本場のフランス料理を食べてみよう!フランス料理の頼み方のマナーとコツ

公開日 : 2022年12月02日
最終更新 :

日本では敷居が高く値段も張るイメージのあるフランス料理。現地では庶民的な店から高級店までさまざまです。頼み方や気をつけたいこと、マナーを押さえておけば、フランス旅行の外食がとても楽しく、思い出深いものになりますよ。フランスのレストランの仕組みを知ってもっと旅の食事を楽しみましょう!

どんなタイプのレストランがあるのか

カフェの典型的なテーブルセッティング。 ©iStock
カフェの典型的なテーブルセッティング。 ©iStock

日本でも町なかの食堂から高級料亭まで幅があるように、フランス料理もその内容と価格帯は幅広いです。価格帯が比較的リーズナブルなビストロから、星付きまではいかないけれど少しかしこまった雰囲気のある中級レストラン(1食€40〜80台)、入店時の服装もそれなりに気をつけたい高級レストラン(昼€50〜100以上、夜は€100以上)まで、多様に分かれています。

カフェ、ブラッスリー、ビストロなどにドレスコードはありません。中級レストランも良識ある範囲の格好であれば服装は気にせずに入れます。ただ、中級レストランでもやや高級感のある部類に入ってくると、ジャケットなど少し格好を気にしてみると店の雰囲気と相まって素敵な食事ができます。フランス社会では、やはり見た目(服装)がきちんとしていると、周囲の対応が変わってきます。

高級レストランは、ドレスコードがある場合とない場合があります。もしドレスコードに「ジャケット」「スニーカーNG」などと書かれている場合は、そのドレスコードに沿いましょう。男性の場合はおおかたジャケットに、革靴、女性の場合はきれいめのワンピースなどに、少しフォーマルな靴を合わせておけば大丈夫です。

レストランでの食事の頼み方

注文は前菜、メイン、デザートを基本に、あとは個別にカスタマイズ ©iStock
注文は前菜、メイン、デザートを基本に、あとは個別にカスタマイズ ©iStock

フランスでの食事は前菜、メインディッシュ、デザートの3品が基本です。これを順に食べていきますが、レストランとお腹の調子によっては、前菜とメインだけ、メインとデザートだけ、メインのみという頼み方もできます。高級店になるほど、この形式はお固く、逆に手頃なお店になるほど略式になります。特にランチタイムのブラッスリーやビストロなどでは、メインだけという人も多いです。高級店になると自ら料理を選ばず、「シェフのおまかせ」のみとなっているところもあります。

メニューには大きく分けて「ムニュ(Menu)」と「ア・ラ・カルト(A la carte)」の2種類があります。前菜、メイン、デザートがセットになっているものが「ムニュ」で、あらかじめ決められた料理の中から選びます。一方「ア・ラ・カルト」は好きな料理を好きなだけ選んでいくもの。好きなようにといっても、基本的には前菜、メイン、デザートに沿って選びます。料理名の中には、シェフが独自の名前をつけている料理や、知らない食材もあるかもしれません。そのようなときは気にせずサービス係に聞きましょう。親切に教えてくれるはずです。

来店すると、まず飲み物を聞かれます。特に高級店の場合は、食前酒の注文は確実に取りにきます。必要ない場合は断っても問題ありませんし、もしくは「ミネラルウォーターをください」でもいいです。

注文時には、まず前菜とメインの注文だけを取りに来て、「デザートは後から聞きます」とサービス係に言われることもあるかもしれません。これは食事内容によって、お腹の具合やどのようなデザートを食事のあとに欲するかが変わることもあるため。もちろんデザートまで食べられる自信がない場合は、自分からそう伝えてもいいです。

日本とは異なるレストランでのマナー

サービス係との会話もレストランを楽しむコツ ©iStock
サービス係との会話もレストランを楽しむコツ ©iStock

まず、食事の際に大きな音を立てたり、スープをすすったりしないというのはどこの場所でも共通のマナー。そしてよく日本人がしてしまいがちなのが、「すみません!」と手を上げながら大きめの声で店員さんを呼ぶ行為。これもお店の値段や雰囲気によるものの、できれば近くを店員さんが通った際に「シルヴプレ(お願いします)」と言って気づいてもらったり、目配せして呼んだりする方法がスマートです。

お酒が進んでくると、ついつい大きな声になってしまいます。日本の居酒屋での雰囲気そのままに、お酒を飲んで騒がしくしゃべったり、酔っていることを明らかに態度に出したりするのもマナー違反。お酒の席は無礼講というような考えはフランスにはなく、単に自分を制御できない人間とみなされてしまいます。フランスは仕事の合間のランチでワインを飲むなど、日本以上にお酒が社会に溶け込んでいますが、その反面、お酒に飲まれることに対しては厳しい目を向けられると覚えておきましょう。

食後の会計の仕方について

パリではタッチ決済でのクレジットカード払いが一般的 ©iStock
パリではタッチ決済でのクレジットカード払いが一般的 ©iStock

フランスではテーブル会計が基本です。クレジットカードでの「割り勘」も社会に浸透しているため、誰かが立て替えずとも各人がそれぞれの額をクレジットカードで支払えます。均等に割ることもできますし、「Aさんはお酒を飲んだから€50」「Bさんは飲んでいないから€40」と合計金額さえ合っていれば、それぞれの金額がバラバラでも受け付けてくれます。

サービス料は料金に含まれているので、必ずチップがいるというわけではありません。ただ、いいサービスを受けたときや、中・高級レストランではチップを置いておくのがスマートです。高級店では料金の5〜10%を目安に置いておけばいいですが、お店にとってチップが増えるに越したことはないため、本当に感動したサービスを受けたときはそれより多めに払ってもまったく問題ありません。

基本をある程度つかんだら、あとは何度か場数を踏んで慣れれば、状況に応じてそれをアレンジできるようになっていきます。食事の基本は「楽しむ」ことが前提にありますので、お店の人とコミュニケーションしつつ、パリで楽しい時間を過ごしましょう!

監修:地球の歩き方

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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