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皆さん、こんにちは!
今回も悲しいお知らせです。
実はこのブログを書いている途中、イタリア中部で大地震が発生し、地震のブログを先に公開しました。
ダニエラ・デッシさんはリグーリア州の首都ジェノヴァ出身で、私の数少ない大好きなオペラ歌手ソプラノ(soprano)の一人でした。
今年の5月ごろにオペラ歌手活動を体調不良のためにキャンセルされ、この秋に復帰する予定でしたが、今月8月21日北イタリアのブレシアの病院で59歳という若さで死亡されました。
原因は表向きには発表されていませんが、裏情報では大腸がんで5月に病院へ行ったときにはすでに末期の状態で手遅れだったと伝えられています。
どうしても今回デッシさんのことを書きたかったかと言いますと、実は約2年前に、私がこの地球の歩き方のWEB特派員に応募した時に、書類選考を通過した後、課題制作(記事を4つ)作成しなければならなかったのですが、その時に書いた記事の中でデッシさんと事実上の伴侶でもあるテノール、ファビオ・アルミリアートさんにもお願いし、彼らのことを書かせて頂きました。
当時画像やブログの許可を得るために何度かメールでやり取りをさせて頂きました。その時に本当に親切にして頂き、実際に面識もなくお会いしたこともなったのに、<ケイコ、私たちの画像をどんどん使っていいよ!>と地球の歩き方の特派員になるためにご協力して下さいました。
そして原稿を完成し、無事にT&Eトラベルライターとして合格しWEB特派員に採用されました。
この御恩に<今度お二人にピッツァをご馳走します!>と約束したのに、それが実現するどころか結局お会いすることもできませんでした。まさかこんなに早くあの世にいってしまうとは思いもよりませんでした。
イタリアへ住み始めたころデッシさんの出演したオペラにはよく生で聞きに行きました。蝶々夫人を初め、アドリア―ナ・ルクヴルール、ドンカルロ、ラ・ボエーム、椿姫、ノルマなど、デッシさんが歌っているDVDやCDも日本にはあまり売っていなかったためたくさん買いました。
本当にまだまだオペラ歌手としても活躍できる上に、後進の指導も数年前からされていて、私も一度声を聞いていただきたいなあと思っていました。
本当に残念でした。私好みの歌のテクニックでしたので、デッシさんの歌を聞いていると、ホッと安心して聴くことができ、レパートリーもソプラノのリリコやスピントだったので、私と同じ声の質だったのでよく聞いて勉強しました。
あのように歌えるためにはまだまだ道のりは険しいですが、オペラを聞きに行ったときには一目瞭然にわかるのですが、テクニックの上にデッシさんは演技力も素晴らしく、他の歌手にはないオーラがあって、さすが<ここ20年間のプリマドンナ>と言われている人だなあと実感しました。バタフライを聞いた時には涙もので、鳥肌が立つほどの演技力!日本人がバタフライを演じないとだめだと暗黙の了解で言われているのですが、デッシさんはこれを超越した素晴らしいバタフライでした。
デッシさんはイタリアの作曲家ヴェルディやプッチーニを好んでよく歌っていて、特にアイーダ、トスカ、バタフライは大好きだったようです。
これからもデッシさんを目標に精進していきたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。安らかにお眠りください。
デッシさんとファビオさんのアンドレア・シェニエからのフィナーレデュエット
ヴェルディ・レクイエム デッシさんソプラノソロ(指揮はリッカルド・ムーティ)
ケイコ