【岡山】神代の時代から伝わる「石上布都魂(いそのかみふつみたま)神社 ~赤磐市旧吉井町~
こんにちは。岡山特派員のmamiです。
赤磐市の旧吉井町地区には、石上布都魂(いそのかみふつみたま)という神社があります。
古事記や日本書紀などに登場する素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祭神として祀っています。
素盞嗚尊は八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した時に使った神剣、蛇之麁正(おろちのあらまさ)をここから数㌔程離れた滝で血を洗い流し、その後この神社に奉納したと伝わっています。記紀に記されるような有名な神剣が奉納されたのがなぜ、こんな山奥だったのか?
また、その神剣が崇神天皇の時代に奈良の石上(いそのかみ)神宮に移され祀られていると知り、いくつかの疑問を感じながらも訪れてみました。
麓の神木に囲まれた鳥居を抜け、山道を上り参道の階段を更に上ると、山の中腹にある社殿にたどりつきました。ここが、石上布都魂(いそのかみふつみたま)神社です。見た感じでは比較的新しく神代の昔からある建物感はありません。 社名の「布都魂(ふつみたま)」とは神剣を意味するそうです。
素盞嗚尊は出雲の神さまです。なぜ、出雲で大蛇退治をした剣を遠く離れた吉備国で洗い、吉備の神社に奉納したのか?神話の世界では、時空を超えて話が進むことがありますが、神話にまつわる神社が目の前にあると、ちょっと現実離れ感が強くなります。
参拝していると「ようこそ。お茶を飲んでいかれませんか?」と声をかけられ、お邪魔すると神社の前代の宮司さまもいらっしゃり、神社について、いろいろ興味深いことをを教えていただきました。
宮司さまからは、古代より信仰の拠りどころとなった磐座(いわくら)をぜひ見てくださいと薦められました。磐座は社殿などが建てられる以前の原始的な祭祀の場所だそうです。
つづら折りの狭く急な山道を登ると鬱蒼とした森の中に、時折眺めの良い場所があります。拝殿から歩いて15分ほどと聞きましたが思った以上に息が上がります。ちょっとしたハイキングです。
鳥居が見えてきました。元々はこの奥に社殿があったそうですが、残念なことに明治時代の火事で焼け落ちてしまい現在の位置に社殿を移されたそうです。だから現在の社殿から古代の息吹を感じることができなかったわけですね。
鳥居をくぐり更に登ると、本宮が見えてきました。ご神体でもある磐座(いわくら)はどれだろうと見渡していたら、本宮の背後全体に鎮座した目の前の巨大な岩がそれでした。
結界が張られ、禁足地となって畏敬されています。足を踏み入れることができないので磐座の全体像がつかめませんが山頂いっぱいに広がっているのでしょうか?ここは、古代の信仰を伝えるだけの遺跡ではなく、神話の時代から今に至るまで脈々と祈りが継承されている場所と見受けられます。
こんな場所なので、近年ではパワースポットとして若い人からの人気が高まっていて、地元誌にも度々とりあげられています。
宮司さまのお話では、江戸時代、岡山藩主、池田綱政公が拝殿、幣殿、神楽殿などの建物が創建され、姓も「物部」への復姓を許されたと教えてくださいました。当時の伽藍配置の案内板もありました。
今は素朴な神社ですが、式内社(「延喜式神名帳」に朝廷から官社として認識されていた神社)であり、歴史の長さは神話の世界から続く神社でした。
- 住所
- 〒701-2445 岡山県赤磐市石上1448
- 電話番号
- 0867-24-2179(石上布都魂神社)
- 交通アクセス(車)
- 山陽自動車道山陽ICよりから約30分
- 駐車場
- 20台
筆者
岡山特派員
mami
岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。