「太った男」という名前のレストラン
コロナ対策下でのレストラン訪問
インパクトのある名前ですよね。
太った男、Dicker Mannという名前のレストランは、ハイド広場という二等辺三角形の広場の脇道、クレブスガッセ(Krebsgasse)にあります。
オーストリア料理をはじめとした料理、ワインや地元のビールが楽しめます。
値段は少し高級感があるかもしれませんが、穴場のレストランだと思います。
レストラン前(道路沿い)にあるテーブルは、この時間帯かなり人がいたのですが、それぞれの間には十分なスペースがありました。
趣のある店内は、コロナといい天気の影響で誰もいませんでしたが、中庭という選択肢もあります。
メニュー表はアルコール消毒が可能な素材でテーブルに出される前にしっかり拭いてあるようで、拭いた形跡が感じられました。
英語のメニューもあるようです。
テーブルとテーブルの間にはついたてがあるので、仮に隣のテーブルでほかの人がいても少し防御されている感じ。お店の前の席は、透明の板が隣の席とをしっかり分けてくれています。
サービスもよく、料理についての質問にも適切な答えをもらえ、好印象。
飲み物も料理もすぐに出てきました。
それでは、お店を訪ねてみましょう
上の写真は二等辺三角形のハイド広場の一部です。少しわかりにくいので説明します。
左側の2軒の家、青と緑の建物の間に路地がありますがここを入っていきます。
すると、こんな道。↓
右側に椅子と赤い日傘がありますが、その奥に今回目指す「太った男」があるのです。
こんな細い道、一応車が1台ノロノロと通れますが奥まったところにある分、静かで平和な場所です。
飲み物と料理と注文してみます。
ビールは、クッヘルバウアーというメーカーのもので、ヘレスと白ビールは樽から注がれたものです。
レストランの入口を入ってすぐの天井には、クッヘルバウアー醸造所の象徴である塔のイラストなどがあります。
クッヘルバウワーの城下町のような小さな町がありますが、こちらで塔についても少しご紹介しています(2018年1月10日の記事です)。よろしかったら、ぜひご覧ください。
17世紀の天井に、こんなイラストを描かせてしまうのも、オーナーであるヴァイセンバッハー氏の茶目っ気なのでしょうか。
私が注文したのは、子牛のシュニッツェル。つまり、日本でいうトンカツを叩いて薄く伸ばした感じのものです。
オーストリアといえば、子牛のシュニッツェルです。値段は高めで18.90€。
でも新鮮なものを新鮮に料理して!とていねいに作り上げられた一品です(普通の豚肉で作ったシュニッツェルもあります。これは13.80€ほどだったと思います)。
小さそうに見えますが、私は2枚あるうちの1枚も頑張らないと食べられませんでした。お腹が減っていたし、私けっこうがっつり食べるタイプですが。
付け合わせは、キュウリが入ったポテトサラダ(カボチャ油がかかっていました)にコケモモのジャム。このジャムは、お肉につけていただきます。
お皿もちゃんとここのお店のトレードマークである太った男のイラストつきです。徹底していますね。
食べきれなかったので、ウエイトレスさんに聞いてみたら、ちゃんとお持ち帰り用にしてくれました。北ドイツなどではどうかわかりませんが、ここバイエルン州ではたいがい食べ残しの持ち帰りが可能だと思います。ありがたいことです。
デザートの分野ですと、やはりオーストリアといえばザツルブルガーノッケルンと呼ばれるスフレの一種でしょう。大きな昼食の直後には無理ですが、今度機会があればぜひと思います。
中庭は、すてき!という感じが少し劣るかもしれませんが、もし中庭に入るならぜひ見てほしいのは、これがレーゲンスブルクの中世の家なんだということ。普段道を歩いているだけではわかりませんが建物が四方を囲み、中庭がある。それがスタンダードなんです。
お店の前のテラスはトスカーナ風、中庭はメディタレニアン風とか一応スタイルはあるようですが、私にはその辺はいまいちわかりません。うーん、このあたりがわかる人にぜひ遊びに来てもらいたいものですね。ヴァイセンバッハー氏曰く、誰の趣味にでも合うものがどこかにあるように、というつもりでつくったレストランのようです。
店内は、とってもシックです。本来ここがいいですね。コロナでなければここに座りたいと思います。
アンティークなおしゃれな椅子と思っていたら、教会のベンチなのだそうです。奥行きが浅すぎるので、追加をしてゆったりと座れるようになっているのだそうですが、そう聞いてもあまりにもよく修復されていて、奥行きが深くなったことさえ感じるのは難しい自然な仕上がりです。英国の技術者の腕前だとヴァイセンバッハー氏はにこやかにおっしゃっていました。
ちなみに、トイレなどのタイルもとってもきれいに貼られています。レストランのトイレのタイルというのは、マニアックですが、実は私も何気に注目します。配置がよくなかったりあまりきれいでないもの(職人技としての意味で)が多いなか、ここのはすてきに仕上がっています。雑談のなかでそこを指摘したところ、知合いが多い分いい職人も知っているからね、とのことでした。
オーナーのヴァイセンバッハー氏に単独インタビュー成功しました
直接オーナーである、アントン・ヴァイセンバッハー氏のコメントをいただいたわけですが、実は当日ご不在でしたので、食事をした数日後に、ご本人と連絡をとってお話を聞くことになりました。
とってもすてきなユーモアのある方で、このお店のファンになってしまった感じです。
ヴァイセンバッハー氏からうかがった話を交えて、もうひとつ、ふたつ小話をご紹介します。
もともとこのレストランの入口付近は馬車ごとお店に入れるようになっていて、ゆったりとしたスロープで上の階に上がりそこで、つまり2階に当たるところで食事ができるようになっていたのだそうです。
天井が17世紀のものというのですから、それ以前の話だと思いますが。
1994年に今のオーナーが大改築をして経営をスタートしたときに、今の「太った男」という名前になったのだそうです。
なぜそんなネーミングになったのか、非常に気になっていたので、ヴァイセンバッハー氏と約束を取りつけたときに、真っ先に聞きたい質問のひとつでした。このオーナーであるヴァイセンバッハー氏は細身でどちらかというとガリガリなタイプなのですが、ロゴを考えてくれた友人のぺーター・ガイマン氏(イラストレーター、作家)のアイデアで、おいしい食事をたらふく食べて、ヴァイセンバッハー氏のように「ふくよか」になれるように、という冗談からきたものだとか。最初は、???と思って、そのヴァイセンバッハー氏がそんなに体格のいい方だったか聞いてみたら、ずっと細い体型だったそうで(笑)。
建物の歴史については、何年に建てられたものか書物には記載がありませんでしたが、ヴァイセンバッハー氏の話では14世紀とのこと。1862年以降何度か増築改築がされています。
■Dicker Mann
・住所: Krebsgasse 6 (Haidplatz)
・営業時間: 毎日9:00〜25:00(23:00までは常に温かい料理を提供)
・URL(独語): https://dicker-mann.de/
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