タイの治安、政情は大丈夫?観光客が注意すべきポイントを紹介

公開日 : 2022年12月01日
最終更新 :
筆者 : みかん

タイへの旅行を予定している方にとって、治安や政情は気になるポイントのひとつだと思います。特にタイを訪れるのが初めての方は「何に気をつければいいの?」「訪れない方がいいエリアはあるの?」といった不安もあるのではないでしょうか。今回はタイで起こりやすいトラブルと、回避するためのポイントなどを紹介します。

タイの治安

ビルが立ち並ぶバンコク市内の風景
ビルが立ち並ぶバンコク市内の風景

まずタイの現在の治安についてです。日本の外務省では海外の治安に関して以下の4つの目安を設けています。

  • レベル1:十分注意してください。
  • レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
  • レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
  • レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)

このうちタイで当てはまるのは以下の地域です。

  • レベル1:バンコク、プレアビヒア寺院周辺地域
  • レベル2:ソンクラー県
  • レベル3:ナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県

観光客がよく訪れる首都バンコクは「レベル1」と定められているものの、おおむね治安はよいです。例えば、日本人が多く住むプロンポンエリアや、高級ホテルやショッピングモールが立ち並ぶサイアムエリアなどは比較的安全といえるでしょう。しかし、エリアや時間帯によっては危険な場所もあるので油断は禁物です。特に、深夜は男性も女性もひとりでは出歩かないようにしましょう。

タイ南部に位置するソンクラー県、ナラティワート県、ヤラー県、パッタニー県は「レベル2」「レベル3」に定められています。これらのマレーシア国境に近いエリアでは、分離独立を主張するイスラム武装勢力による襲撃や爆弾事件がたびたび発生しています。これらのエリアに観光で訪れるのは避けましょう。

そのほかのエリアにはこの危険レベルは定められてはいませんが、トラブルに巻き込まれる可能性は十分あるため、注意しておくに越したことはありません。

タイの政情

タイの国旗
タイの国旗

続いてタイの政情に関してです。報道を目にした人も多いかもしれませんが、近年、首都バンコクではたびたび反政府デモや集会が行われており、過去にはデモ隊が暴徒化したこともあります。

日本でもデモが行われることがありますが暴徒化するケースは極めて少ないので、日本にいるのと同じ感覚でむやみにデモに近づいたり野次馬をしたりするのははっきり言って危険です。なかには、爆発物が持ち込まれるケースもあるので、デモが行われる日とエリアが観光ルートと重なっていないかなどを事前に確認しておきましょう。

バンコクのデモを回避する方法
バンコクで起こるデモに関しては在タイ日本大使館のホームページなどからどのあたりで行われるかの情報を知ることができます。

長期滞在者は、在タイ日本大使館在留届を提出、または外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録することによって、緊急時の連絡をメールで受け取ることが可能です。

タイ観光の注意点

大理石寺院と呼ばれるワット・ベーンチャマボピット
大理石寺院と呼ばれるワット・ベーンチャマボピット

続いて、タイに観光で訪れる際の注意すべきポイントを紹介します。

交通トラブル

チャオプラヤー川とワット・アルン
チャオプラヤー川とワット・アルン

タイの中でも、特に首都バンコクは世界でも交通量の多い地域として知られており、実際に交通トラブルもたびたび起こっています。それぞれの乗り物ごとに注意点をまとめました。

タクシー
タイの観光スポットの中には公共機関で行きにくい場所もあり、多くの旅行客も移動手段としてよくタクシーを使います。タクシーを利用する際のトラブルと注意点は以下です。

①メーターが動いているかを確認する
バンコクではメーターを動かさずにタクシーを発車させ、言い値で支払いをさせるようなトラブルも発生しています。タクシーが動き始めたらメーターも動いているか必ず確認しておきましょう。

②行き先を把握しておく
土地勘のない場所では、タクシーで遠回りされても気づかず多めの料金を支払わされるようなこともあります。タクシーに乗ったらGoogle mapなどの地図アプリで小まめに現在地を確認しておくのがおすすめです。

バイクタクシー
日本ではなじみがありませんが、タイではバイクをタクシーとして利用する「バイクタクシー」があります。車と車の間をすり抜けるように走るため渋滞を回避でき、目的地に早く着くというメリットがありますが、車との接触事故が起きることもあり、筆者も何度かヒヤッとする光景を目撃したことがあります。また、運転手が利用者のぶんのヘルメットを用意していることが少なく、ヘルメットなしでの乗車になることも多いです。

旅行などで訪れた際にはできるだけそのほかの交通手段を選ぶことをおすすめしますが、もしバイクタクシーを利用する場合は、必ずヘルメットが用意されているかどうかを確認するようにしましょう。ヘルメットを貸してほしいと伝える場合は、「ミー ヘルメット マイ クラップ?(自分が男性の場合)/カー(女性の場合)?」と聞けば大丈夫です。

トゥクトゥク
トゥクトゥクはタイでよく見かける乗り物で、観光地によく止まっています。タイらしい乗り物なので、旅の思い出に一度は乗ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
トゥクトゥクに乗る際には、乗車前に料金を確認しておく必要があります。観光客を狙って相場よりはるかに高い金額を言われることがあるので注意しましょう。

トラブルを避けるための対策
これらのトラブルを避けるためにタクシー配車アプリを使うというのもおすすめです。アプリで行き先を指定できるので、タイ語や英語が苦手な方でもスムーズに移動ができます。さらに、事前に目的地までの料金もアプリ上でわかるようになっているので、運賃を多く請求される心配もありません。

タイでよく使われる配車アプリは“Grab(グラブ)”で、通常のタクシーはもちろん、ワンボックスタイプ、バイクタクシーなどさまざまな車種の配車も可能です。ほかにもフードデリバリーもアプリ内で依頼できるため、タイ旅行時にはアプリをインストールしておくとよいかもしれません。

Grabの使い方については、こちらの記事もご覧ください。

窃盗

カメラやスマホは盗まれやすいので、特に注意を
カメラやスマホは盗まれやすいので、特に注意を

タイ国内では観光客を狙った窃盗被害も起きています。日本のパスポートは「世界最強」とも言われるほど渡航可能な国が多いことから、偽造目的に狙っている悪い人もいるようです。そのほか、高価なカメラなども旅行の際は持ち歩くことが多いと思いますが、置き忘れてしまうと、日本とは違ってまず手元には戻ってきません。少しでも目を離すとスリに遭う可能性も高くなるので、手荷物からは目を離さない、スマホやパスポートはポケットに入れずにかばんの中にしまうなど、手荷物の管理を徹底するようにしましょう。

まとめ

タイの治安はおおむねよいと言えますが、エリアや時間帯によっては十分注意が必要です。突発的なトラブルを回避するためにも、事前の情報収集がとても重要になります。旅行の計画に合わせ必要な情報収集をして安心安全にタイを楽しみましょう。

パスポート関連のトラブルで役に立つ情報サイト

外務省 渡航時登録サービス
渡航時にこのサービスに登録しておくと、緊急時に外務省から連絡がきます。渡航前に登録しておけば、事前の情報収集にも役立ちます。
在タイ日本国大使館 お知らせ
在タイ日本国大使館のホームページから、デモに関しての情報やどのような事件、事故が起こっているのかなどの情報を知ることができます。
外務省海外安全ホームページ
このサイトでは本記事冒頭の「タイの治安」で紹介した、地域ごとの危険度を知ることができます。


TEXT・PHOTO:バンコク特派員 みかん
監修:地球の歩き方

タイの最新安全情報(外務省)

タイの治安については、外務省が提供する以下の最新安全情報も合わせてご覧ください。

筆者

特派員

みかん

ブロガー。記事ライターとしての経験あり。

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