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ナポリサンカルロ大歌劇場開幕オペラトロヴァトーレの観賞へ

ピッパ

ピッパ

イタリア特派員

更新日
2014年12月23日
公開日
2014年12月23日
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皆さん、こんにちは!

さて、私は、ナポリで24日の夜23時半から行われます、クリスマスイブのミサ兼テノールとのデュオオールナイトコンサートに出演するためにナポリに来ています。

クリスマス前後のコンサートは毎年出演させていただいていますが、24日から25日にかけてのオールナイトは久しぶりです!

イタリアのご家庭は、25日の朝ではなく、この時間に各家のクリスマスツリーの前にあるプレゼントを開け始めるのですが、それでもカトリックの深い信者の方は、オールナイトのミサに参加します。

凄い人だかりですよ!今から楽しみだなあ!

本番よりも少し早めにナポリに来て、せっかくだからと、サンカルロ大歌劇場の開幕オペラへ聞きに行ってきました。

演目は、ヴェルディ作曲トロヴァトーレ、私の大好きなオペラの一つです。

実は、ちょうど十年前の開幕もサンカルロ歌劇場でトロヴァトーレがあり、その時にも聞きに行きました。

あの時には、第二のパヴァロッティと世間に言われていた今は亡きテノール、サルヴァトーレ・リチートラがマンリーコ役をし、彼のファンだったので、生の歌が聞きに行きたいと思い、朝早くからチケット売り場へ並んで、チケットを取った記憶があります。

(当時はインターネット販売はありませんでした。)

時期は異なりましたが、実は彼とはミラノで習っていた歌の先生が偶然にも同じでした。

それから、彼は、大テノール、カルロベルゴンツィ氏の弟子になり、あれよあれよという間に、パルマの王宮歌劇場で仮面舞踏会のデビューを果たし、その後、ヴェローナ野外歌劇場と契約しそこでも仮面舞踏会で華やかにデビューされました。

その後の活躍はオペラファンの方ならご存知だと思います。

当時、メトロポリタン劇場でパヴァロッティがトスカを歌う予定が体調を崩され、ピンチヒッターとして、リチートラがコンコルドに乗ってアメリカへ飛び、本番の2時間前に到着し、代役を見事に果たしたことは超有名な話!

その彼が、2011年の8月末、バイクで運転中、頭が急に痛くなり、意識がなくなり、バランスを崩し、そのまま壁にぶつかってしまったそうです。

脳溢血と言われています。43歳の若さで亡くなりました。

世界を飛び回る、超多忙の有名オペラ歌手だったために、知らず知らずのうちに体に負担があったのでは?!

と思わざる負えません。私は、当時大変ショックでした。

この映像は、2003年にローマのカラカラ野外劇場の前で行われたマルチェロアルバレスとのドュオコンサートです。

当時はイタリアで生中継されました。

もちろんテレビから見ましたしCDも持っています!

良かったらご覧ください!

当時は、オペラ歌手がポップスを歌うのが流行っていました。

私は今も昔もパヴァロッティの大ファンでその彼もポップスの歌のCDを出しました!

(もちろんサイン入りを買いました!)

そして、パヴァロッティが歌ったテノールの有名なアリア。

リチートラ編

カヴァレリーア・ルスティカーナの2重唱

さて、話は戻りまして、今回は、ネットから楽々とゲットできました。

それも、3列目のプラテアの席、なんと、120ユーロの席が65ユーロに格安になっていました。

(ネットからのご購入がお買い得です。)

当日に行ってみると開幕のオペラなのに(それもヴェルディ作曲のトロヴァトーレのオペラ!)席が結構空いていました。

だから、格安で売っていたのでしょう。

10年前は超満員でした。席も、天井桟敷の見難い席がやっと取れる状態。

不況からなのか、一般人のオペラ離れなのか、ナポリのオペラファンたちは、一昔前のトップレベルだった頃のサンカルロ歌劇場からかなり質が落ちたことに対して嫌気がさして聞きにいかなくなったと巷では言われています。

これは、その他の劇場でも同じ状態です。

アメリカのメトロポリタン歌劇場も危ないそうです。

世界一の大歌劇場ミラノのスカラ座は唯一、気軽にインターネットからチケットを買えるのにもかかわらず、今でもダフ屋の人たちがチケットを買い占めるほど、まだまだオペラファンがいるようです。

今年の初めに、ミラノのスカラ座の近くへ行った時に、知る人ぞ知るダフ屋の頭、名前をジャンニさんと言いますが、その人やほかのダフ屋の人たちが居て、相変わらずだなあと思った反面なんだかうれしくなり写真は撮りませんでしたが、ジャンニさんとお話ししました。(笑)

ジャンニさんといつも一緒だった当時の黒色の大きなわんちゃんはさすがに死んだそうですが、その代わりに白い大きなワンちゃんが彼の傍にいてました。あのころが本当に懐かしいですね。

大人気のオペラやコンサートになると、朝6時、12時、18時と3回点呼があり、それを3日続けた後にやっとチケットが購入できる時代でした。

友達と一緒に並んだ時のことをいまでもよく覚えています。

ミラノに住んでいたイタリア留学時代の初めのころのですね。

でも、ダフ屋の人や、スカラ座のチケット売り場の人、マスケラさんと交流すると、時々、幸運にもゲネプロの無料のチケットがゲットできたりしました。

もちろん、劇場で働いている合唱団員、オケの人たちにお願いすることもできます。

サンカルロ歌劇場もゲネプロの時にはほとんど一般公開をしますが、チケットはスカラ座とは違って無料ではありません。それでも、一般で見るときよりも安めなので、合唱団員やオケの知り合いから学生のころはよくチケットをお願いしました。でも、正直な話、手ぶらではいけませんので、当日はちょっとした手土産をその人に持っていきますので、結局は高くつくし、なにかと気を遣うのです。

観賞するときにも、ほとんどの人たちは関係者またはその知り合いの人たちばかりで、緊迫していて、あんまり目立った感じでいない方がいいという雰囲気です。

今はもう学生でもなので、一般のお客さんに交じってゆったりと見ています。

一般人と一緒に聞くのはお話ができて楽しいですし、彼らの鋭い反応や意見は非常に大切で、耳が肥えていて、とても勉強になるのです。

当日の、主役たちは、中日でもあってちょっとお疲れ気味でした。

一昔のレコードやCDを聞いても結構主役の皆さん歌詞を間違えたり音程も怪しかったりしてます。

でも、口パクでない、マイクも使わないオペラ歌手たち、毎日の稽古から本番まで、体力と精神力が勝負なのです。

これはもうオリンピック選手並みなのです。

皆さん、本番や稽古がない時には、夜は大抵家にいて体をしっかり休めています。

大舞台の華やかさとは別に日頃は皆さん真面目で地味に過ごされています。

言う割には、お酒も飲まないし、たばこ吸うだなんてもっての外です!

そう、体が楽器だからです。風邪ひとつ引けないのです。

そのコンディションを保つために皆さんいろいろと工夫をされています。

だから、トップで歌われている人たちは化け物に近い、ただものでない凄い人達(超人)なのです。

ルーナ伯爵は驚きの上手さでした。会場からも拍手とブラボーの嵐。

マンリーコ役の人は、この方も春にサンカルロ歌劇場でオテロを歌われた人でした。

好みもあると思いますが、黄金時代を匂わす歌い方でした。

全幕が終わり、今回のオペラで二コラ・ルイゾッティ指揮者がサンフランシスコの歌劇場へ転勤になられるので、ルイゾッティファンのナポリの人たちからたくさんの拍手がありました。

この方は、リッカルドムーテイ指揮者の愛弟子と言われていて、以前は副指揮として、よく一緒に仕事をしていました。師匠譲りで、所々で、ムーティのような指揮の振り方、音楽のまとめ方がありました。イケメンで爽やかで人気がありましたので、イタリアから離れてしまうのは個人的にちょっぴり残念でした。

ラ・スぺツィアには大きな歌劇場はなく、テアトロチビコがあります。

次回は懐かしのミラノのスカラ座や、ラ・スぺツィアから気軽に行ける、ジェノヴァのカルロフェリーチェ歌劇場、フィレンツェの歌劇場へ観賞に行ってみたいです。

その時にはまた記事を書きますね!

ケイコ

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