霧が続くサンフランシスコ。7月後半の様子
7月はアメリカ全土、ほぼどの地域でも気温が上がりますが、サンフランシスコでは霧が多く肌寒い日が続くことで知られています。なぜ年で最も暑い日が他の地域と大きく異なるのか、今回はこの理由をレポートします。
他都市とは大きく違うSFの7月
アメリカの多くの地域では、日本と同じように7月下旬になるとセントラル・バレーはうだる暑さになり、南部はべたつくような湿度になります。しかし、サンフランシスコでは、9月と10月に気温が上昇し始める前の「空のない7月」と「霧の7月」に分かれる肌寒い天候が8月まで続きます。事実、サンフランシスコのダウンタウンでは、平均通常9月25日が1年で最も暑い日となっています。ラスベガスとサクラメントの気温のピークは7月22日、ロサンゼルスは8月28日であるのを比較するとかなりの違いとなります。
地球の気温のほとんどは、太陽周期に忠実に従い、年間の最高気温は夏至のわずか3.4日後に発生するとされています。それに対してカリフォルニア沿岸部では、季節的な気温の極端な変化が世界のどこよりも遅れていることが調査で証明されているのです。太陽サイクルがサンフランシスコの気温に直接影響するのではなく、他の要因として太平洋とサンフランシスコ湾に囲まれたサンフランシスコ半島の地形が大きく影響することが要因となっているのです。
9月に天候が回復する理由とは?
サンフランシスコ半島を取り囲むように、55°Fの海水が溜まっており、海風が冷たい海を吹き抜け、天然のエアコンになり、時にはそれが凝結して層雲や霧になります。日中、太陽がセントラル・バレーを暖めると、谷底から熱い空気が上昇し、低気圧が発生します。この太平洋高気圧とセントラル・バレーの低気圧の気圧差が海風を生み、冷たい空気がゴールデン・ゲートを通過するのです。他の地域では7月に温度が上昇するのに対し、サンフランシスコは7月の温度は一定を保ったままです。
太平洋高気圧が弱まり南下し始める9月頃に、海洋層が薄れ、サンフランシスコ半島は夏の終わりに快晴となります。太平洋高気圧の新しい位置は、風向きが反転し、ベイエリアに熱い大陸の空気を送り込むことも意味します。これはディアブロ風と呼ばれ、サンフランシスコに一年で最も暑い日が9月から10月となるのです。このような猛暑日はインディアンサマーと呼ばれ、事実サンフランシスコで記録された12回の100度超え(37℃)の日のうち、11回は9月と10月に発生しているのです。以上の理由から、サンフランシスコでは9月と10月が最も過ごしやすい月となり、観光に訪れるのにも最適の天候を楽しめます。
サンフランシスコ今週のイベント
今週は7月22日と23日にサンフランシスコマラソンのイベントが行われます。今年で46回目を迎えるサンフランシスコマラソンは、毎年27,000人以上のランナーが参加する街のランイベントで、1kmのファミリーランから、5km、ハーフ、フルマラソンのレースが行われます。ランの出発地点はダウンタウンエンバカデロ通りとミッション通りです。
また7月21日の夜は、クレーンコーブ公園で無料野外映画イベントが行われます。今回上映されるのが「モアナ」。入場は6:00pmからとなり、映画上映は日没後(19時30分頃)となります。
最後に
このコラムを書いている2023年7月20日現在、サンフランシスコの市のデータによると今週1週間のサンフランシスコの陽性率は4.1%。先週の4.2%をわずかに減少しています。カリフォルニア州の平均陽性率は先週と同じ6.5%。2023年の夏は同じような数値を維持しています。
筆者
アメリカ・カリフォルニア州特派員
Katie M
18歳での留学をきっかけに渡米。現地で役立つライフスタイルやトレンドなどを紹介します。
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