季節はずれの雪~岡湊神社 なんじゃもんじゃの木
こんにちは、「地球の歩き方」福岡特派員のDukeです。今日は、遠賀郡芦屋町にある岡湊神社の「なんじゃもんじゃ」を紹介します。春から初夏に向かう時期、雪のように真っ白な花を咲かせる岡湊神社のなんじゃもんじゃの木。例年ならGW頃に満開になるのですが、今年2021年は10日ほど開花が早まっており、今まさに見頃を迎えています。

「岡湊」は「おかのみなと」と読み、日本書紀に「崗之水門」として登場する芦屋の古い呼称です。1800年の歴史を刻み、古事記にも記載が残る岡湊神社は、主祭神として大倉主命(おほくらぬしのみこと)と菟夫羅媛命(つぶらひめのみこと)、配祀神として素戔嗚尊(すさのおのみこと)、天照皇大神、神武天皇をお祀りしています。

境内を白く染めるなんじゃもんじゃは、和名「一つ葉たご」というモクセイ科の植物で、日本では希少種であり絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

「なんじゃもんじゃ」という名の由来は諸説あるようですが、明治時代、陸軍の青山練兵場(今の明治神宮外苑)にあった一つ葉たごを、誰ともなく「何の木じゃ?」と尋ねているうちに、いつの間にか「なんじゃもんじゃ」と呼ばれるようになったとも言われています(ただし、「なんじゃもんじゃ」という別称は、必ずしも一つ葉たごに限った呼び方ではありません)。

一つひとつは小さな花ですが、密集すると雪が降り積もったかのように見えます。

岡湊神社の最初のなんじゃもんじゃの木は、明治神宮から寄贈されたもの。さらに遡ると、その親木は、日朝友好の証として朝鮮李王家から贈られたものだそうです。岡湊神社からも各地に株分けされているそうですから、李王家ゆかりのなんじゃもんじゃが、日本全国にネットワークを広げていることになります。
岡湊神社では、その後も対馬や岐阜、アメリカ原産の木が新たに植樹され、年を追うごとにその数が増えて、今や200本を数えるほどになりました。原産地の違いごとに、花びらの形も微妙に異なります。

こちらは道路を挟んで向かい、社務所前のなんじゃもんじゃ。例年、こちらの木の方が早咲きで、ほぼ満開となっています。
ただし、新型コロナ感染拡大防止のため、今は社務所敷地内への立ち入りができず、外から見るだけとなります(車の通行にご注意ください)。

岡湊神社の境内を白く染め上げる200本の「なんじゃもんじゃの木」は、芦屋町の初夏の風物詩。見頃は今月いっぱいくらいと思われますが、花が散り始めて地面にうっすらと雪が積もったような眺めもまた風情がありますよ。
【岡湊神社】
・住所: 福岡県遠賀郡芦屋町船頭町12番48号
・問合せ: 093-223-0216
・駐車場: あり

筆者
特派員
Duke
縁あって福岡県北九州市に落ち着いて、はや15年。県外の方はもちろん、地元の方にも楽しんでいただけるよう、福岡・北九州の旬な情報を発信していきたいと思っています。
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