「日本映画の100年」発表会に役所広司さんら日本の豪華ゲストがパリで会見【ジャポニスム2018】

公開日 : 2019年02月24日
最終更新 :
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昨年7月から約1年間にわたりフランスで行われてきた、日仏修好通商条約締結から160年を記念したイベント「ジャポニスム2018:響きあう魂」が今月で閉幕します。その最後の期間を飾るべく、「日本映画の100年」という、日仏の専門家が共同で119本を選び1920年代から2018年までの日本映画の100年を巡るという企画が、大々的に行われています。

「日本映画の100年」の最初を飾ったのが阪東妻三郎が主演の戦前の無声映画『雄呂血』の上映でした。この「地球の歩き方パリ特派員ブログ」でも、その『雄呂血』に加え『おおかみこどもの雨と雪』『シン・ゴジラ』の各上映会や関係者トークについて紹介してきましたが、2月15日には、フランス国立映画センター(CNC)にて日仏映画協力協定の交換式および「日本映画の100年」の概要発表会が行われました。

特に後半の『日本映画の 100 年』発表会には役所広司さん、常盤貴子さん、宮﨑あおいさん、大林宣彦監督が出席。豪華な顔ぶれになりました。

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前半の日仏映画協力協定とは、日仏の映画協力や日本映画製作者のフランス進出を後押しすることを目的とした覚書です。2月15日に行われた式典は、2018年7月にフランス国立映画センターと公益財団法人ユニジャパンの間で合意に達したものの調印式です。

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続いて後半に行われたのが「日本映画の100 年」の概要発表会です。記者会見には、役所広司さん、常盤貴子さん、宮﨑あおいさん、大林宣彦監督が壇上へ上がりました。

会見では、まず役所さんが「フランスの皆さま、フランスに住んでいる日本人の皆さまが、本当に映画を楽しんでいる様子を実感しました」と挨拶。続いて常盤さんが、冒頭をフランス語で自己紹介した後「一人でも多くの人に日本映画を見てもらえることを願っています」と話しました。次に宮﨑さんが「映画作りを通して素晴らしいたくさんの方々に出会って、経験をして、自分の人生がすごく豊かになりました。映画が大好きな世界中の方々と、それらを重ねていければと思います」と自身の経験と重ねつつ、映画の良さについてコメントしました。

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トリは今年1月の誕生日で81歳になった大林宣彦監督です。大林監督は「160年という日仏の文化交流は、大変尊い長い歴史です。しかしこの160年は、世界で2つの大きな戦争があり、各国でも戦争、侵略、殺戮による国民たちの犠牲がありました」と切り出し「映画というのはそもそも、戦争被害者であった一人ひとりの市民の味方でした。私たち庶民を勇気付けてくれました。映画は、共に仲良くお互いを理解しあって語り合り、仲良く暮らそうではないかという知恵、未来に対する勇気を与えてくれます」と映画が持つ、一つの役割について説明しました。

そして大林監督は「映画で歴史の過去を変えることはできませんが、未来はきっと変えることができます。戦争を無くし、平和にする力を映画に託した若い人たちが頑張ってくれている。それを先輩たちが讃えてくれていることは希望です」と次世代の映画人に対する期待を語りました。

「日本映画の100年」企画による上映会も残すところ、あと少しになりましたが、パリ日本文化会館と映画遺産の保存を目的とした文化施設シネマテーク・フランセーズで今月末まで行われています。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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