桔梗が見頃「紫式部ゆかりの蘆山寺」
京都御苑の東の寺町通に建つ蘆山寺。
山門前には「桔梗咲いています」の文字。
「蘆山寺」は、平安時代の天慶年中(938~947年)船岡山の南に創建されたのが
始まりです。蘆山寺は室町時代の応仁の乱やたびたびの火事で
いくども消失しましたが、そのたび再興されてきました。
明治維新までは「御黒戸四箇院」という宮中の仏事を司る四か寺のひとつでした。
しかし廃仏毀釈により宮中から天台宗預かりとなり、明治天皇の勅命によって
蘆山寺だけが復興されて今日に至っています。
![IMG_1260.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1260-thumb-730xauto-612160.jpg)
《堤邸(つつみてい)》
この地は、鴨川の西に接していることから「堤邸」と呼ばれました。
そして、ここは平安時代の歌人・女流作家、紫式部の住居があった場所
でもあります。
紫式部は藤原北家の越後守・藤原為時の娘として生まれました。
そして59歳で亡くなるまでの間に、有名な「源氏物語」をはじめ、
「紫式部日記」や「紫式部集」などの数々の名作を執筆したといわれています。
![IMG_1258.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1258-thumb-730xauto-612162.jpg)
本堂前の庭は「源氏庭」です。
庭は、白砂と苔によって構成された庭で、白砂が「庭に浮かぶ雲」を
表現しているそうです。
![IMG_1265.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1265-thumb-730xauto-612164.jpg)
《夏の花・桔梗》
桔梗は、秋の花のイメージがあり「秋の七草」のひとつにあげられますが、
6月下旬頃から10月頃まで長期にわたって長く咲く花です。
花は7月頃と9月頃の2回見頃を迎えますが、9月よりは7月の方が
多くの花が咲きます。
![IMG_1276.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1276-thumb-730xauto-612166.jpg)
では、どうして蘆山寺の庭に桔梗なのかと言うと、源氏物語の「朝顔」の巻に
由来しています。
この頃の朝顔の花とは、桔梗のことを指すそうで、そのことから
源氏庭には桔梗が咲いています。
![IMG_1279.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1279-thumb-730xauto-612168.jpg)
紫式部は長徳4年(998)頃、藤原宣孝と結婚し長保元年(999)に
一女・藤原賢子をもうけます。
そのときも堤邸で生活したといわれています。
しかし結婚生活は短く、長保3年(1001)に夫・宣孝と死別してしまいます。
その後、寛弘2年(1005)頃から寛弘8年(1012)頃まで一条天皇の
中宮・彰子(藤原道長の長女)に女房、家庭教師役として仕えました。
![IMG_1280 (3).jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1280%20%283%29-thumb-730xauto-612170.jpg)
この時期に源氏物語を書いたといわれています。
紫式部は人生の大半を、ここ堤邸で過ごしています。
![IMG_1266.jpg](https://static.arukikata.co.jp/pic-images/tokuhain/kyoto/assets_c/2022/08/IMG_1266-thumb-730xauto-612172.jpg)
《蘆山寺》
〇住所 京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
〇拝観時間 9:00~16:00
〇拝観料 大人・大学生・高校生500円、中学生400円、小学生以下無料
〇アクセス バス停・府立医大病院前下車(徒歩約3分)
〇駐車場 数台分有り
![](https://static.arukikata.co.jp/data/profile/11000/10055/20221012_102650_5874ba3a_w320.jpg)
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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