【アメリカ・メリーランド州】BWI空港にも直結~ボルチモア市内を走るライトレール

公開日 : 2022年02月10日
最終更新 :

外国からの旅行者にとって、地元の人々が日々利用する鉄道やバスを使うことは、路線図の確認、切符の買い方や乗り降りの方法などが異なることから、不安と期待の入り混じった冒険ではないでしょうか。今回は、ボルチモア市内と郊外を結ぶ公共交通機関のひとつ、ライトレールについて紹介します。

■ライトレールの歴史と路線

ボルチモアのライトレール(正式名称:ライト・レイルリンクLight Raillink)の前身は、1885年8月に全米初の旅客電車としてボルチモア市内で開業したストリートカー(路面電車)です。路面電車は1963年には市内から姿を消し、その後一部路線(ボルチモア市内~オーウィングス・ミル)は地下鉄(メトロ・サブウェイリンクMetro Subwaylink)として1983年に再開業し、別の路線であったカムデンヤードCamden Yards~ティモニウムTimoniumの区間がライトレールとして1992年に生まれ変わりました。


地下鉄とライトレールは直接には乗換え駅の接続がありませんが、同じメリーランド交通局MTAが管理していて、料金体系も一緒です。


現在のライトレールは、北の始発は郊外のハント・バレー駅Hunt Valley、南の終着駅はボルチモア=ワシントン国際空港BWI駅(空港ターミナルに直結)とグレン・バーニー駅Glen Burnieです。ボルチモア市内を南北に縦断する路線で、全長30マイル48.3kmを運行しています。主要な鉄道駅ではボルチモア・ペン駅Penn Stationとカムデン駅Camden Stationとも接続していますが、ペン駅へはマウント・ロイヤルMt. Royal駅から支線でつながっています。2022年3月現在、新型コロナの影響で支線が運休しているため、Mt. Royal駅で下車し、徒歩8分ほどでペン駅へ移動できます。

ライトレールのBWI駅
ライトレールのBWI駅

■特徴

乗降時は扉の近くにあるボタンを自分で押します。ライトレールのプラットフォームは、道路とほぼ同じ高さにあるため、乗り降りするドアを開けると、やや高さのある階段を上って車内に入ります。先頭と最後尾(運転席の真後ろ)のドアだけは、車椅子利用者専用のプラットフォームへのアクセス専用となっています。
車内はふたり掛けシートが基本で、優先席は横掛けになっています。網棚もつり革もなく、シンプルな造りですが、ボルチモア市内のダウンタウンから郊外の住宅地や工場地帯まで、さまざまな車窓を楽しむことができます。

車両の乗降口
車両の乗降口
ライトレールの車内
ライトレールの車内

各駅に自動券売機(現金、クレジットカード利用可)はありますが改札機はありません。乗車前に必ず切符を購入し、乗車中は所持することが求められます。といっても、通常は車内検札もありません。乗客のモラルに任されていることになりますが、もしも抜き打ちで検札を受けた際に乗車券を持っていないと罰金を科されるので、トラブル防止のため注意しましょう。

ライトレールの自動券売機
ライトレールの自動券売機

週末はメンテナンスや工事などで一部区間が運休になることが多く、代行バスが出ますが、通過してしまう駅があるなど、情報がわかりにくいことがあります。乗車前に運転手に行き先を確認する必要があります。

運賃: (2022年2月現在・メリーランドMTAのライトレール、バス、メトロ共通)

片道One-way 大人 $1.90(乗車区間の長さを問わず一律)シニア、学生料金あり
1日乗車券 Day Pass 大人 $4.40(一日乗り降り自由)
7日間有効 7-Day Pass 大人 $21.00(7日間乗り降り自由)
1ヵ月有効パス31-Day Pass 大人 $74.00(1ヵ月/31日間乗り降り自由)

メリーランド交通局(MTA)ライトレイル

筆者

アメリカ・メリーランド州特派員

ベスト加島 聡子

神奈川県出身で、在米20数年になります。現在メリーランド州北東部の町で、家庭菜園とクラフトアートを楽しんでおります。

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