大陸”2/3”横断鉄道カリフォルニア・ゼファー®33時間の旅(後編)

公開日 : 2023年12月11日
最終更新 :

前日の朝8時にデンバーを出発して、北米の背骨”ロッキー山脈”を超え、大盆地(グレートベーズン)を抜け、二日目は、”ネバダ山脈”を超えます。雄大で壮大なアメリカ大陸横断の旅。

起きたらネバダ州
起きたらネバダ州

かなり爆睡だったようです。23:05着ソルトレイクシティ(Salt lake city/UT)では、25分停車の”スモーキング・ストップ”なので降りてみたかったけど夢の中、3:00のエルコ(Elko/NV)当然通過。翌朝5:45、座席の射光カーテンをチラッと開けたら、ウィンマッカ(Winnemucca/NV5:40着)に停車していました。熟睡というよりそれくらい静かな走行だったのかもしれません。少し明るくなってきたのでコーヒー飲みながら日の出を見る為、ラウンジカーへ行ってみました。熟年カップルが刻々と明るくなっていくグレートベーズンの荒野を眺め、方や一晩中居たんじゃないかと思うやや疲れ気味の表情の青年。列車の動く音だけ静寂な時間でした。

階下のスナックバーのオープンは6:30。コーヒー($2.75)です。待ち遠しい数分間でした。

世界一小さい大都市Reno
世界一小さい大都市Reno

8:25、「世界一小さな大都市」のリノ(Reno/NV)に到着しました。駅からカジノホテルまで徒歩圏内、一攫千金を求めベイエリアから気軽に行けギャンブルの街です。乗降客は多くて賑やかです。

リノあたりから知っている景色が出始めます。

コーチクラスの座席
コーチクラスの座席

これがコーチクラスの座席、一晩寝た場所です。寝がえりも打てるので、身体が痛くなる事もなくゆったりできました。飛行機のエコノミークラスより広々とした空間で、一人旅には十分なスペースかと思いました。

トラッキーの冬支度
トラッキーの冬支度

シエラ山脈の山越え。いよいよカリフォルニア州。トラッキー(Truckee/CA)あたりを走っていたら、反対側の線路の枕木交換をしていました。ロッキーでは見なかった冬支度です。シエラの方が早く雪が降るのかしらね…

11:00ダイニングカーの係の方が最後の食事の予約を聞き始めました。

最後の食事はアンガスビーフのハンバーガー
最後の食事はアンガスビーフのハンバーガー

11:30アナウンスがあり、アムトラック最後の食事。アンガスビーフのハンバーガーミディアムレアでいただきました。そして、相性抜群のストーンブルーイングのIPA($7.5)で同席者と乾杯です。

ストーンブルーイングIPA(Stone Brewing IPA):カリフォルニア州・サンマルコスのストーンブルーイングのフラッグシップビール。ウエストコーストIPAは、6種類のホップを使って深い味わいとしっかりした苦味が特徴。ちょっとパイン(松)の風味がユニークかも、シトラスの風味もホップのおかげです。アメリカ国内だと比較的入手しやすいブランドでなので、探してみてくださいね。
Stone IPA

*この最後のサービスを終えたダイニングスタッフに感謝の気持ちを10ドル渡しました*

普段はちょっと遠い感じがしますが、サクラメントが急に近くに感じた瞬間でした。
普段はちょっと遠い感じがしますが、サクラメントが急に近くに感じた瞬間でした。

ランチ食べてる間にゼファーのシカゴ行きとすれ違っていると思いますが、そんなことも気にせず、14:13州都サクラメント(Sacramento/CA)に到着しました。隣の席で一緒だった方とお別れ。寝てただけとは言っても一晩一緒に過ごした同士、一緒にプラットホームに降りてハグして急いで列車に乗りました。

デービス→マルチネス→リッチモンド
デービス→マルチネス→リッチモンド

サクラメントを過ぎるとキャピトルコリドー。サンノゼ(昔州都)↔︎サクラメント(現州都)のを結ぶ路線を走行します。もう地元に帰ってきた気分でした。

長いようであっという間の大陸2/3横断
長いようであっという間の大陸2/3横断

16:10 ほぼ定刻に終点エメリービル(Emeryville/CA)に到着しました。
スーツケースを抱えた人、大きなバックパックを背負って降りる人。とにかく全員おりました。サンフランシスコ行きのバスに乗り換えです。列車がどんなに遅れても、接続バスは列車到着の15分後に出発しますので、慌てず、お忘れ物ないように乗り換えてください。

【アムトラック®】
カリフォルニア・ゼファー®:https://www.amtrak.com/california-zephyr-train
アムトラックレイルパス:https://www.amtrak.com/deals-discounts/multi-ride-rail-passes.html

ベイブリッジを渡り20分ほどでサンフランシスコ到着
ベイブリッジを渡り20分ほどでサンフランシスコ到着

<旅の振り返り>
アメリカと言えば、車や飛行機をイメージしますが、かつてアメリカは鉄道王国だった。交通の歴史の本に最初に書いてありました。今回体験してまさにそのとおりだと感じました。景色を眺め、ダイニングでゆったり食事をし、急ぐ事のない旅で、この体験は一生忘れない。

〜アムトラックの旅は、ディステネーション(Destination)じゃなくてジャーニー(Jouurney)〜
(車掌さんの言葉より)

老若男女、全ての方におすすめできる旅ですが、学生時代の思い出に是非是非”大陸横断の旅”挑戦して欲しいと思います。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

美丸(Mimaru)

サンフランシスコ在住ビアジャーナリスト。全米のクラフトビール探求の日々、訪問したブルワリー、タップルーム情報は随時投稿。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。