【岡山】倉敷春宵あかり ふわり春あかり白壁の町 ~倉敷美観地区~

公開日 : 2024年03月31日
最終更新 :
筆者 : mami

 こんにちは。岡山特派員のmamiです。ここ2週間ほど、菜種梅雨のような天気が続き、県北では雪の降る日もあるほど冬に逆戻りした岡山県でしたが29日からは気温も20度以上にあがり春を感じる陽気です。30日の宵は、春の温かな風を感じながら、倉敷美観地区で開催された「倉敷春宵あかり2024」を楽しみました。

 倉敷春宵あかりは、倉敷美観地区をさまざまな和のあかりで彩るイベントで、今年は17回目を迎えました。倉敷の行事の中では、春の夜を楽しむ風物詩として定番になっています。
 今年は9年ぶりに訪れてみました。倉敷川の水面の周りは、色とりどりの和傘の灯りで華やかです。

 民芸館のショップのディスプレイは、早くも端午の節句で季節を先取りしています。張り子の虎は魔よけの意味があるといいますが、ここに並んでいるものの中には、スタジオジブリの「となりのトトロ」に出て来る猫バスに似た虎もいます。

 日本郷土玩具間では、影絵あかりもあります。時間が経つにつれ影絵が変わっていくので見ていて楽しい演出です。色のグラデーションがきれいで、日本人が影絵に魅かれるのは、この光と影が織りなすあやにあるのではないかと思います。

 こんな影絵が8カ所で見られます。

 30日のメインイベントは倉敷SOLAの「みんげい広場」で開催されたキャンドルナイト「灯」でした。

  会場の庭はブルーのライティングと藍色の和傘、雪洞だけの灯りです。和傘のインディゴカラーは国産ジーンズ発祥の地、倉敷市にふさわしい色ですね。藍の一大産地だった倉敷市児島では、伝統的な藍染の技術がジーンズに活かされています。

 このインディゴカラーの和傘が気に入りました。売っていたら、買って帰ったと思います。

 このライティングの中でバイオリンコンサートが始まりました。

「倉敷SOLA」というのは、ちょうど2年前の4月にオープンした複合施設です。岡山の[技術]と[美術]を融合させ、古きよきものの中にモダンなセンスや遊び心を加え、衣食住を提案するといったコンセプトのようです。「青木被服」、「倉敷洋食 バラトン」、宿泊施設の「滔々」、「日本料理店 雲」、足袋シューズの「丸五」の5店舗が入っています。
 写真の「MARUGO」というのは、足袋製造を100年手がけてきた会社で、現代人の足の健康を考え、日本の地下足袋を倉敷から世界に発信している会社です。
 足袋のように親指が独立している靴は、足の指が開きやすく指が自然な位置にくるといいます。締め付けが少なく地面を掴むように歩けるというので、ヨーロッパでも人気があるそうです。世界的なデザイナー、マルタン・マルジェラ足袋ブーツも日本の地下足袋を参考にデザインをしていますね。

 「倉敷SOLA」の奥は「くらしき宵待ちGARDEN」の敷地で、「きび美ミュージアム」が20時まで延長開館していました。

 ミュージアムの奥の竹林庭園も人気のスポットらしく入り口には花手水のような灯りのオブジェがあります。

池を飛び石で渡って竹林へ向かいます。

 ところどころに竹が輝き、かぐや姫を思いおこします。

 ミュージアムの建物も竹越しに見ると素敵です。

 みんなが光る窓の中を覗いています。なんでしょう。

 備前焼でできたオブジェでした。「くらしき宵待ちGARDEN」も飲食店が入り、「パーラー果物小町」などが人気ですが、延長営業はしていませんでした。残念。

 こちらも橘香堂の窓に茶の湯の影絵あかりです。この影絵は綺麗でした。

 アイビースクエアの通路では、愛らしい「春宵ふうせん」という灯りが頭上を照らし、中庭ではキッチントレーラーが出店し「春宵カフェ」としてオリジナルカクテルや牛蒡スープを提供していました。

 

 春の風物詩となった「倉敷春宵あかり」は、昼間の美観地区とはまったく異なった趣を見せてくれます。派手なイルミネーションに慣れた目には、陰影のある優しく柔らかな和の灯りの織りなすあやが新鮮に映ります。このイベントは3月9日から3月31日の3週間ありました。来年の3月に倉敷旅行を予定される方は、この「春宵あかり」で日本人が愛でてきた陰影の美を楽しんでみませんか?

筆者

岡山特派員

mami

岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。

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