日本最北の離島、利尻礼文でしたいこと10

公開日 : 2023年03月06日
最終更新 :

日本最北の離島として知られる利尻島と礼文島。稚内からフェリーで2時間弱、もしくは丘珠空港発着の飛行機で利尻空港に入るという、決して訪れやすい島ではありませんが(夏季は新千歳空港からも飛行機あり)、長旅を乗り越えて辿り着いた島には想像を超える絶景が待っています。今回は、そんな利尻島と礼文島でできるおすすめの体験をご紹介します。

日本最北の百名山、利尻山に登る

円錐形の美しい独立峰、利尻山
円錐形の美しい独立峰、利尻山

周囲60kmの円形の島、利尻島。その中央にそびえるのが、標高1721mの利尻山です。周囲を海に囲まれた小さな島に立ちあがる姿は幽玄なまでの美しさ。日本百名山に登録されており、登山家たちの憧れとなっています。
標高自体は1721mで、そう高くなさそうに感じますが、登山口の標高は220m。高低差1500m、往復15kmの日帰り登山となるので、かなりハードな行程です。利尻山登山に臨む前に登山経験を積んでおいたほうがいいでしょう。
登山シーズンは6~9月で。早朝、できれば5時までには登山を開始します。5合目からは森林限界を超え、眼下に絶景も広がるころ。ただし道幅も狭くなるので足元に注意しながら進みましょう。8合目以降はかなりきついはず。エネルギー切れにならないよう栄養と水分を補給しながら進みます。頂上到着はお昼頃。下山も長いので余力を残しておくことが肝心です。全行程11時間と長丁場ですが、それだけに達成感はひとしおです。上級者レベルの登山なので、装備はしっかりと。登山届けを出す、行程を確認するなど、万全の体制で臨みましょう。

高山植物のお花畑を歩く絶景トレッキング

まっ青な海が眩しいゴロタ岬のハイキング
まっ青な海が眩しいゴロタ岬のハイキング

利尻山ほどハードな登山はちょっと…という方には礼文島のトレッキングコースがおすすめです。礼文島は海抜0mから高山植物が咲き乱れ、ベストシーズンの6月には島を彩る可憐な花々を見に、多くの観光客が訪れます。いくつかトレッキングコースがありますが、最も人気が高いのは「桃岩展望台コース」。尾根に沿って作られた遊歩道を歩くと両脇にはたくさんの高山植物が。眼下には青い海が広がり、その先に利尻富士の勇姿も望めます。
北部のゴロタ岬ハイキングもおすすめです。こちらは島の西海岸を歩く絶景ルート。礼文島の西側は急峻な断崖が連なり道路が通じていないため、この絶景は自力で歩いた者だけのご褒美。大きく弧を描く湾に満たされたどこまでも澄んだ青い海…。その先端は島最北端のスコトン岬です。飛びきりの絶景に出合えるおすすめコースです。

利尻島を自転車で1周する

サイクリング専用の道路が用意されている部分もあり快適
サイクリング専用の道路が用意されている部分もあり快適

利尻島は島の外周が道路となっていて1周することができます。車ならば1時間30分もあれば1周できてしまいますが、ここはぜひ自転車で1周してみてはいかがでしょうか。行程は60km、所要7時間が目安です。
スタートは鴛泊フェリーターミナル前。時計回りでも反時計回りでもいいのですが、鴛泊の東側にややアップダウンがあり、サイクリングの後半に高低差が大きいと心が折れるので、時計回りがオススメ。島の見どころはこの外周ルート沿いに点在しているので、立ち寄りながらサイクリングを楽しみましょう。注意点は、飲食店が非常に少ないこと。うまく飲食店のランチタイムに合えばいいのですが、食べ損ねに備えてコンビニで食糧を仕入れて出発しましょう。

絶品海鮮を食べる

濃厚でとろけるウニはぜひ一度は味わいたい
濃厚でとろけるウニはぜひ一度は味わいたい

周囲を海に囲まれた利尻島、礼文島は海鮮の宝庫。ニシン、ホッケ、ホタテ…、どれも驚くほどのおいしさです。なかでも旅人に人気なのはウニ。シーズンは夏でその時期になると飲食店にウニ丼が並びます。利尻礼文で味わえるのは、エゾバフンウニとキタムラサキウニ。エゾバフンウニが濃厚で、キタムラサキウニがややあっさりしていますが、どちらが好みかは意見が分かれるところ。6~8月ならば食べ比べができるかもしれません。
とはいえ、ここのところ不漁が続き、ウニの値段はかなり高騰しています。2022年はウニ丼一杯の価格が7000円にまで高騰した日もあったとか。オーダーする前に必ず値段をチェックしてくださいね。

最果ての温泉に入る

礼文島の香深にある「礼文島温泉 うすゆきの湯」
礼文島の香深にある「礼文島温泉 うすゆきの湯」

利尻島、礼文島、どちらも温泉があります。利尻島の鴛泊にある「利尻富士温泉」は、利尻山の登山口から近く、登山後に汗を流せるのが魅力。疲れ切った体に温泉が染み渡ります。この利尻富士温泉のお湯を運んで大浴場で使用している宿泊施設も多く、ホテルで温泉が楽しめるかもしれません。
沓形のホテル利尻に併設している「利尻ふれあい温泉」は島唯一の源泉掛け流し温泉。炭酸水素含有量は国内トップクラスで、茶褐色の濃厚な湯は体を芯から温めてくれ肌もつるつるに。温泉マニアも絶賛する名湯は日帰りでの利用も可能です。

礼文島には「礼文島温泉 うすゆきの湯」があり、こちらも源泉掛け流しの天然温泉。広々とした大浴場と湯上がり後の休憩スペースがあり、島民にも旅人にも愛されています。そしてこちらのもうひとつの自慢が、その眺望。浴場からは海の向こうに利尻山が望め、この眺望は礼文島ならではの特権だ、ということです。

島の湧水で喉を潤す

麗峰湧水。ミネラル豊富な水は口当たりすっきり
麗峰湧水。ミネラル豊富な水は口当たりすっきり

利尻島は水がおいしいことでも知られています。利尻山で長い年月をかけて濾過されたミネラルたっぷりの湧水が麓から湧き、現在3カ所で無料で汲むことができます。アクセスが良いのは仙法志にある麗峰湧水。蛇口が整備されており、島の人々も水を汲みにやってきます。サイクリングの途中、ここで水を汲んで喉を潤すのがおすすめ。また、利尻山登山口にも甘露泉水と呼ばれる湧き水があり、登山前に水を汲むことができます。

利尻昆布を手に入れる

早朝行われる昆布漁
早朝行われる昆布漁

上品なだしが取れることから、京都の料亭でも愛用される利尻昆布。実は宗谷周辺に生息する昆布の総称で、島で取れたもの以外も利尻昆布と呼ばれるのですが、利尻・礼文で取れたものは特に「シマモノ」といい高品質な昆布として流通しています。昆布漁は夏の晴れた日の早朝に行われるので、早朝ドライブをしていると昆布漁の様子が見られるかも。
利尻昆布は島外で買うとなかなかのお値段なのですが島で買うと2~3割はリーズナブル。日持ちもするのでちょっと多めに買っておきましょう。ちなみに島のウニがおいしいのは、この昆布を食べて育つからだと言われています。

最北のミシュラン店でラーメンを食べる

いちばん人気の焼き醤油らーめん
いちばん人気の焼き醤油らーめん

利尻島の沓形にある「利尻らーめん味楽」。『ミシュランガイド北海道 2012 特別版』と『2017 特別版』でビブグルマンとなり、最も訪れにくいミシュランの店として話題になりました。看板メニューは利尻昆布からとったダシと、豚骨、鶏がら、野菜からとったスープをブレンド、そこに焦がした醤油だれを加えた「焼き醤油らーめん」950円。一口すすれば濃厚で奥深いうま味が口いっぱいに広がります。東京から最短でも片道8時間以上かかりますが、ラーメン好きならば訪れる価値あり!
利尻まではなかなか行けないがどうしても食べたい、という人は、横浜の「新横浜ラーメン博物館」でも味わうことができますよ。

■利尻らーめん味楽

住所
北海道利尻郡利尻町沓形字本町67
営業時間
11:30~14:00
定休日
木曜

個性的なユースホステルに泊まる

桃岩荘で夜毎行われている“ミーティング”
桃岩荘で夜毎行われている“ミーティング”

ユースホステルに泊まるという旅の形態がかつてのほどの勢いをもたない昨今ですが、礼文島の桃岩荘ユースホステルは、いまだに全国からファンが集う、もはや伝説的な存在です。「おかえりなさい!」の挨拶から始まる“洗礼”と、トレッキングなどのアクティビティ、そして夜毎開催される“ミーティング”。このミーティングこそ、桃岩荘最大の特徴であり、多くの人々を魅了しています。が、ここで多くを語るのは野暮というもの。ぜひ実際に訪れて体験してみてください。きっと新しい世界が開けますよ!(※新型コロナウイルスの対策として、通常とやや形態を変えて運営しています)

■桃岩荘ユースホステル

住所
北海道礼文郡礼文町香深

島カフェでまったりする

コーヒーもパンも絶品のPORTO COFFEE
コーヒーもパンも絶品のPORTO COFFEE

島ならではののんびりとした時間を刻むカフェで、まったりと過ごすひとときも魅力的。そこがおいしいコーヒーを出してくれるならなおさら幸せです。利尻島の鴛泊港フェリーターミナル向かいにある「PORTO COFFEE」はその条件を兼ね備えた理想的なカフェ。ウッディな温かみのある店内で一際存在感を放つのは、イタリアシモーネ社製のエスプレッソマシン。そのマシンで利尻の名水を使って一杯ずつていねいに入れるエスプレッソが自慢です。ショーケースに並ぶ。バターたっぷりのクロワッサンやプレッツェル、シナモンロールも魅力的。フェリーの待ち時間はもちろん、滞在中、通い詰めてしまいたくなる居心地の良いカフェです。

■Porto Coffee

住所
北海道利尻郡利尻富士町鴛泊字港町200
営業時間
8:00~16:30頃
定休日
なし(11~4月は月曜。祝日の場合翌日)

利尻礼文にはここでは語り尽くせない魅力がいっぱい。詳しくは地球の歩き方島旅 利尻礼文 をチェックしてみてくださいね! 

※当記事は、2023年3月1日現在のものです

TEXT:『利尻 礼文』編集担当 ●澄田直子

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筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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