地図で辿るマンハッタン。定番スポットから現地特派員おすすめの隠れスポットまで

公開日 : 2023年02月01日
最終更新 :

ニューヨーク市マンハッタンには多くの観光スポットがありますが、短い滞在期間の観光旅行では、効率よく人気のスポットを見たいものですよね。現在ニューヨークで旅行客に人気が高いスポットは、地上9mの高さを歩く空中公園「ハイライン」と最新流行のグルメが揃う「チェルシー・マーケット」。この人気スポットを組み込んだ観光プラン、名づけて「ニューヨーク空中散歩コース」を、わかりやすく地図で説明しながら、ニューヨーク在住日本人がご案内します。

ニューヨーク空中散歩コースに出かけよう

地下鉄7ライン「34丁目 ハドソン・ヤード駅」
地下鉄7ライン「34丁目 ハドソン・ヤード駅」

「ニューヨーク空中散歩コース」とは、人気のハイラインを34丁目の「ハドソンヤーズ」からスタートしてマンハッタン最西部10番街と11番街の間を歩き、15丁目の9番街と10番街にある「チェルシー・マーケット」まで約20ブロック、距離にして約1.7km(1.1マイル)、徒歩で25-30分程度です。

ハドソンヤーズからスタート 

ハドソンヤーズは、元々はMTA(ニューヨーク州都市交通局)の地下鉄車両置き場だった場所を再開発したもので、250億ドル(約3兆6184億円)を投じた、ロックフェラー・センター以来マンハッタン過去最大の都市再開発プロジェクト。マンハッタンの10番街から12番街の間、30丁目から34丁目にかけて位置する28エーカー(約0.11平方km)という開発敷地には、5棟のオフィスビル、ショッピングモールや飲食店の商業施設、高層分譲および賃貸住宅、高級ホテルほか、旅行客が楽しめる観光施設が充実しています。

それでは、ハドソンヤーズにある空中散歩コースにふさわしい、スリリングな観光ポイントを3ヵ所ご紹介します。

1. アメリカで最も高所にあるスカイデッキ「エッジ」

エッジからマンハッタンの絶景を楽しむ旅行客
エッジからマンハッタンの絶景を楽しむ旅行客

超高層ビル「30 Hudson Yards」の100階にあるスカイデッキ「エッジ」。360度パノラマの空中24mに突き出たスカイデッキからは、エンパイア・ステート・ビルをはじめとする摩天楼、セントラルパーク、自由の女神が見渡せます。

高層ビルから突き出た展望台 エッジ
高層ビルから突き出た展望台 エッジ
ひとり用の展望スペースから、マンハッタンの夜景をひとり占め
©The Related Companies ひとり用の展望スペースから、マンハッタンの夜景をひとり占め

「エッジ」とは先端や刃など尖ったものを意味しており、スカイデッキの先端は鋭角に尖った東側展望エリア。マンハッタンの眺めをひとり占めできる展望スペースです。

エッジには夜景を楽しみながらシャンパンをいただけるシャンパン・バーや、どれだけ高い所にいるかを確認できるガラス製の床などがあり、ほかの展望台とは違ったユニークな体験ができます。

2. 超高層ビルの外壁をよじ登ってニューヨークを一望する「シティ・クライム」

ハーネスを着用して超高層ビルの外階段をよじ登るスリルにドキドキ
©The Related Companies ハーネスを着用して超高層ビルの外階段をよじ登るスリルにドキドキ

高所が大好きという方におすすめしたいのが、高層ビルの階段を征服する「シティ・クライム」。45度の傾斜がついた階段で、地上 365m(1200 フィート)を超える超高層ビルの外壁をよじ登り、ニューヨーク市を一望する空中体験。

階段を登り終えたら、摩天楼を背景に写真撮影(個人のカメラは持ち込み不可)
©The Related Companies 階段を登り終えたら、摩天楼を背景に写真撮影(個人のカメラは持ち込み不可)

命綱付きではあるものの、スリル満点で思わず足がすくんでしまいそう。高所恐怖症の筆者は写真を見ただけで遠慮したい気持ちですが、ニューヨークで特別な体験をしてみたい!という方はぜひチェックしてみてください。

シティ・クライム(英語名:City Climb)

住所
30 Hudson Yards, New York, NY 10001
営業時間
10:00 - 20:00 無休
料金
185ドル(約2万7000円)
年齢条件
13歳以上(18歳未満は大人の付き添いが必要)、身長150-200㎝、体重140kgまで

3. 蜂の巣型の階段オブジェ「ヴェッセル」

ハドソンヤーズにある蜂の巣型のオブジェ ヴェッセル
ハドソンヤーズにある蜂の巣型のオブジェ ヴェッセル
階段は上がれないが一般公開中(2023年2月時点)
階段は上がれないが一般公開中(2023年2月時点)

ハドソンヤーズがオープンした当時に一番人気だった、蜂の巣型のオブジェ「ヴェッセル」。
ロンドン出身のトーマス・ヘザウィックによるデザインで、15階建ての相互接続された154の階段 (総段数は約2500、踊り場は80) で構成された、上れる体験型オブジェです。

ところが安全柵が設けられていなかったため、事故が相次ぎ、2023年2月は閉鎖中。階段を上ることはできませんが、下から眺めることは可能です。

ニューヨークで一番人気の観光スポット「ハイライン」 

自然と街がよい具合に融合 
自然と街がよい具合に融合 

「ハイライン」とは、マンハッタンの最西部、ガンズヴォート・ストリートから34丁目のハドソンヤーズをつなぐ、全長約2.3㎞のアメリカ初の空中公園。

廃線になった高架鉄道跡に建設された空中公園には、心やすらぐ自然が融合しており、大都会の摩天楼やハドソン・リバーのウォーターフロントを眺められ、遠くに自由の女神を望むことができます。無料でニューヨークの魅力を満喫できる公園として、観光客に絶大な人気を誇っています。

観光客の人気スポット。渋谷のスクランブル交差点を彷彿とさせる混み具合
観光客の人気スポット。渋谷のスクランブル交差点を彷彿とさせる混み具合
案内板で降り口やトイレを確認しておきましょう
案内板で降り口やトイレを確認しておきましょう

ハイラインはニューヨーク市が管轄しており、15万本以上の植物や樹木、彫刻や壁画などのパブリック・アート、デザインを体験できるハイブリッドな公共スペースとして2009年にオープン。観光客に大人気のハイラインの見所をご紹介します。

1. 大都会と自然の融合

造園デザイナーが意図的に配置している植物
造園デザイナーが意図的に配置している植物

ハイラインの歩道には15万本以上の植物や樹木が植えられ、季節ごとに異なる自然に寄り添うと心が休まります。

2. ニューヨークならではの撮影ポイントがたくさんある

12番街34丁目のハドソンヤーズ入り口付近 ハドソンヤーズ内の高層ビル群、中央にヴェッセル、その後方にエンパイア・ステート・ビルが見える
12番街34丁目のハドソンヤーズ入り口付近 ハドソンヤーズ内の高層ビル群、中央にヴェッセル、その後方にエンパイア・ステート・ビルが見える

ハイラインは地上9mにある遊歩道なので、目線が高く、絶好の自撮りやインスタ映えスポットがたくさん。ニューヨークらしいダイナミックな摩天楼都市も体感できますよ。

3. 立ち止まってニューヨークの街を眺められる

10 番街17丁目(17th St. 10th Ave.)の展望台
10 番街17丁目(17th St. 10th Ave.)の展望台

まるで劇場のような階段の先にはストリートに面した窓があり、ニューヨークの眺めを楽しむことができます。街中ではせかせかしたニューヨーカーにつられて、つい先を急いでしまうものですが、落ち着いて腰を下ろし、エネルギッシュな街を堪能しましょう。ニューヨークの街こそ、ドラマに満ちた劇場なのです。

4. アートの街 ニューヨークを感じるオブジェが見られる

自由の女神(写真奥)とハイラインの自由の女神オブジェ(写真手前、期間限定展示)がシンクロ
自由の女神(写真奥)とハイラインの自由の女神オブジェ(写真手前、期間限定展示)がシンクロ

ハイラインからは、野外のパブリック・アートを見ることができます。パブリック・アートは期間限定で展示されるため、訪れるたびに新しいアートに出合えますよ。

作品名:君は僕を知っている(英語名:You know who I am)

作者
パオラ・ピヴィ(英語名:Paola Pivi)
展示期間
2022年4月〜2023年3月予定
展示場所
16丁目

おまけ 公共トイレもあります(無料)

ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)とワシントン・ストリートの間 トイレ
ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)とワシントン・ストリートの間 トイレ

全長2.3㎞のハイラインは徒歩で約30分程度ですが、トイレの場所を覚えておくと安心ですよね。無料で利用できる公共トイレは3ヵ所あります。筆者は、ガンズヴォート・ストリートとワシントン・ストリートの間にあるトイレを利用しましたが、思ったよりきれいでした。人の出入りがあるのを確認して、同行者に待ってもらい利用しましょう。早朝・夜間やひと気がない場合は利用しないこと。

ハイライン トイレ情報

ガンズヴォート・ストリート(Gansevoort Street)とワシントン・ストリートの間
エレベーター、階段、トイレ

16丁目
階段、トイレ

30丁目南東
階段、トイレ

※2023年2月現在、30丁目南東のトイレは一時的に使用不可となっています。
 詳細はビジター情報をご覧ください。

ハイラインはマンハッタンの最西部にあり、エリア的にあまり治安はよくないので、早朝・夜間の暗い時間帯は利用をおすすめしません。旅行客で賑わう、日中に訪れるようにしましょう。

水上公園「リトル・アイランド」

ハドソン・リバー・パーク内のピア55に位置する、2021年5月にオープンした水上公園「リトル・アイランド」
ハドソン・リバー・パーク内のピア55に位置する、2021年5月にオープンした水上公園「リトル・アイランド」

もし、まだ体力が残っているようでしたら、もう1ヵ所足を延ばしてみませんか。
ハイラインからも眺められ、チェルシー・マーケットにも近い「リトル・アイランド」は、ハドソン・リバー・パーク内のピア55に位置する水上公園で、2021年5月にオープンしました。

丘を登っていくと、ワン・ワールド・トレード・センターが望める
丘を登っていくと、ワン・ワールド・トレード・センターが望める

水上(ハドソン・リバー)に浮く公園は、草花があふれ、のんびりした雰囲気。筆者が訪れた時、野外ステージではモダンダンスのパフォーマンスが行われ、無料で見ることができました。軽食のフードトラックがあり、芝生で日なたぼっこもできるので、晴れた日におすすめの公園です。

リトル・アイランド(英語名:Little Island)

住所
Pier 55 in Hudson River Park West, 13th Street, New York, NY 10014
入場料
無料
営業時間
9月 5日 ~11月13日  6:00 - 23:00
11月14 日~3月12日 6:00 - 21:00
3月 13 日~9月 4日 6:00 - 24:00
公式サイト
https://littleisland.org/

ニューヨークのグルメとおみやげ調達なら「チェルシー・マーケット」へ

旅行客に大人気のチェルシー・マーケット。最新ニューヨークのグルメが食べられ、おみやげ調達もできる
旅行客に大人気のチェルシー・マーケット。最新ニューヨークのグルメが食べられ、おみやげ調達もできる
おしゃれなイタリアン・レストランでパスタを召し上がれ
おしゃれなイタリアン・レストランでパスタを召し上がれ
「ロブスタープレイス」では、新鮮なロブスターのほか、寿司や新鮮なシーフードが食べられる。ニューヨークで寿司を楽しむのも一興
「ロブスタープレイス」では、新鮮なロブスターのほか、寿司や新鮮なシーフードが食べられる。ニューヨークで寿司を楽しむのも一興

おすすめ観光コースのゴール地点は「チェルシー・マーケット」です。歩き疲れてお腹もすいたら、おいしいものが食べたいですね。

飲食店だけで40店舗以上、アメリカ、メキシコ、ドイツ、イタリア、フランス、中国、インド、タイ、韓国、日本など各国の味が揃い、軽食からデザートまで、お好きなものが選べます。各店舗ともおしゃれで活気にあふれ、店前には常に食いしん坊達が長い列を作っています。ワクワクする雰囲気に、思わずあれもこれもと食べたくなりますよ。

目移りする焼き菓子が並ぶ「サラベス・ベーカリー」。工場が併設されているので、できたてが食べられる
目移りする焼き菓子が並ぶ「サラベス・ベーカリー」。工場が併設されているので、できたてが食べられる
「ファット・ウィッチ(Fat Witch)」では、パケ買いしたくなるニューヨークみやげが購入可能
「ファット・ウィッチ(Fat Witch)」では、パケ買いしたくなるニューヨークみやげが購入可能

チェルシー・マーケット内の出店舗は変化していますので、「以前行ったことがあるから」と思わずに、足を運んでみましょう。筆者も「観光客向けで、代わり映えしないかも」と足を向けていない間に魅力的な飲食店が増えていました。

店内は案内サインにより店舗情報がわかりやすくなり、腰を下ろせるフリースペースが増え、案内係のスタッフが常駐して、観光客が利用しやすくなっていました。

今回ご紹介した「ニューヨーク空中散歩コース」はマンハッタンの最西部になります。ギャラリーやカフェも多い小洒落たエリアですが、ひと気がなくなる場所やホームレスが多い場所もあるので、早朝や夜間はウロウロしないこと。マンハッタンの端(川沿い)は総じてひと気が少なくなり、川岸はプロジェクト(低所得層の公営団地)が多いですが、観光客が多い時間帯に行動していれば安全です。ぜひ、「ニューヨーク空中散歩コース」を満喫してみてくださいね。

TEXT:ニューヨーク特派員 青山 沙羅
PHOTO: Hideyuki Tatebayashi *Do not use images without permission.
監修:地球の歩き方

※価格や内容に変動の可能性がありますので、お出かけの際は事前に各公式サイトでご確認ください。
※記事内の料金は、1ドル:約145円を参考に計算しています。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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