山梨特派員ローマへ行く~2022年秋〈その4〉ピンポイントスポット

公開日 : 2022年11月05日
最終更新 :
筆者 : 水月

ボンジョルノ~北杜・山梨特派員の水月です。
「山梨特派員ローマへ行く~2022年秋」シリーズ4回目は「ピンポイントスポット」です。
旅行前に「ぜひここは行きたい!」というスポットを、みなさん下調べするとは思いますが、そのなかでも見逃しがちなピンポイントスポットを紹介します。

サン・ピエトロ広場~ベルニーニの丸い石

こちらは、ヴァチカン市国の「サン・ピエトロ広場」です。バラックの巨匠ベルニーニが設計した長径240mの楕円形の広場で、周囲の回廊には左右に284本の柱が並んでいます。
「サン・ピエトロ大聖堂」を飾る、約30万人を収容できる広場です。

回廊の上には、140体もの像が。歴代の法王と聖人だそうです。
さて。横から見ると4本ずつ並ぶこの柱が、きれいに1本に重なって見える場所があります。

ここです。広場の左右にひとつずつ、石畳に埋め込まれた丸い石があります。ここに立ったときだけ、4本ある柱がまるで1本になったかのように見えるんです。

お~、美しい。そして、楕円形の広場がより広く大きくなったように感じられます。ベルニーニのアイディアです。景観に深みを与えるための設計として考案し、構想を練り、実現させたベルニーニ。ほんとうに素晴らしいですね。

サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会~天使を見上げて

こちらは、クイリナーレの丘にほど近い「サンタンドレア・アル・クイリナーレ教会」です。
「サン・ピエトロ広場」を設計したベルニーニによって建てられました。
異色の設計と言われるのは、狭い土地に建てられ、奥行きより幅の方が長いほかには見られない形の教会になっているからです。

扉を開けると主祭壇が迫るように目に入ってきます。その上の聖アンドレア像が、雲に乗り天を仰ぎ、薔薇色の大理石で造られた4本の円柱。祭壇画「聖アンドレアの殉教」と天使たちを光り輝かせる祭壇上の明かり。クーポラの中心からは聖アンドレア像をも照らす光が注がれています。
限られた場所で、色と光を最大限に活かし創られたこの教会は、ベルニーニ自ら「代表作」だと言っていたそうです。

真上、クーポラを見上げると、可愛らしい天使たちがこちらを見下ろしています。アントニオ・ラッジの作品だそうですが、ベルニーニのこだわりが、ここにも見えていました。

マルタ騎士団の館~鍵穴をのぞく

こちらは、アヴェンティーノの丘にある「マルタ騎士団の館」です。
「マルタ騎士団」は、十字軍遠征の際、負傷者を看護するために組織された修道会で、上の写真の建物は、その総長の館だったそうです。
このグリーンの扉の鍵穴をのぞこうと、人々が集まっていました。

(写真提供:YasuoMaeda)
なんと「サン・ピエトロ大聖堂」のクーポラが、鍵穴にばっちり収まって見えるんです。これは、のぞきたくなりますよね~もちろん、のぞいてみましたよ。緑の額に収まった白いクーポラ。美しかった!

いかがですか。
小さなスポットにしっかりと目を向けて歩くと、旅も味わい深くなりますね。

☆「山梨特派員ローマへ行く~2022秋」シリーズバックナンバーはこちら

第1回 「旅の始めに」

第2回 「市場を楽しむ」

第3回 「バスの乗り方」

筆者

山梨特派員

水月

2000年に山梨県北巨摩郡明野村(現 北杜市明野町)に移住。田舎暮らしを始めました。3人の子育て経験や女性ならではの視点、食いしん坊の資質を生かして、山梨の魅力を発信していきたいと思っています。

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