パリの地図の読み方と地下鉄・バスの乗り方を徹底解説、これを読めばパリで迷わない!

公開日 : 2022年12月06日
最終更新 :

スマートフォンのGPSや地図アプリの利用で見知らぬ土地での移動も以前と比べるとずいぶん楽になりましたが、それでも地図を読むのが苦手という人は多いはず。じつはパリの住所は、一度ルールを覚えるととてもわかりやすい仕組みになっています。住所の読み方と公共交通機関の見方を解説します。

パリの地図はルールを覚えれば簡単

パリ市の区の分け方 ©iStock
パリ市の区の分け方 ©iStock

パリは1〜20まである「区」がエスカルゴ(かたつむり)のように区分されています。ルーヴル美術館などがある芯の部分を1区、そこから時計回りに2〜7区が順に並び、8区から先は内側にある1〜7区の外側に渦巻きのように続いていきます(ただし2020年4月より1〜4区は統合されて「パリ・サントル」という名前になりました)。

住所もシンプルです。パリにあるピカソ美術館の住所「5 Rue de Thorigny 75003 Paris」を例に取ってみます。これだけ見るとなんだかよくわからないかもしれませんが、規則を覚えると一気に景色が見えてきます。

まず、フランスの住所は日本と書き順が逆。日本は先に大きな住所(市町村など)を書いてから順に細かく書きますが、フランスでは、最も細かな住所(番地など)を先に書いて、少しずつ広げていきます。

シャンゼリゼ大通りの表示 ©iStock
シャンゼリゼ大通りの表示 ©iStock

まず「Paris」とはパリ市のこと。これはシンプルです。次にある数字「75003」は郵便番号です。頭の2桁が市町村を表す番号で「75」はパリ市の番号。ピカソ美術館に限らず、ルーヴル美術館もエッフェル塔もパリ市内にありますから、どこも郵便番号の頭2桁は「75」になります。

次の「003」は区を表しています。ピカソ美術館は3区。だから「パリ市内の3区」で「75003」。1区にあるルーヴル美術館は「75001」、7区にあるエッフェル塔は「75007」となります。

郵便番号の前にあるのが通りの名前です。通りは規模によってフランス語が変わります。大きな通りだと「Avenue(アヴニュ)」とか「Boulevard(ブルヴァール)」、それより小さな道だと「Rue(リュ)」になります。「Rue」は一番よく目にしますね。あとは「Passage(パッサージュ)」などもありますし、広場に面していると「Place(プラス)」などになることもあります。

ピカソ美術館の場合「5 Rue de Thorigny」ですから、「Thorigny(トリニ)」という名前がついている通りの5番地ということ。番地は、通りを挟んで片側が奇数、そのもう片側が偶数です。そのため5番地の隣の建物は3番か7番になります。4番や6番は通りを挟んだ向かい側です。

扉の入口に番号が大きく書かれているのでわかりやすい ©iStock
扉の入口に番号が大きく書かれているのでわかりやすい ©iStock

もし同じ番地に入口が複数ある場合、ふたつ目を「bis」、3つ目を「ter」と表示します。例えば「5 Bis」など。

建物内の階の表示も日本と異なっています。日本は階段を使わない地上にある階を「1階」としますが、フランスでは0階として「Rez-de-Chaussé(レ・ド・ショセ)」と呼びます。日本でいう2階が「1階」でそこから順に数が増えていきます。

地下鉄やバスの路線図および乗るときの注意

パリの地下鉄駅の様子 ©iStock
パリの地下鉄駅の様子 ©iStock

住所が読めるようになったら、目的地まで地下鉄やバスを使って行ってみましょう。パリは地下鉄もバスも路線が入り組んでいますので、経路案内のアプリなどを使わない限り、とにかく最初は路線図とのにらめっこだと思います。

地下鉄でもバスでも注意したいのが「向かう方向」です。方向を間違えてしまうと、目的地と逆の方へ進んでしまいます。経路案内のアプリを使って駅のホームまで来ても、誤って逆方向に乗ってしまったということがないように、進行方向は必ず確認しましょう。

多くの場合では、終点が表示されていますので、使う路線の一番端にある(もしくは終点となりやすい)駅や停留所を覚えておくとミスを防げます。例えば、パリ市庁舎があるオテル・ド・ヴィル駅からルーヴル美術館のあるパレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル駅まで地下鉄1号線で向かうとします。

パリの地下鉄路線図 ©iStock
パリの地下鉄路線図 ©iStock

東西を貫く1号線で、パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル駅はオテル・ド・ヴィル駅から見て西方面です。そのため西の終点である「ラ・デファンス」方面の列車に乗ります。東の終点「シャトー・ド・ヴァンセンヌ」行きに乗ると、どんどん遠ざかってしまいます。混乱しないように気をつけましょう。

列車は車道と同じで、複線の進行方向に向かって右側を走ります。路線によっては昔ながらのレバー式でドアを開閉するタイプの扉もありますので、到着時に列車の扉が開かない場合は、レバーを押し上げて外へ出ましょう。列車内での居眠りは厳禁です。スリの格好のターゲットになります。お酒を飲んで帰るときなどは特に注意が必要です。

パリ市内を運行する路線バス
パリ市内を運行する路線バス

地下鉄は行き先にその路線の終点が表示されていますが、バスはその路線の終点まで行かず、途中までの運行の場合でも、その停留所名が表示されていることもあります。バス停にある路線図で確認したり、心配であれば乗車時に運転手さんに聞いたりしましょう。

簡単なフランス語で「ス ビュス ヴァ オ パレ・ロワイヤル?(Ce bus va au Palais Royal?)」や、言いづらいようなら行き先だけ「パレ・ロワイヤル?」と聞いてもいいですし、パリは観光都市ですので英語でもいいです。本記事を参考に、ボン・クラージュ!(頑張ってください!)。

TEXT・PHOTO:地球の歩き方特派員 守隨 亨延

筆者

地球の歩き方書籍編集部

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