新潟市中心部の信濃川でアウトドア・リゾート体験

そのイベントは「ミズベリング　水辺アウトドアラウンジ　atやすらぎ堤」です。三条市に本社があるアウトドア用品メーカー「スノーピーク」のタープやテント、テーブルやいすがやすらぎ堤に並びます。遊歩道沿いに、テラスのような飲食店が5店舗並びビールやワインなどのドリンク類をはじめ、ピザやパスタ、台湾料理やカレーなどが売られています。日中も営業していますが、私が訪れたのは日没の少し前―というのも、「川風の中で夕日を眺めながらビールを飲みたかった」からです。早速、台湾料理中心のお店で生ビールを購入。川に面したテラス席に座って沈む太陽を眺めながらグイッ！サイコー！！おつまみには「アジア風焼きそば」をチョイス！

さて、このイベント会場となっている「やすらぎ堤」ですが、新潟市はもともと地盤が低い土地でした。さらに昭和30年代から地盤沈下が進み、1964（昭和39）年の新潟地震では津波が堤防を越えて市街地に流れ込みました。その災害復旧 としてつくられた堤防は高さも低い上に幅も狭く、洪水が発生すれば市街地に甚大な被害が出る危険がありました。そこで87（昭和62）年 、建設省（現国土交通省）が防災強化策に加え、水辺を人々の憩いの場にしようと、それまでの堤防より高くした だけでなく、ゆるやかな傾斜を整備して芝生を敷き、川の近くまで行けることができるように整備しました。そして都市中心部に広大な憩いの空間が誕生しました。
やすらぎ堤は現在も上流へ向かって建設が進められており、散歩やジョギングなどを楽しむ人々の姿が多く見られます。

私自身「やすらぎ堤はいいなあ」と思っていましたが、同時に「ここで生ビールとか飲めたらなあ…」と、休日に缶ビール手にぼんやり考えていました。けれど、河川敷での事業活動は原則として禁止されていたためそれは無理でした。
2011（平成23）年、国土交通省により「国に指定された範囲では民間事業が可能」となる法改正が行われました。そして13（平成25）年、「水辺のにぎわいを取り戻し、活用の可能性を創造しよう」と市民、企業、行政が一体で進めるプロジェクト—「ミズベリング」プロジェクトの推進を全国でスタートさせます。これは「水辺＋リング（輪）」と「水辺＋R（リノベーション）＋ING（進行形）」の造語です。 これを受けて新潟市と国交省北陸地方整備局は検討を進め、16（平成28）年に萬代橋とその上流にある八千代橋間の約600ｍ区間のやすらぎ堤で事業活動が可能になりました。その年は社会実験として、飲食屋台にイスとテーブルが置かれました。私も会社帰りに同僚とジョッキで生ビールを飲み「待っていた！」と感激しました。

このイベント会場では、飲食だけでも十分楽しめますが、スノーピークが運営しているだけあって様々な楽しみ方が用意されています。BBQをはじめ「TAKIBI（たき火）ラウンジ」、「水辺体験キャンプ」に「サップ教室」などなど…。また会場中央にあるイベントゾーンでは様々なイベントが開かれています。私が行った日はにいがた盆踊り「VIVABON」が開かれ、市内各地に「伝わる盆踊りが催されていました。
また、飲食店イベントは９月下旬で終了しますが、その後も今年は10月31日までタープの下でデイキャンプやランチ、ミーティングができる「水辺DAY CAMP・アウトドアミーティング」が開催されるそうです。「タープを設営したことない」という人にはスノーピークスタッフが設営をしてくれるそうですので安心ですね。料金や予約はホームページをチェックしてみてください。
さて、夏もまだまだ真っ盛りです。「日本一の大河」の水辺をおしゃれに楽しんでみませんか？