってくれました。その時間10分弱。ルーペを使って、小さなハンコにあっという間に文字を入れてくれました。
その出来栄えは?
素朴ながら、温かみのある文字と絵柄。アジア的なレタリングの彫刻文字で、自分の名前が浮かび上がっているハンコに思わずうれしくなります。
私は「ハスの花を登るネズミ」を選びました。その理由は、自分はまだ未熟で、必死に花に近づけるよう発展途上中だから。「もっと頑張れますように」という願いを込めて選びました。これからは、手紙、はがきなど、様々なものにサインとしてこのハンコを使いたいですね。そしていつか、華麗に咲く大輪のハスの花のハンコを作れるようになりたいものです。
ハンコの値段は交渉となります。サイズ、柄などで値段が変わってくると思いますが、有名職人の工房ならではの値段からスタートしますが、ぜひ納得のいく価格まで交渉してみてください。
ちなみに本日は、娘が選んだ4.5㎝角ほどのハンコと合わせて2個で40万ドン(約2000円)。さて、これは高いのでしょうか?適正価格でしょうか?
様々な人の経験談を伺いたいところです。
娘が選んだデザインはこちら。ホアンキエム湖の大亀伝説に感動した思い出にと「亀」を選びました。水上に浮かぶ大亀が、不思議なものを口から吐きながら、背中に大輪のハスをドドンと背負い、その背景にカッ!と朝陽が昇る図です。やっぱり"自分に自信があるオンナ"(根拠なく)の選ぶものは違いますね。めっちゃ明るいハノイが、ひとつのハンコにてんこ盛り!なかなか大胆なハンコでした。(この能天気さが羨ましい)
みなさま、ハノイで素敵なお買い物を!
Photos & writing by Midori N
☆Information☆
Hieu Puhuc Loi
address:
2b Pho Ta Hien, Hanoi
ハンコに名入れの所要時間10分~2時間など職人さんの都合による
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