札幌・星置のトスカーナ「トラットリア・オッティモ」でとっておきの北海道イタリアン

公開日 : 2024年03月15日
最終更新 :

札幌の西エリア、「星置」(ほしおき)の閑静な住宅街にイタリア・トスカーナ地方の料理を提供するレストラン「トラットリア・オッティモ」の落ち着いたお店の雰囲気と料理をご紹介します。

札幌・星置(ほしおき)のトラットリア

Tuscane cuisine "trattoria ottimo" at Hoshioki area in Sapporo, Hokkaido
Tuscane cuisine "trattoria ottimo" at Hoshioki area in Sapporo, Hokkaido

JR星置駅から歩いて5分ほどの住宅街にある「トラットリア・オッティモ」。
集合住宅の1階にあるイタリア国旗が目印です。

2015年にオープンしたお店で、知る人ぞ知る丁寧に作った本格トスカーナ料理は、近隣在住の方にも親しまれているそう。
シェフは、イタリア・トスカーナ地方で腕を磨いたことから、トスカーナ地方の家庭料理をモチーフに料理を提供しているそうです。

Sunset view from the neighborhood of "trattoria ottimo"
Sunset view from the neighborhood of "trattoria ottimo"

JR星置駅からお店へ向かう道すがら、西の方角(小樽方面)には山並みに落ちていく夕焼け空が見えました。
イタリアは特に夕日や空の色合いが美しいと聞いたことがありますが、この日はそんなイタリアを思わせるような淡いグラデーションの空色で、いよいよトスカーナのトラットリアへ向かっている気分に。

アットホームにくつろぎたい「トラットリア・オッティモ」

お店の中は、奥行きがある広々とした空間で、しっかりくつろげそうなソファ席も。
ほどよい間隔のテーブル席は、食事をするにも、会話を楽しむにも快適です。
まさに家庭的な雰囲気のレストランを意味する"トラットリア"。

お店の一番奥には、靴を脱いで食事ができるテーブル席がありました。
絵本も並ぶ本棚があり、子どもが飽きずに一緒に楽しめる空間です。

お店全体の雰囲気は、イタリアの街角でトラットリアに入ったときのような印象でしたが、小上がりテーブル席はそこからさらに踏み込み、日本スタイルの"トラットリア"になっていました。

また、トイレにはベビーシートや、かわいらしい幼児用の補助便座も完備。
小さな子どもと一緒に家族で訪れても、安心して食事ができるアットホームな心遣いもいっぱいです。
旅行先だからこそ嬉しい、子どもと一緒に安心して過ごせそうな設備の配慮がありました。

自家製ハムの前菜からスタート。トスカーナ仕込みの味

House made Italian ham and salami
House made Italian ham and salami

お店に入ると、入り口のすぐ右手にある冷蔵庫に魅惑的な光景があり、まず最初に驚いたのは生ハムやサラミ、ソーセージなど。

このところ、フィレンツェ界隈の料理動画をよく見ていたので、フィレンツェがあるトスカーナ地方の料理のトラットリアと聞いて楽しみにしていたのですが、お店に入るやいなや、本格的なサルメリア(シャルキュトリー)が見られて、ワクワク感が一気に倍増。

Assorted house made ham and vegetables as an appetizer
Assorted house made ham and vegetables as an appetizer

そこで、最初はもちろん、自家製ハムをいただきました。
「自家製ハムと季節野菜の前菜盛り合わせ」(1,430円)です。

ハムは手前から、「ラルド」「エゾシカのパテ」「豚モモ肉」。

こちらのお店では、ミルキーポークを半身ごと仕入れ、すべての部位を余すことなく使って調理しているそう。
そこで、背脂で作る「ラルド」(豚の背脂を塩漬けや燻製にしたもの)などを提供が可能になるのだそうです。

また、季節の野菜もおすすめとのことでしたが、中央の赤ピーマン以外は、見てもすぐにはわからない興味もそそる野菜です。

左側手前の野菜は「白にんじん」、その奥は「ビーツ」でした。
白にんじんは、火の入れ方もあるのか、とにかく甘く、ビーツはよく見る赤いビーツではなく黄色いビーツ。
自然なやさしい甘さが印象的です。

初めていただいた「ラルド」はパンとの相性も抜群で、エゾシカのパテも食べやすくておいしい!
これだけでワインが進んでしまう、さすがのイタリアンです。

いろいろなサルメリアを作ることができるのは、客席だけではなく、キッチンも広々としているので調理がしやすいからとのことですが、シェフの腕によるということは間違いありません。
自家製サルメリアがとにかく美味しいので、訪れた際は注文してみてください。

ひと味違うオッティモのスープ・ブルスケッタ・メイン&ラザニア

「エボダイ・そら豆・わかめのスープ」

Soup style of Japanese butterfish with fave beans and wakame seaweed
Soup style of Japanese butterfish with fave beans and wakame seaweed

次に登場したのは、こちら、スープ仕立ての魚料理です。
「エボダイ・そら豆・わかめのスープ」(1,320円)。

今回、エボダイは長崎産、そら豆は鹿児島産でしたが(季節などにより食材の仕入れ先が変わります)、意表をついた組み合わせ"ワカメ"は北海道厚岸産!

北海道産食材を取り入れたイタリアンとはいえ、スープに北海道産ワカメが登場するとは思わず、そしてスープの旨味には(すでに何回驚いたかわからなくなっていましたが)驚きました。
舌や喉を通して体の細部にまで染み入るような、そして、とてもやさしい旨味のスープです。

「大山ミルキーポークの内臓とンドゥイヤのブルスケッタ」

Bruschetta topped with offal of the pork from Hokkaido and nduja sauce
Bruschetta topped with offal of the pork from Hokkaido and nduja sauce

見るからにおいしそうなブルスケッタは、一見、トマトソースのような色合いから、馴染みのあるトッピングかと思いましたが、「大山ミルキーポークの内臓とンドゥイヤのブルスケッタ」(770円)。

"ミルキーポーク"を半身で仕入れるからこそ作ることができる内臓(モツ)は、ンドゥイヤ(ペースト状のサラミ)とともに、極上のワインのお供に。

見た目以上にさらりといただけて、どなたでも美味しく楽しめるひと品だと思います。
こちらのメニューは定番だそうなので、ぜひ、ワインと一緒に。

「道産豚のラザニア クリームソース」

Lasagna pasta with pork from Hokkaido and cream sauce
Lasagna pasta with pork from Hokkaido and cream sauce

お店の一番人気がこちらの「道産豚のラザニア クリームソース」(1,890円)。
写真は、ひと皿を二人分に分けて提供していただきました。

ラザニアは手間がかかる料理という印象で、イタリアンのお店でも、メニューにラザニアがあるお店はあまり多くはないと思うのですが、いただいてみると、さらに稀有なひと皿です。

北海道産豚のラグーとベシャメルソースを重ねているそうですが、ラグーとソースが究極ともいえるバランスで、これまで食べたことがない(ラザニア好きなので、メニューにあれば必ずといっていいほど注文します)ラザニアです。

あまりのおいしさに、再度、ラザニアのズームアップ写真も載せてしまいますが、一番驚いたことは、ラザニア特有(?)の食べているうちに感じてくる重さがまったくなく、食べ進んでいてももっと食べたい!と思うことです。

その秘密は、ラグーとソースの割合にあるそう。
ラグーもベシャメルソースも今まで経験がないような上品なラザニアは、またぜひ食べたいと思いました。

また、店内メニューのパスタはすべて手打ち、という点もラザニアが一番人気という理由のひとつかもしれません。
薄く手打ちしたラザニア(パスタ)はとても食べやすく、全体のバランスがよい仕上がりになっているようです。

ラザニアはパスタ料理のなかでも調理に手間がかかるもののひとつだと思いますが、こちらの絶品ラザニアは、ランチのセットでも提供しているそう。
シェフの料理に対する心意気と、お客さんへの愛情を感じます。

本日の肉料理~「シャロレー牛モモ肉のプロボローネチーズ包み焼き」

Grilled Charolais beef from Hokkaido with provolone cheese
Grilled Charolais beef from Hokkaido with provolone cheese

メインには、大変めずらしい肉料理をいただきました。
「シャロレー牛モモ肉のプロボローネチーズ包み焼き」(3,300円)。
(写真は1人前を2人でシェアしたサイズです。)

「シャロレー牛」はフランス原産の肉牛ですが、こちらのシャロレーは、北海道足寄町(あしょろちょう)の北十勝ファームが育てた牛だそう。

国内でシャロレー牛を生産している牧場は、おそらくほとんどないのではないかと思います。
最後のメインでもまた、思いがけない珍しい料理をいただくことになりました。

味わい深い赤身のシャロレー牛と、とろりととけたプロボローネチーズは、一緒にいただくと、さらにコクが出て、ずっと噛みしめていたいひと品。
添え野菜の紫にんじんと一緒にいただいてもおいしい!

食事をさらに楽しくするイタリアワインとデザート

この日最初にいただいた飲み物は、店内の黒板にある"本日のグラスワイン"の「コッリベリチビアンコ スペリオーレ カーザデフラ」。
イタリア・ヴェネト州のワインで、やわらかい飲み口でフルーティーです。

トスカーナ州のワインもあると聞き、いただきました。
「バディア ディ モローナ トスカーナ ビアンコ ディポッジ」。
ヴェルメンティーノ、というイタリア固有種のワインブドウを使っているそうで(トレッビアーノやシャルドネも使用)、スープ仕立ての魚料理と一緒に。

こちらはイタリア・トスカーナ州の「マレンマンテ ロッソ トスカーナ 2021 ポッジョ アルジェンティエラ」。
とても飲みやすい赤ワインで、シャロレー牛の包み焼きと一緒にいただきました。

ワインはグラスのほかデカンタ、ボトルでもオーダーでき、ワイン以外ではビール(中瓶)、カクテル、グラッパのほか、小樽ビールのノンアルコールビール、ジンジャーエールや炭酸水、コーヒーはエスプレッソなどがあります。

本日のワインは黒板に書かれていますが、詳しくはスタッフの方に尋ねてください。

本日のデザート~「ヨーグルトのジェラート」

Yogurt gelato with Japanese "NIJUMARU" orange
Yogurt gelato with Japanese "NIJUMARU" orange

よく食べ、飲んで大満足でしたが、さらに欲張ったデザートです。
この日、"本日のデザート"(550円)は「ヨーグルトのジェラート」。
冷たく甘酸っぱいヨーグルトジェラートには、フルーツもたっぷり!

そのフルーツは、佐賀県で誕生した佐賀県産ブランド柑橘「にじゅうまる」。
甘さと酸味のバランス、みずみずしさもすばらしい柑橘ですが、ヨーグルトの酸味とも相まって、口の中が一気にさわやかになりました。

「トラットリア・オッティモ」は、グループでも、少人数でも料理をゆっくり堪能できるお店です。
札幌在住の方もおいしいトスカーナ仕込みの料理をめざして、JRの普通列車で星置までアクセスすれば、小旅行気分で楽しめると思います。

"JR星置駅"と"トラットリア・オッティモ"に近いおすすめ立ち寄りスポット「星置緑地」

JRで小樽へ行く際は、快速列車を利用する方が多いと思うので、普通列車のみが停車する星置駅は、札幌・小樽旅のリピーターの方も降りたことがある方は少ないかもしれません。

ですが、これからの雪解け直後の季節には、「トラットリア・オッティモ」最寄りのJR星置駅近くにとっておきのスポットがあります。

Skunk cabagge at "Hoshioki Ryokuchi" park in April, near "trattoria ottimo" and JR Hoshioki Station
Skunk cabagge at "Hoshioki Ryokuchi" park in April, near "trattoria ottimo" and JR Hoshioki Station

それが写真の「星置緑地」(ほしおきりょくち)です。
4月中旬から5月初旬にかけて、ミズバショウが咲いているスポットです。

Waterside flower "Ezonoryukinka" at "Hoshioki ryokuchi" park in April
Waterside flower "Ezonoryukinka" at "Hoshioki ryokuchi" park in April

タイミングが合えば、エゾノリュウキンカや、スプリングエフェメラルの白・紫のキクザキイチゲなどが見られるほか、コゲラやゴジュウカラなどの野鳥を見かけることもあります。
湿地の上に木道が整備されているので、夏・秋シーズンにもちょっとした森散策気分を味わえます。

トラットリア・オッティモへお出かけの際は、少し早めに出かけて星置緑地散策もおすすめです。

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トスカーナ料理「トラットリア・オッティモ」のデータ

名称
トラットリア・オッティモ
住所
札幌市手稲区星置2条4-1-28 メイユールミナミ 1階
TEL
011-699-6067
営業時間
ランチ11:00-14:30L.o
ディナー17:00-21:30L.o
(金・土曜は23:00まで営業)
定休日
火曜(不定休あり)・年末年始 ※詳細はインスタグラム等でご確認ください。
駐車場
あり(5台)
アクセス
JR「星置駅」西口(北口タクシー乗り場)より徒歩6分、車で約2分
Instagram
trattoria_ottimo

筆者

北海道特派員

市之宮 直子

小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。

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