
タイ旅行で必須!タクシー配車アプリ「Grab(グラブ)」の登録・利用方法
タイ旅行での移動手段には、電車や地下鉄、バスやタクシー、トゥクトゥクなどがありますが、近年急速に普及しているのがタクシー配車アプリのGrab(グラブ)です。行き先や目的地の指定から支払いにいたるまで、すべてをアプリ内で完結できるという優れもの。ドライバーと価格交渉で揉めたり乗車拒否されたりする心配もありません。タイ旅行ではもはや必須アプリともいえる、Grabの登録方法や使い方を詳しくご紹介します。
タクシー配車アプリ「Grab」(グラブ)とは?
Grabは2012年にマレーシアで生まれた配車アプリで、現在はシンガポールを拠点に東南アジア8ヵ国でサービスを展開しています。アプリに目的地を入力して検索すると、周辺にいるドライバーとマッチングし、指定した場所でピックアップしてもらえます。Grabは配車サービス以外にも、フードデリバリーや買い物代行、荷物の配送などあらゆる用途で利用できます。
Grabが便利な4つの理由
最近ではタイ在住者の多くが移動手段としてGrabを利用していますが、このアプリが便利な理由はおもに4つあります。
①ドライバーとの会話が不要
Grabではドライバーと直接言葉を交わす必要がないため、英語やタイ語に不安がある方でも安心して利用できます。日本語対応はなく基本的には英語になりますが、操作性がよいのでさほど心配はいりません。
②料金体系が明瞭
タイでは流しのタクシーに乗ると、「ぼったくり」や「メーターを使わない」などのトラブルに遭うリスクがあります。しかしGrabで配車をすると、乗車前に定額もしくは目安の料金が表示されるので安心です。支払いは現金払いまたはキャッシュレス払い(クレジットカードやGrab専用の電子マネーなど)のどちらかを選択できます。
③ドライバーの質が高い
GrabのドライバーはGrab社の審査を通過しており、名前などの身元も登録されているため、一定のサービスの質が担保されています。
④希望の車種が選べる
Grabでは用途に合わせて希望の車種を選ぶことができます。具体的にどんな車種があるかは後述します。
Grabの登録方法
Grabのアカウント登録は、旅行前に日本で済ませておくと安心です。SMS(ショートメッセージ)を受信できる環境で行ってください。まずはアプリをインストールします。

Facebookアカウント、Googleアカウント、スマホの電話番号(日本の電話番号も可)のいずれかで登録できますが、結局は電話番号によるSMS認証が必要になります。日本の国番号は「+81」、タイの国番号は「+66」を選択し、電話番号は頭の0を省いて入力しましょう。
名前とメールアドレスも入力して「NEXT」をタップすると、SMS で6桁の認証番号が送られてきます。アプリ画面に戻ってコードを入力できたら登録が完了です。
キャッシュレス決済をする場合、クレジットカードの登録は日本国内では不可のため、現地で行う必要があります。「Payment」をタップして、クレジットカードの情報を入力しましょう。

ちなみにクレジットカードの登録がエラーになるケースもあるようで、その場合は一度アプリをアンインストールし、新たにインストールしてから登録を再度試みてください。
Grabの使い方
それでは実際にGrabを使ってみましょう。Grabの利用にはネット接続が必要なので、現地のSIMカードに入れ替えるなど準備をしてください(現地のSIMカードの利用については、以下の記事を参考にしてみてください)。
最初は緊張するかもしれませんが、操作はシンプルです。次の3ステップの順に配車をしていきます。
1. 目的地を設定する
2. 迎えに来てほしい場所を設定する
3. 車種を選ぶ
今回はGrabを利用して、MRT(地下鉄)サナーム・チャイ駅から「カオサン通り」、さらに有名寺院の「ワット・ポー」へ向かってみます。
まずはサナーム・チャイ駅2番出口から、カオサン通りまで。アプリを起動して、「Transport」をタップします。

「Where to?(目的地は?)」と表示されたボックスに、英語で行き先の名称や住所を入力して検索をかけます。

「Khaosan road(カオサンロード)」と検索するとヒットしたので、タップして目的地に設定します。

次に、迎えに来てほしい場所に青ピンを置きます。ピンは指で動かすことができ、現在地周辺の緑のポイントのなかで指定の場所を選びます。
筆者が立っている「サナーム・チャイ駅2番出口」がGPSで自動的に検出されたので、「Confirm Pick-Up」をタップして、ピックアップポイントを確定します。

すると、青丸の現在地と赤丸の目的地が緑のラインで繋がりました。

最後に車種を選びます。Grabではタクシーだけでなく、自家用車やバイクの配車も可能です。さらにそこからSUVや高級車を選べたり、事前予約や運転代行の依頼もできたりします。
- Grab Taxi:メーター制タクシー
- Grab Car:一般人が運転する自家用車
- Just Grab:「タクシー + 自家用車」で早く到着する車両を自動選択
- Grab Bike:バイクタクシー
- Grab Car 6-seater:6人乗りの大型車
- Grab Car Premium:カムリやアコードなどのセダン
- Grab Car Luxe:ベンツやBMWなどの高級車
- Grab SUV:SUV車
- Grab Van:大型バン
- Grab Car for Ladies:女性ドライバー指定
- Grab Assist 車椅子対応車
- Grab pet: ペット向け乗用車
- Advance Booking:事前予約
- Grab Drive Your Car:運転代行
料金はそのときの混雑具合や、ピックアップポイント、利用可能なドライバーの人数などによって変動します。また車種によって料金やピックアップの時間が異なるので、選ぶ前に確認してください。

今回はGrabTaxi(グラブタクシー)を使ってみます。GrabTaxiはメーター制タクシーで、料金はメーターの表示金額+手数料20バーツ(約80円)です。「概算は67〜100バーツ(約260~380円)」とあるように、目的地に到着するまでは料金が確定しません。

目安の料金や待ち時間を確認したら、「Book GrabTaxi」をタップします。

すると、5秒ほどでドライバーとマッチングしました。ドライバーの情報(名前、顔、車種、ナンバー、評価など)が画面に表示されます。

ドライバーの評価は5つ星で、ナンバープレートは「8415」のトヨタ車だと確認できました。4分ほどで到着するとのこと。これで配車は完了です。
ピックアップを待つ間は、GPSで車の現在地を確認することができます。チャットや通話の機能があり、たまにドライバーから「到着しました」「今どこにいますか?」などの連絡がくることもあります。万が一、ドライバーとうまく落ち合えなかったり、ドライバーがこちらに向かってこなかったりする場合は、キャンセルすることも可能です。ただし、何度もキャンセルを行うとキャンセル料を支払わなければならなくなる場合がありますので、極力避けたほうがよいでしょう。

約3分後、「ドライバーが到着しました」というメッセージを受信しました。

周辺を見渡すと、ナンバープレート8415のタクシーを発見! ドライバーに挨拶をして車に乗り込みます。

ドライバーは目的地を把握しているので、なにも伝えなくて大丈夫です。

走行中も常にGPSで現在地を確認することができます。

無事に「カオサン通り」に到着しました。

アプリで支払い料金を確認すると、67バーツでした。トゥクトゥクでの相場は80〜100バーツ(約300~380円)なので、手数料込みでも良心的な価格ではないでしょうか。

筆者はキャッシュレス決済にしていたので、「コップンカー(ありがとう)」とお礼を伝えて下車しました。現金支払いの場合、大きい紙幣を渡すとドライバーがお釣りを持っておらず困る場合があるので、細かい紙幣を用意しておくのがおすすめです。
次に、カオサン通りからワット・ポーに向かいます。目的地に「Wat Pho」と打ち込んで設定します。

今回は「Just grab」(ジャストクラブ)を選びました。Just Grabはタクシーと自家用車の両方を含めてドライバーを探してくれるため、基本的には一番早く車を手配できます。またメータータクシーとは違い、料金は定額です。

すぐにドライバーとマッチングしました。ドライバーの評価は5つ星で、車のナンバープレートは「7996」です。

およそ5分後、ピックアップポイントで無事に合流し、乗車しました。今回はタクシーでしたが、自家用車がくることも多いです。

無事にワット・ポーに到着しました。

料金は、乗車前に確認していた通りの80バーツ(約300円)。ドライバーは1回目、2回目どちらのドライバーも礼儀正しくきちんとした方でした。

降車後は、ドライバーの評価やチップの操作ができます。チップは必ずしも送る必要はありませんが、ドライバーの対応や車内の清潔さなどに問題がなければ、5つ星をつけてあげてくださいね。

Grabを利用する際の留意点
とても便利なGrabですが、利用する前に知っておくべきいくつかの留意点があります。
利便性が高い一方で、Grabの料金は一般的なタクシーより割高です。渋滞が酷いときや雨天にはさらに料金が上がり、ピックアップに長い時間を要する可能性があります。また都心を外れた辺鄙な場所ではGrabの車が周辺にいないこともあるため、その場合は普通のタクシーを選んだ方がいいでしょう。
目的地やピックアップポイントを事前に設定できるのは利点ですが、裏を返すと「ルート変更は難しい」というデメリットにもなります。また、まれにですがドライバーからいきなりキャンセルされるケースもあります。
高速道路を通る場合は、予約時に確認した料金とは別に、料金所での支払いが必要になります(ルートによりますが、だいたい50バーツ~(約200円)程度)。料金所を通るときか、下車するときにまとめてドライバーに支払います。
まとめ
Grabはバンコクのみならず、タイ全土で利用できます。ぼったくりドライバーと揉めていたのも、今は昔。使い方に慣れてしまえばとても便利なアプリで、タイ在住者の多くにとっては生活インフラとして機能し始めています。タイ旅行においてもGrabは間違いなく心強い味方になるでしょう。
また、最近ではBolt(ボルト)という配車アプリも人気になってきています。海外旅行において、今や配車アプリは欠かせない交通手段のひとつです。ぜひこちらの記事を参考に、配車アプリを活用して旅行を楽しんでみてください。
TEXT・PHOTO:バンコク特派員 日向みく
監修:地球の歩き方
※現地の状況は変化する可能性があるため、最新の情報は必ずご自身でご確認ください。
※1バーツ:3.8円で計算しています。
よくある質問
チップは必要ですか?どれくらい支払えばいいですか?
タイではチップ文化がありますが、Grabを利用する場合は必ずしもチップを支払う必要はありません。クレジットカードを登録している場合は、アプリ上で乗車後にチップを支払うことができます(詳細はこちら)。
現地の言語がわかりませんが、ドライバーとのコミュニケーションはどうすればいいですか?
基本的に、Grabを利用する場合はアプリ上で行先の登録や支払いが完結するので会話は発生しないことが多いです。ドライバーに伝えたいことがある場合は、アプリのチャット画面でチャットを送ることができます。この時、英語で文章を送れば自動的に翻訳されてドライバーに送られます。

筆者
タイ特派員
日向みく
バンコク在住ライター。中南米やアフリカ、中東を含む世界43ヵ国を訪れた旅好きです。
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