新しいシドニーのランドマーク「NSW州立美術館」の北新館

公開日 : 2023年07月26日
最終更新 :

オーストラリアを代表する美術館のひとつ、シドニーのニューサウスウェールズ州立美術館 (Art Gallery of New South Wales) は、2021年に開館150周年を迎えました。

そして2022年12月3日、シドニーモダンプロジェクトの一環として、新しく北館がオープンしたばかりです。

北館は歴史の重みを感じる南館の建物とは対照的にモダンな雰囲気が印象的な美術館で、日本人建築家ユニットSANAAが設計したことでも話題を呼んでいます。

そんな見応えがある美術館ですが、入場は無料。日曜日は無料の日本語ツアーにも参加できますので、シドニーにお越しの際は、ぜひ行ってみてください!


※ この記事に掲載されている写真は、美術館から許可、もしくは提供していただいたものです。

光がたっぷりと入る開放的でモダンな美術館

Commissioned with funds provided by Peter Weiss AO, the Droga Family in memory of Vibeke Droga, the Hadley Family, and the Art Gallery of New South Wales Foundation 2022 ©️ Francis Upritchard
Commissioned with funds provided by Peter Weiss AO, the Droga Family in memory of Vibeke Droga, the Hadley Family, and the Art Gallery of New South Wales Foundation 2022 ©️ Francis Upritchard

ニューサウスウェールズ州立美術館は、シドニー中心部の東側、ロイヤルボタニックガーデンやドメインのすぐ隣にあります。

古くからある南館と新しく建てられた北館は、隣接はしていますが独立した別々の建物です。

どちらにも館内にカフェやレストランが数カ所あるので、疲れたらゆっくりお茶もできますし、ここでランチすることを計画に入れても良いですね。

住所
Art Gallery Road, The Domain, Sydney NSW 2000
入場料
無料
開館時間
毎日午前10時〜午後5時 (水曜日は午後10時まで)
閉館日
イースターフライデー・クリスマスのみ
行き方
シドニー中心部にあるハイドパークからから徒歩約10分、クイーンビクトリアビルディングから441のバスに乗ると、美術館前に止まります。

ウエルカムプラザから入り口に入ると、明るく開放的な空間が広がっています。

この建物は、建築業界で最も威厳がある賞と言われるプリツカー賞の含む多数の受賞歴がある日本人建築家ユニット「SANAA」が設計したもので、この建物も2023年のオーストラリアン・インテリアデザイン賞 を受賞しました。

ニューサウスウェルズ州の砂から手作業で作られた土壁もあり、近代的でありながらどこか温かさを感じるのは、そういったこだわりを感じるからかもしれません。


この北館では、国内外から集められた21世紀以降の絵画や彫刻などが展示されています。草間彌生の約5メートルに及ぶ作品、村上隆がニューサウスウェールズ州立美術館に依頼されて描いた大きな絵など、見どころはたくさんです。


ということで、北館の見どころをいくつか紹介しますね!

アボリジナルとトレス海峡諸島の人々の作品を展示する Yiribana Gallery

Purchased with funds provided by the Aboriginal Art Collection Benefactors 2017, ©️ Yhonnie Scarce,  ©️ Art Gallery of NSW
Purchased with funds provided by the Aboriginal Art Collection Benefactors 2017, ©️ Yhonnie Scarce, ©️ Art Gallery of NSW

イリバナギャラリー (Yiribana Gallery) では、アボリジナルとトレス海峡諸島の人々の作品が展示されています。「Yiribana」とは、古くからシドニーの土地に住む先住民エオラの人々の言葉で「こちら (This way)」という意味です。

その中のアートのひとつ Yhonnie Scarce の「Death Zephyr (2017)」というガラスの作品は、かつて南オーストラリア州マラリンガで行われた核実験の際に降った有毒な雲を表現しているそう。そんな心にズシッと来る、オーストラリアの歴史に絡む作品もあります。

燃料貯蔵庫を利用したタンクギャラリー

白い曲線が美しく光がたっぷりの館内ですが、片隅には真っ暗な地下ギャラリーもあります。

これは第二次世界大戦で使用されていた燃料貯蔵庫を利用したギャラリーで、2200 平方メートルのスペースは現在でも微かにオイルの匂いがしていて、当時の様子を彷彿させる興味深い空間です。

開催されていた展示は今月の7月中旬に終了してしまいましたが、また新たなイベントが開催予定とのことなので、その時はぜひ中に入って体験してみてください!

草間彌生の彫刻とテラスの美しい景観

Commissioned with funds provided by the Art Gallery of New South Wales Foundation and the Gandel Foundation 2022 ©️Yayoi Kusama
Commissioned with funds provided by the Art Gallery of New South Wales Foundation and the Gandel Foundation 2022 ©️Yayoi Kusama

そして、草間彌生がニューサウスウェルズ州立美術館のために作成した彫刻「Flowers that Bloom in the Cosmos (2022)」があるテラスも必見!これはオーストラリアの植物をモデルにしているそうですよ。

こちらで記念写真をどうぞ!(フラッシュを使わなければ美術館内の撮影もオッケーです)

テラスからはウルムルーの町やマリーナなどが見渡せて、とてもきれいです。

おすすめの無料日本語ツアー

Commissioned with funds provided by the Art Gallery of New South Wales Foundation 2021 ©️ Richard Lewer ©️ Art Gallery of NSW
Commissioned with funds provided by the Art Gallery of New South Wales Foundation 2021 ©️ Richard Lewer ©️ Art Gallery of NSW

ニューサウスウェルズ州立美術館では無料ガイドツアーも開催されおり、日本語でのツアーもあり、北館は毎週日曜日の午後1時から開催されていますので、参加してみてはいががでしょうか?

個人で建物やアートをみて回るのも良いですが、知識豊富なボランティアガイドさんの話を聞きながらアートを鑑賞すると、同じ作品を見ても感動が倍になるので、かなりおすすめです!

オーストラリアにあまり詳しくない人にとっては歴史や出来事を知る機会にもなりますし、長く住んでいる人にとっても知らないオーストラリアの一面を垣間見る機会になります。

現在8人の日本人ボランティアさんがローテーションで案内をしているので、ガイドさんによって違う話が聞けるかもしれないので、何度参加しても楽しいかもしれませんね。


所要時間は約45分、予約は必要ありません。

  • 北館 (新館) の日本語ツアー: 毎週日曜日の午後1時〜
  • 南館 (本館) の日本語ツアー: 毎週金曜日の午前11時〜
  • 現在は南館で毎年恒例のアーチボイルド展 (この展示のみ有料) も開催中で、そこでも無料日本語ツアーをやってます。こちらは毎週日曜日の11時〜 (2023年8月27日まで)
  • もちろん英語や他の言語のツアーも開催されていますので、詳しい日程はこちら からチェックしてみてください。

新しい北館も南の本館もどちらも見応えがあるので、日を分けて別々に来ても良いと思います。

近くにはロイヤルボタニックガーデンやおしゃれなレストランが並ぶウルムルーのワーフなどがありますし、オペラハウスも遠くないので、色々と計画を立ててみてくださいね!

筆者

オーストラリア特派員

Eri オーストラリア

十数年前にワーキングホリデーオーストラリアに来たのがきっかけで、そのままシドニーに住んでいます。

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