パレルモ

パレルモは大きく3つの地区に分けられる。クアットロ･カンティを中心に、1ノルマン王宮と旧市街、その東側が、2プレトーリア広場東地区、北側の、3新市街と考古学博物館。見どころは比較的旧市街地区に集中しているが、それ以外にも見逃せない物が四散しているので、すべてを見ようと思ったらバスなどを利用して積極的に移動しよう。
最低でも丸1日、確実に見たければ2日はほしいところ。

午前中に多くの見どころがオープンしている代わりに、午後になると閉鎖したり休憩時間などで見学できないことが多くなるのに加え、夏季の午後は動くのがおっくうになるほど暑いので、早起きして午前中に済ませるのが観光のコツだ。午後は公園などの涼しい所や、郊外へ小旅行に出るのも一案。

紀元前8世紀、フェニキア人が町を造り、天然の良港をもつパレルモには直径1kmほどの都市が出現した。
紀元前254年、第1次ポエニ大戦でローマが勝利し、700年間にわたって古代ローマ時代が続く。5世紀頃からローマは衰退を始め、535年、ビザンチン帝国（東ローマ帝国）が支配し、のち300年ほどビザンチンの文化が爛熟してゆく。831年、サラセン人が侵入し、948年にパレルモを首都としてイスラム人支配が始まる。1072年、ノルマン人が制覇、1130年に高名なるルッジェーロ2世が戴冠。ノルマン王宮など、北ヨーロッパの息吹をパレルモに根付かせた。政権はホーエンシュタウフェン家に継承され、｢中世最初の近代人｣と評されるフリードリッヒ2世のもとで、シチリアは文学をはじめ豊かな芸術文化が開花する。パレルモに多く残るイスラム文化との融合様式は、ノルマン王朝が破壊よりも融合を図ったことによるところが大きい。1266年アンジュー家、1442年アラゴン家、1712年サヴォイア家、1718年ハプスブルグ家、1735年ブルボン家と、近世は目まぐるしく時代が移り変わり、1860年のガリバルディの独立統一戦争によってイタリア統一がなされるまで、シチリアは数多くの支配を受け続けることになった。

イタリア中でおなじみのオープントップの2階建て観光バス。パレルモではシティ・サイトシーイング・パレルモ（City Sightseeing Palermo）の名前で営業している。

パレルモ市内を周る2コースとパレルモ郊外のモンレアーレ行き（所要1時間）とモンデッロ行きを運行。順路は、Aコース　ステーリィ宮→植物園→中央駅→クアットロ・カンティ→王宮→カテドラーレ（所要60分）。Bコース　ポリテアーマ劇場→イギリス庭園→マルフィターノ宮→ジーザ宮→カーポの市場→マッシモ劇場→港（所要50分）。始発地はポリテアーマ劇場脇（Via Emerico Amari 138）。

モンレアーレ行きはAコース途中の王宮で乗り換えが必要。4～10月に1日8便、11～3月は1～4便、午前・午後の各1便がコース始発のポリテアーマ広場からの直通。モンデッロ行き（Dコース）は夏季のみの運行。

切符は24時間乗り放題で、乗り降り自由。日本語のイヤフォンガイド付き。A+Bで€20、モンレアーレ行き（王宮からの乗車）のみ€10。3路線すべてで€25。家族券（大人2人、子供3人）はA+B　€50、3路線　€60。