ユネスコ制定「世界本の日」イギリスは3月第1木曜日、その理由は?
イギリス&アイルランドでは今年(2024年)、去る3月7日が「世界本の日」でした。子供たちが読書に親しむのを推進すべく多くの小学校で本にちなむ仮装イベントを催すので、筆者の孫もこんな格好で登校!
兄のほうはイギリス児童に人気のユーモラスな歴史シリーズ「ホリブル・ヒストリーズ Horrible Histories」にも登場する、古代ローマの戦闘士。かたや妹は絵本やお伽話の常連キャラ、妖精だそうです。
ところで「世界本の日」、多くの国では4月23日ですよね?
ユネスコ総会が1995年に制定した正式名称は「世界図書・著作権の日 World Book and Copyright Day」で、世界的にはスペイン起源のサン・ジョルディの日と同じく4月23日にしている国が多いようです。
しかしイギリスでは、「3月第1木曜日が本の日」と決めました。4月23日を避けた最も大きな理由は、イングランド守護聖人ジョージの日が4月23日だからと言われています。
この日は偶然それが週末になった以外は学校や会社など平常運転でお休みにならないものの、自国の歴史や成り立ちなどを児童に教える日なんですね。
また読書を促進するという学校行事の開催に支障がないよう、イースター(復活祭)休暇と被らないことにも配慮。
西方教会の1つである英国国教会ではグレゴリオ暦で「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」という移動祝日のため、3月22日から4月25日にある日曜日いずれかがイースターとなります。だから、その期間も避けたい。
というわけで、イギリスとアイルランドでは3月第1木曜日が「世界本の日」。ハロウィンと同じくらい仮装イベントになりつつあるのは、昨今ありがちな風潮かもしれませんが・・・。
子供たちが本に親しむキッカケになれば、こんな趣向も面白いですよね?!
筆者
イギリス特派員
小野雅子
在英30年を過ぎました。初めてイギリスへいらっしゃる方にも分かりやすいロンドン観光&文化情報を中心に、イギリス各地やヨーロッパの情報もご案内いたします!
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