ブラド串刺し公の伝説
ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ伯爵』のモデルとして有名な「ブラド3世」は中世時代の頃、ルーマニアの南にあるワラキア地方に君臨していた大公です。
『ドラキュラ伯爵』の主人公と違い、ブラド3世は吸血鬼ではなかったのですが、歴史を見てみると吸血鬼より残酷な大公という一面が垣間見えます。
ブラド3世が生存していた中世時代のヨーロッパでは串がもっとも怖い拷問の器具として知られていました。犯罪者や敵は罰として串に刺すことが一般的で、ブラド3世はほかの大公よりも串に刺して拷問を実施した回数が多かったことから"串刺し公"と呼ばれるようになったそうです。
ここからは、ブラド串刺し公の伝説としてルーマニアで語り継がれているエピソードの一部をご紹介します。
【伝説①】
ブラド串刺公はポエナリ城を拡大するため、イースターの日にある村に行き、働けない年寄りを串に刺して殺し、若者はポエナリ城を建てる労働力として、死ぬまで働かせました。そのため、ポエナリ城は半年という短期間で完成したそうです。
【伝説②】
ブラド串刺し公の前で帽子を脱ぎたくなかったトルコの使者達の話。
トルコの伝統によると目上の人に話すとき帽子を脱がなくもいいという習慣があるそうです。しかし、トルコの習慣はブラド串刺公にとっては礼儀正しいものではなかったため、使者達に帽子を脱ぐよう命令しました。ところが、トルコの使者達はこの命令を拒否。断られたことで怒ったブラド串刺し公は罰として使者の頭に釘を打ちつけ、一生、頭から帽子が脱げないようにしてしまったそうです・・・。
【伝説③】
ブラド串刺し公は遺体のニオイが苦手な貴族を殺したというエピソードも残っています。
ある日、ブラド串刺し公は串に刺した遺体の前で食事をしていました。一緒に食事していた貴族のなかには、遺体のニオイが苦手だったため、鼻を手で覆う人もいました。しかし、その仕草が気に入らなかったブラド串刺し公は、遺体のニオイは地面より高いところのほうが気にならないと述べ、ニオイが感じなくなるほど高い串に上らせて殺してしまいました。
ルーマニアで実在した人物のなかでも世界的に有名な「ブラド串刺し公」。ルーマニアでは侵略から国を守った英雄の一人として知られていますが、怖ろしい伝説も存在します。
有名な人に対して、さまざまなエピソードが語り継がれることは昔も今もあまり変わらないですね。
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