パリ観光のデモ対策 現地での予防と遭遇したら取るべき方法

公開日 : 2019年12月07日
最終更新 :
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フランスでは12月5日からゼネストが続いています。ストライキと併せて、各労働組合のデモも開かれており、昨年11月から続く黄色いベスト運動(Mouvement des Gilets jaunes)も継続中です。

パリ観光に際して、デモに対して不安を抱えている旅行者も多いと思います。そこで今回は、パリでのデモの様子と、取るべき行動について説明します。

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▲しばしばデモの開催場所になる共和国広場

パリ市内でデモはいつどこで起こるのか

デモの開催日と行進ルートは毎回変わります(ただし黄色いベスト運動は基本的に土曜)。開催日と場所ついては、パリ警視庁が毎回公式サイト公式SNSであらかじめ詳細を公式発表します。民間サイト「Démosphère」でもデモが予定されるであろうルートを載せているところはあります。

しかし内容はフランス語ですし、理解が難しい場合もあるかもしれません。よくデモの開催場所として使われるのが、シャンゼリゼ大通り(Avenue des Champs-Élysées)、共和国広場(Place de la République)、バスティーユ広場(Place de la Bastille)、ナシオン広場(Place de la Nation)、1940年6月18日広場(Place du 18 Juin 1940:モンパルナス駅近く)、ダンフェール・ロシュロー広場(Place Denfert-Rochereau)、イタリー広場(Place d'Italie)など。大人数が集まれる場所です。ただし、毎回ここが開催場所になるわけではありません。

ルートの設定は、基本的には起点と終点に大きな広場が指定され、それら大きな広場をつなぐ道幅の広い幹線道路(つまり大人数が一斉に歩ける道)が、デモ行進の道順になります。

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▲デモ開催場所の周囲を取り囲む武装した憲兵隊と車両

パリ市内でデモに遭遇したら

デモ行進は、大人数で旗や横断幕などを掲げて歩いていますので、一目で分かると思います。周囲には警察官や警察車両も集まっています。デモ隊に遭遇したら、近づかないことが賢明です。そもそもデモは、平和的な主張のための行動で危険な行為ではありませんが、そこで発生したいざこざの被害が、運悪く降りかかるかもしれません。

また、メディアでもよく取り上げられる、デモの騒ぎに乗じて破壊活動を行う「壊し屋(Casseur)」と呼ばれる人たちは、全身黒ずくめの服装をしていることが多いです。顔も隠しています。

デモ隊が集まる広場は、毎回警察が周囲を囲み、不測の事態に備えています。その点からも、これから何かある(もしくは今起きている)のかが、一目で分かると思います。警察官や警察車両が取り囲んでいる広場、もしくは通りを塞ぐ形で待機している場合は、それより先に進まず別の道を通りましょう。

デモ開催場所に近づかないことを心がけていれば、それ以外の場所は至って普段通りの生活です。街歩きについても問題ありません。

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▲催涙ガスが漂うデモ現場

それでも万が一、過激なデモと遭遇したら......

上記を守っていれば、デモ隊と警察が激しく衝突する現場の真っ只中に入ってしまうということはないとは思いますが......、万が一そのような状況になったら、過激なデモ参加者が集まる箇所は避けて、そのデモ会場からも一刻も早く離れてください。

催涙弾は、過激なデモ参加者に向けられて飛んできます。まず現場の風向きを確かめ(催涙弾の着弾後に催涙ガスが流れてくるため)、もし催涙弾が放たれた時は、催涙弾の軌道と別の方向に逃げてください。迫り来る催涙弾に背を向けて同じ方向に逃げると、催涙弾の飛ぶ速度の方が人間の足より早いですので、催涙弾が足元に着弾します。放水車からも離れましょう。

興奮したデモ参加者が、何かを燃やし始めることもあります。その場合も、他の人が火の周りに集まっていたとしても近づかず、そこから離れてください。いつ何に引火して不用意な暴発が起きるか分かりません。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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