【イタリア】フィレンツェの公現祭の一日

公開日 : 2023年01月07日
最終更新 :
筆者 : 白崎和恵

1月6日は公現祭(イタリア語でEpifania エピファニア)というカトリック・キリスト教の祭日です。東方から来た三人の王・賢者が、嬰児キリストを訪ねて礼拝にやって来ます。そして、Befana(ベファーナ)という魔女がやって来て、良い子にはお菓子を、悪い子には炭を靴下に入れるという伝説のあるお祭りでもあります。
伝承では、ベファーナは長い鼻ととがったあごを持った老婆の姿。ほうきで遠くまで移動し、すべての子供たちに贈り物をします。1 月 5 日から 6 日の夜、おもちゃ、チョコレートやキャンディー (その底には常に大量の灰と石炭が入っている) でいっぱいの袋を背負って、ベファーナは屋根の上を飛び、 煙突を降りて、子供たちがぶら下げた靴下をお菓子または炭でいっぱいにします。
ベファーナは、三賢者が旅の途中で訪れた宿の老婆をキリストに会いに行く旅に誘いますが、断ってしまい、行かなかったことを後悔したこの老婆が贈り物を持ってキリストを探してさまよっているという伝説があるのです。嬰児キリストに会いに行くのと子どもにお菓子を持ってくるという民間行事がくっついたというわけで、公現祭とベファーナのこの2つのお話はつながっているんですね。
皆、祝日もお祭りも大好きなので、宗教的・民俗文化的お祭りを利用して、フィレンツェではさまざまなイベントが開催されました。
一日中、私は童心に返ったつもりでイベント・お祭りを渡り歩き、楽しみました。街はお祭りを楽しむ地元の人々と観光客でいっぱい。
そんな公現祭の一日をレポートします。

1)蒸気機関車
この日を記念して、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から蒸気機関車が出発。特別列車でフィレンツェとサン・ピエロ・ア・シエーヴェ駅までの間を走行します。私は幸運なことに鉄道線路が見える場所が家の近所だったので、そこまで行って見てきました。

煙を上げて走る蒸気機関車
煙を上げて走る蒸気機関車

2)スタジアムの特別マーケット
フィレンツェのサッカーチーム、フィオレンティーナのアルテミオ・フランキスタジアムの前が1日特別にお祭りマーケットに。さまざまな露店の出店があり、美味しそうな豚の丸焼きやお祭りのお菓子、衣料品や雑貨などでにぎわっていました。マーケットの一角で慈善団体への寄付をしたら、くじを引いてベファーナがくれるお菓子袋が当たりました。落花生や飴の他に炭を模した炭キャンディーも入っています。

ポルケッタ(豚の丸焼き)もお祭りにはかかせません
ポルケッタ(豚の丸焼き)もお祭りにはかかせません
ドライフルーツのブース。ベファーナの靴下を飾っていますね
ドライフルーツのブース。ベファーナの靴下を飾っていますね
慈善団体の寄付で引いたくじの景品はベファーナのお菓子袋。炭キャンディーも入ってます(笑)
慈善団体の寄付で引いたくじの景品はベファーナのお菓子袋。炭キャンディーも入ってます(笑)

3)サンタ・マリア・ノヴェッラ広場のクラッシックカーイベント
さまざまなクラッシックカーがサンタ・マリア・ノヴェッラ広場に集結。ベファーナのお祭りに合わせてコンテストも行われていました。
ヴィンテージでかっこいいクラッシックカーと一緒に写真を撮る人たちでいっぱい。

クラッシックカーが集結したサンタ・マリア・ノヴェッラ広場
クラッシックカーが集結したサンタ・マリア・ノヴェッラ広場

4)シニョリーア広場の空飛ぶベファーナのイベント
シニョリーア広場のランツィのロッジア(開廊)では15時にロッジアの上から、お菓子袋とほうきを持ってベファーナ姿に扮装した消防員達がロープで降りて、クラッカーで紙吹雪、イタリアカラーの色煙でお祝いしました。広場には子ども連れの家族でいっぱい。ベファーナ!と呼ぶ子どもたちがかわいらしくて微笑ましくなりました。

中央の消防員はベファーナに扮装しています。ほうきを持って…クラッカーの紙吹雪が舞います。
中央の消防員はベファーナに扮装しています。ほうきを持って…クラッカーの紙吹雪が舞います。

筆者

イタリア特派員

白崎和恵

名古屋出身。フィレンツェ公認観光ガイド。芸術・歴史文化・グルメ情報、旅行や長期滞在のヒントになるような話題をお届けしていきます。

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