山梨特派員スペインへ行く~2023秋〈その3〉バルでタパスを楽しむ

公開日 : 2023年10月24日
最終更新 :
筆者 : 水月

Hola!山梨特派員の水月です。
2023年秋、9月半ばから10月半ばにかけて、スペインを旅してきました。
そんな情報をお届けする「山梨特派員スペインへ行く」シリーズ第3弾は「バルでタパスを楽しむ」。
スペインの食の魅力は、なんといってもタパス文化ですよね~

ご存じの方も多いかと思いますが、「タパス」とは「飲み物の付け合わせで出てくる小皿料理」のこと。

マドリード郊外ピントのバルで
マドリード郊外ピントのバルで

たとえば、この小皿。ビールを頼んだら出してくれました。無料というか、飲みものの値段がタパス1品込みになっているんですね。
タパス定番のこの料理は「salpicón de mariscos(サルピコン・デ・マリスコス)」。魚介や玉葱、パプリカなどを和えたビネガーの利いた野菜たっぷりのシーフードマリネです。

紙の本『地球の歩き方・スペイン』には、タパスについてこうあります。

タパTapa(複数形はタパス)は小皿。大皿はラシオンRacion、その半量はメディアラシオンというMediaracionという(半量では出さない店もある)。

地域によって差があるのでしょうが、マドリード、サラマンカ、サン・セバスティアン、セビージャ、アンダルシアなどを旅して、たいていのバルでは小皿のタパスを出しているように思いました。

飲み物をオーダーするともれなくタパスがついてくるバルもあり、カウンターに並べたタパスを指さし注文できるバルもあり、メニューから注文するバルもあり、メニューに「タパTapa €○○」「ラシオンRacion €○○」と表記しているバルもあり。
わたしは、まずはビールをオーダーして様子を見て、タパスが出てこなかったら注文するという方法をとりました。

ピントのバルのカウンターに並んだタパス
ピントのバルのカウンターに並んだタパス

写真のようにガラスケースにタパスを並べたバルもあります。写真の真ん中は、冷製タパスの定番「boquerones en vinagre(ボケロネス・エン・ビナグレ)」。カタクチイワシの酢漬けです。

豚の耳は、カタルーニャ地方の郷土料理
豚の耳は、カタルーニャ地方の郷土料理

こちらは「orejas de cerdo guisadas(オレハ・デ・セルド・ギサーダス)」豚耳の煮込み。
「これは、なんですか?」と訊くと、バルの店主が、耳をひっぱって豚の鳴き真似をして教えてくれました。電子レンジでチンして出してくれて、やわらかくておいしかった。

サン・セバスティアンのバルで
サン・セバスティアンのバルで

楊枝などに何種類かの具材を刺した一口サイズのタパスのことを「ピンチョス」といいます。
「串」や「楊枝」を意味する「ピンチョ(pincho)」の複数形が「ピンチョス(pinchos)」なのだそうですが、パンの上に様々な具材を美しく盛りつけた「楊枝」なしのものも、たくさん見られます。

美食の街といわれるバスク地方のサン・セバスティアンでは、美しいピンチョスがバルのカウンターに所狭しと並んでいて指さし注文できますが、最近ではどの地域でも見られるようになりました。

サン・セバスティアンバル巡りで
サン・セバスティアンバル巡りで

こちらは、サン・セバスティアンで人気の「フォアグラ焼き」。
サン・セバスティアンは海辺の街なので、海鮮のピンチョスや、トップの写真の「うにクリーム」(日本語でメニューにそうかいてありました)、「蟹のチャングロ」なども、おいしいんですよ。

「サン・セバスティアンへ行ったなら、バル巡り」という旅のスタイルは今やポピュラーになっていて、バル巡りをしていたら何人もの日本人旅行者に会いました。

いかの大きさとやわらかさにびっくり!
いかの大きさとやわらかさにびっくり!

こちらは、「calamares fritos(カラマレス・フリートス)」いかフライ。これ、揚げたて熱々で、おいしかったんですよ。揚げ物は、オーダーしないと食べられない種類のタパスですね。
サン・セバスティアンの「フォアグラ焼き」「うにクリーム」も、メニューからオーダーして出してもらいました。

マドリード「サン・アントン市場」で
マドリード「サン・アントン市場」で

さて。そんなスペインじゅうで愛されているタパスの発祥は?
一説では、13世紀カスティージャ(後のスペイン王国の中核)国王アルフォンソ10世が「酒を出す店は、必ず食事も提供するように」と命じたためといわれています。そりゃあ、食べながら飲んだ方が、身体のためにはいいですものね。

また「tapaタパ」は「蓋」を意味することから、ワインに埃が入らないよう、パンや生ハムでグラスに蓋をしたことが、タパス文化の始まりという説もあるとか。おもしろいですね。

サン・セバスティアンのバルのカウンター
サン・セバスティアンのバルのカウンター

タパスのいいところは、なんといっても少しずついろいろな料理を楽しめること。
高級レストランでがっつりコースもいいけれど、ちょっとつまんで次のバルへという気軽さが、旅の醍醐味でもありますよね。
スペインを旅するのなら、ぜひともバルでタパスを満喫していただきたいです。


☆「山梨特派員スペインへ行く~2023年秋」シリーズ、バックナンバーはこちら。
第1回 「マドリードの歩き方」
第2回 「スペインで最も美しい広場~サラマンカ『マヨール広場』」

筆者

山梨特派員

水月

2000年に山梨県北巨摩郡明野村(現 北杜市明野町)に移住。田舎暮らしを始めました。3人の子育て経験や女性ならではの視点、食いしん坊の資質を生かして、山梨の魅力を発信していきたいと思っています。

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