トルコでイスラム神秘主義に触れる旅。無形文化遺産の「セマー」を見に行こう
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公開日 : 2024年03月08日
最終更新 :

実際に見に行ってみよう

それでは、セマーを見ることができる場所をご紹介します。メヴレヴィー教団発祥の地であるコンヤから2ヵ所、イスタンブールから1ヵ所ピックアップしています。

また、コンヤ市内にある「パノラマ博物館」ではセマーやメヴレヴィー教団、メヴラーナについて詳しく学ぶことができます。セマーは夜に行われることが多いので、日中にパノラマ美術館に訪れて知識を深めるのもおすすめです。

パノラマ美術館

住所
42030 Konya, Karatay, Aziziye
営業時間
9:00 - 17:00

メヴラーナ文化センター(コンヤ)

メヴラーナ文化センターでは生演奏とともにセマーを鑑賞できる
メヴラーナ文化センターでは生演奏とともにセマーを鑑賞できる

今回筆者がセマーを見に訪れたメヴラーナ文化センター。2004年に開館したこちらの施設には、収容人数3000人を誇る世界最大のセマーハーネ(セマーを行う場所)があります。12月17日を最終日とする10日間は盛大にセマーが行われますので、ぜひこの期間に訪れてセマーを見てみることをおすすめします。

この期間以外にも、毎週土曜日19:00からセマーが行われています。

住所
Çimenlik Mah. Aslanlı Kışla Cad. Mevlana Kültür Merkezi
営業時間
8:00 - 17:00
チケット料金
70トルコリラ(約340円) ※時期によりチケット料金は変動します。

メヴラーナ博物館(コンヤ)

トルコブルーの塔が印象的なメヴラーナ博物館
トルコブルーの塔が印象的なメヴラーナ博物館

コンヤに来たらまずここを訪れるべし!といわれるメヴラーナ博物館。メヴラーナの霊廟として広く知られています。ほかにもセルジューク朝時代、オスマン朝時代の工芸作品やクルアーンの写本、メヴラーナの著作が展示されており見どころがたくさん。建物自体にも歴史的な価値があり、トルコブルーの美しい塔は13世紀末、そのほかの部分は16世紀までに造られました。

こちらでも、6月~8月の間は博物館内の中庭で毎週木曜20:00よりセマーが行われています。2024年2月現在、博物館の入場料は無料なので、ぜひセマー開催時刻に合わせて訪れてみてください。

住所
Aziziye Mah., Mevlana Cd. No:1, 42030 Karatay/Konya
営業時間
9:00 - 19:00

ホジャパシャ文化センター(イスタンブール)

イスタンブールでもセマーを見ることができます。市内中心部にあるホジャパシャ文化センターは、550年前のオスマン朝時代の浴場をもとにしたユニークな施設です。

こちらでは毎日19:00よりセマーが行われています。こちらのセマーは、儀式というよりもショーといったほうがイメージが近いかもしれません。当日だとチケットが売り切れになる場合があるようですので、見に行く日が決まった段階で事前に購入しておくのがよさそうです。

住所
Ankara Caddesi Hocapaşa Hamamı Sok No: 3.B Sirkeci/İstanbul TURKEY
上演時間
19:00 - 20:00
チケット料金
大人37ドル(約5470円)、子供20.35ドル(約3000円)

セマーを見る際のルール

多くの場合、セマーは神聖な儀式として催されるので、見に行く際は以下の点に注意しましょう。

  • 儀式に敬意を払う: セマーは神聖な儀式であり、静粛な雰囲気が求められます。ほかの観客や信者たちに対して敬意を払い、大きな声での会話は避けるようにしましょう。
  • 写真やビデオ撮影について: 会場により、セマー中の写真やビデオ撮影は禁止されている場合があります。写真を撮る場合は、事前に許可を得るようにしましょう。
  • 服装について: 特にドレスコードはありませんが、宗教儀式なので、過度な露出がある服装は避けましょう。セマー鑑賞時に限らず、トルコはイスラム文化のため肌の露出は避けたほうが無難です。旅行中は1枚羽織れるもの、パーカーやカーディガン、スカーフを持っておくと安心です。

おまけ: セマーモチーフのおみやげを手に入れよう

フェルト生地でつくられたブローチ
フェルト生地でつくられたブローチ

トルコ国内、特にコンヤではセマー(セマーゼン)をモチーフにした雑貨が多く売られています。セマーを見たら、記念にセマーモチーフのおみやげを購入してみてはいかがでしょうか?

  • トルコ陶器の小物入れ(画像右下)

    トルコ陶器の小物入れ(画像右下)

  • ゴールドの細工が美しい置物(画像右上)

    ゴールドの細工が美しい置物(画像右上)

  • 青い目玉が付いている時計(画像右)

    青い目玉が付いている時計(画像右)

コンヤであれば旧市街に多くのみやげもの屋や雑貨店が並んでいるので、ウィンドウショッピングをしながらおみやげを物色するのがおすすめです。旧市街へ行く時間がないという方は、メヴラーナ博物館の出口近くにある屋台エリアものぞいてみてください。

また、おみやげを買う際は値段交渉をお忘れなく! できる限りまとめて買うのが値引きのポイントです。セマーモチーフのもの以外にも、トルコでどういうおみやげが買えるのか気になる方は以下のサイトで確認してみてくださいね。

まとめ

イスラム神秘主義、メヴレヴィー教団のセマーについて、歴史や見られるスポット、参加レポートをまとめてみました。セマーを見る場合は、以下のポイントを押さえてみてください。

  • セマーを見るならコンヤがおすすめ。特に12月10日~17日はメヴラーナ週間と呼ばれ、盛大に開催される。
  • メヴレヴィー教団やセマーについて学ぶならコンヤ市内のパノラマ美術館で。
  • セマーを見る際は露出の少ない服装で。1枚羽織れるものがあると安心。

トルコで観光といえば、イスタンブールのグランドバザールや美しいモスクの数々、カッパドキアでの気球ツアーを思い浮かべる方が多いかもしれません。コンヤは日本人にはあまりなじみがありませんが、イスタンブール以上にイスラム文化が感じられる、素朴で美しい街です。トルコのどのエリアに行こうか迷っている方、2回目以降の旅行を検討している方は、ぜひコンヤ、そしてセマー鑑賞も選択肢に加えてみてください!

※2024年2月現在、1ドル:148円、1トルコリラ:約4.9円です。

取材協力・監修

筆者

地球の歩き方 永倉

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